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ASAYAN、ハロプロ、つんく♂ファンである朝井氏から(女性)アイドルへのラブレターだと思う。
「本当に私たちが幸せになることを望んでる?」
幼い頃から歌うこと・踊ることが大好きな愛子は高校2年生。NEXT YOUというアイドルグループで活動中。いずれ武道館でライブすることをグループの目標としている。
握手会、リリースイベント、動画配信、ライブ活動。知名度が上がるにつれてファンや事務所からの期待も高まり、メンバーに落ち度があってはならない。
誹謗中傷、炎上、煽り…。スルースキルは自然と身についていなければならない。
アイドルとして活躍できる期間は有限。成長期に伴う身体の変化、二期生メンバーの追加、初代メンバーの卒業…環境も次々に変わる。
アイドルって?アイドルである前に一人の人間でしょう?愛子は静かに葛藤し始める。
今時のアイドル事情は何となくでしかわからない。炎上などは十年前まではなかったものだと思うけど、いつでも会えるアイドル、Twitterやブログの普及…アイドルとファン(ファン以外の消費者含み)の距離が近づきすぎたから生まれたものなのかな。作品でも書かれた昨年の握手会襲撃事件は本当にゾっとした。
私は女性アイドルのファンではないから、客観的に「アイドルってこうなのか~」とふむふむと思いながら読んだ。あとは彼女たちから見たファン以外の人への思考も。
うーん。上手く感想がまとまらないけど今回もやっぱり面白かった!朝井氏は世相(?)を切り取るのが上手いと思う。
またいっぱい引用してしまった。
昔聞いた事がある…ジャニーズは何故男性アイドルしか扱わないのかという質問に、ジャニーさんが「女性はどうしても感情的になってしまうから。恋愛すると仕事にならない」と答えたような1件を思い出した。
碧が時々暴走する所を読んでてこの話が頭をよぎった。(男性アイドルでも同じことする人もいるかもしれないけど)
人生は選択の連続。アイドルでもアイドルじゃなくても、自分のした選択が正しいか正しくないかじゃなくて「正しかった選択」と自分自身で落とし込まないといけないな。
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期待が大きかったかなあ。
朝井さんの作品だと思うと、楽しみ過ぎてつい「期待値」が高くなりすぎてしまう。
面白いし少女たちの心情を丁寧に描いてるし愛子の揺れ動く気持ちに読み手が寄り添える感じになっており、アイドルといえども一人の女の子なんだという当たり前のことを感じた。
ちょいちょい紛れてくる仕掛けもなるほどと思い、最後も良かったけどちょっと物足りない。
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うーむ。期待はずれ。こういうスポ根系なもの苦手なんですよね。アイドルはスポ根ではないけど、お仕事小説とかあまり楽しく読めないので、単なる苦手分野ってだけかな、楽しめなかったのは。
アイドル小説というよりも、お仕事小説。アイドルという職業の若い女の子の成長する過程を描く青春ストーリーを想像していたのだけど、もっと仕事仕事してたかな。違和感が常にあった。何にかはわからないけど。
武道館に立つまでの、立てなかったまでがわりとあっさりしてたな。復活ライブもすんごいあっさり。最後の歌詞でのラストも辛辣じゃないかしら。
別につまらなくはなかったけど普通すぎた。もうちょっと揺さぶる何かがほしかったな。
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自称アイドル好きの著者が満を持して(?)描いたアイドルの小説。
「アイドル」の少女の視点から、期待される偶像としてのアイドルと、それを担う生身の自分自身との狭間で揺れる少女の葛藤を描いている。
ご本人によれば、主人公が所属するアイドルグループのモデルは、ハロプロのあのグループなのだそうだ。
彼の小説やエッセイにはよく、何かを得ていると同時に何か失っているものがある、というような表現が出てくる。
今回もキーワードは「選択」だった。
選ぶということは、同時に、何かを選ばなかったということ。人生の中で人は常に何かを選びながらその道を進んでいるわけで、そこには同時に、選ばなかった、失った別の進路もあったということだ。もしそっちへ行っていたらどうだったのか、は誰にもわからない。だから、今進んでいる道を後悔しないように、間違っていたと思わないために、「正しかった選択」にするために、今を生きる。前向きに。
アイドルの姿を描きながら、「生きる」ことを見つめた、そんなお話。
はじめのうち、正直あまり興味のない題材で、う~ん若いな~、面倒臭いな~、やめよっかな~、と思いつつ惰性で読んでいたのだが、最後まで読んでよかった。朝井リョウ応援団なのだし!
だがしかし…ファンのつもりだったのだけれど、彼がアイドル好きだったなんて…知らなかったぁ(汗)
ファン失格か?!
