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投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“最悪でも、いささかの懐古趣味を満足させることはできるだろう”
本書の前書きで、著者が引用した文章である。果たして本書は懐古趣味を満足させるだけの本なのか?いやいや、1995年は、エポックメイキングな年なんですよ!と納得をさせられる本なのか?
確かに経済面やテクノロジー、文化面等、各論では後世に影響を与えた出来事はあったようだ。しかし、1995年という年全体ではそれほど後世に影響を与えた訳ではなさそうだ。というか、そこまで踏み込んだ記載と分析はなされていない。
どちらかというと、“懐古趣味を満足させる”内容であったが、それでも私にとっては懐かしい1年を振り返ることができた。
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1995年とは、いったいどのような年だったのか。
そう問うとき、「日本の転換点である」と答えて、おそらく大きく外れることは無いだろう。
しかし、果たして具体的にどのような意味で?阪神・淡路大震災、オウム真理教の一連の事件、ウィンドウズ95、エヴァンゲリオン、二信組事件、「新時代の「日本的経営」」…枚挙に暇が無い出来事が、確かにこの年には起きた。それらは現在まで、どのようなかたちで尾を引いているのか。本著は1995年という一年を「横に」読もうという、今までありそうでなかった挑戦と言えるかもしれない。
ただ本著だけで「1995年が転機の年であるという固定観念を外す」というのは、難しい。
本著が1995年というヨコ糸を丹念に織ったとするなら、前後でやはりそれを各テーマの「タテ糸」(いわゆる通常の歴史的経過を見るような著作や言説)と絡ませることで、ようやく固定観念からの脱却は果たされるはずだ。
あるテーマ史への深い理解を目指そうとする時、そこに横からの光を当て今まで見えなかった像を照らす。本著はそうした目的のもとで読まれてこそ、真価を発揮するのではないだろうか。
著者が慎ましくも述べた「懐古趣味を満足させる」だけの著作となってしまうには、あまりにも惜しいとは思う。
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阪神大震災では岡山と広島の県境でも少し揺れた。
学校に行くとみんなあの揺れで起きたみたいな話があって「あれで起きないバカいるのかよ」みたいなことを言ったら美術の先生が起きなかったけどなにか?みたいな返しをした記憶。
オウムもテレビの中でだけ、地下鉄サリンのサリンもだけど地下鉄なんかなかったし乗った事なかったからイメージが沸かなかった。そのぐらいに東京は遠かった。
エアマックス95の実物はあの年に見ただろうか? 結局あの95年に出たエアマックス95やエアフットスケープやエアズームフライトなんかの実物を見たり買えるようになったのはその数年後だった。エアマックスとGショックのプレミアム化で自分の欲しいものとのちに価値がつくから手に入れておこう、ヤフオクで売ろうという本来の価値とは違う部分でファッションアイテムが注目されたのはやはりこの年からだったように思える。
『エヴァ』が始まって毎週ではなく時折部活帰りに家で見ていた。やはりハマったのは劇場版が公開するからそのための深夜での再放送だったけど、覚えているのは内容ではなくエンディングの逆さまで水中に浮かぶ綾波のイメージが僕の最初のエヴァのイメージだった。シンジ達と同じ14歳である中二の年で、リアルシンジ世代と一部で言われていたが、いつしかミサトさんたちの年齢を超したと思ったら『Q』でまたミサトさんたちに年を追い抜かれてしまった。
僕個人では1995年は野島伸司脚本『未成年』が放映された年であり、ドラマにハマっていきその後の人生を確実に間違えた方向に向かわせた一年だった。
オウム事件について書かれている部分を読むと今やっているドラマの『クロコーチ』の三億事件のように警視庁長官を狙った狙撃事件など時間が経ってドラマや小説などで描かれて、現在と1995年を繋ぐものが現れるだろうなと思った。
1995年に生まれた人は18歳、幼くてまったく記憶にない人たちや以降に生まれた人が読むとどう感じるのか。確かにタイムスリップしてもバブルの頃よりは違和感はないんだろうな。
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政治、経済、文化そして日本を揺るがした震災やテロ。様々な分野で”日本の転換点”とされる1995年を細かく読み解く1冊。
95年は自分は小学生。震災とサリンの記