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【武道館を目指すアイドルたちの現実と未来】武道館ライブの実現を目指し活動するアイドルグループ「NEXT YOU」。成長する彼女たちをシビアかつ熱を持った視線で描く。
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久々の朝井さん。やっぱり読みやすい!人生は正しい選択じゃなくて、正しかった選択があるだけっていう。あとは、情報というものについて考えさせられたかも。今は何でもフリーだし、それが便利だけれど、だからこそ皆同じ情報に触れているわけで。その情報をどう捉えるのか、自分は何を感じたのか、またその情報の背景を考えないと、何かに飲みこまれそう。この時代に、自分の本当に好きなものとかことを見つけるのって、情報は膨大だけど、なかなか難しいと思う。その切ない感じとか、それでも自分で選んでいく登場人物に勇気を貰いました。最後、第三者の視点でメンバーの景色が語られたところが好き!良かった、と思える。
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武道館でのコンサートを目標とできていたころは良かったけど、ふと我に帰ると、その目標の意味がわからない。
同じ武道館でも、○○武道館っていうのもあるし、会場の作り方で収容人数も大きく違う。
そんな抽象的な目標から脱皮し、アイドルとして、人間として、恋する少女として、答えのない答えを探す旅に出る。
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「夢を与える」のときと同じくらいの胸の苦しさ。
でもこの苦しさがわかる人を私は“同志”と呼びたい。
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武道館での公演を目指す今時のアイドルを描いたお話。既視感のあるエピやあまりに薄っぺらな内容に唖然。同じアイドルを描いた「ピンクとグレー」の方がまだまとも。小手先で描いた物語はつまらん。
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アイドルフリークでもある朝井さんらしく?、
近年の、アイドル像やアイドル・ビジネスを、
ちくりと刺しつつ、
主人公のJKの、アイドルといぅ表の仮面と、
女の子といぅ裏の素顔の、その表裏の一体を、
「恋愛」をセパレーターとして描いています。
とは言え、それは氷山の一角の部分で…、
事務所内、事務所間のパワーバランスや、
スポンサーやステークホルダーの巨額マネー、
それに対する陰湿ないじめや枕営業といった、
芸能界のダークなサイドに触れていないため、
表面を撫でたよぅな印象は感じられたかも…。
1個の商品としての「アイドル」を、
本人も、ファンも、ステークホルダーも、
どぅ捉えて、どぅ接していくのか…、
一歩踏み込んだ視点で読み進めてみると、
現在の、ネット社会の弊害も含めて、
なかなかに、考えさせられる部分もあり、
面白かったです。
(それだけに内容が浅ぃ部分は、ちと残念…)
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花布・見返しにサイリウムだ! って思って読み始めた。
それに女子アイドル好きなら読まないかんだろう、と。
ダ・ヴィンチ「朝井リョウ×高橋みなみ」の対談を聞きかじったあと、すぐ手にとった。
愛子の判断も考え方もフィクションとは言え、どこまでも生々しくて、良かったじゃんと何だか安堵してしまった自分がいた。
いやぁ、相変わらず刃として飛んでくるなぁ。
嫌いじゃないなぁ。
ただHKT48好きですので、「矢吹美久」には、おいって思ったけど。
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現役アイドルや、プロデュース関わっている人、そしてアイドルファン全員にぜひ読んでもらいたい傑作。
自分にとって何が本当に大事なのかを、人に決めさせてはいけない。例え歴史がそれを正解だと示していても、世界は変わり続ける。常識はいつまでも常識のままではなく、移り変わる。だから、他人からの「こうあるべき」に縛られちゃいけない。
まさかアイドルの成長を通してそんなことを考えさせられるとは・・・。
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読み終わって、本を開いたまま拍手したくなった。前半はアイドルって大変だなぁ程度の生温い感想しか持てなかったけど、260ページあたりから心をぐいっと掴まれてラストまで一気でした。
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少女たちの心を丁寧に追いながら、まあそうしかならないだろうな、というカタストロフに向けてストーリーはまっすぐ突き進んでいく。でもそこから先のエンディングは、ヲタの願望の込められた妄想のユートピアだ。大甘だ。呆れながらも共感せざるを得ない。この小説を読んで救われた気持ちになる現実のアイドルもいるかもしれない。あるいは鼻で嗤うのかもしれないが。
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観察眼がすごいなーと思うけど、客観的な取材とそこから派生するはずの創作に物足りなさを感じた。「何者」を書いた人のつくるアイドル像とその周辺に期待値が高すぎたかも。
何世代前かの娘。とハロプロに思い入れあるのでしょう。スタダやAKBも小ネタ素材としては使われていたけれど。わたしの脳内では、あかりんとあーりんがだぶる。
この小説は、アイドルファンや言いたい放題の消費者に向けたものではない。険しい道にさ迷うアイドル本人たちにむけて創作された物語なんだと思う。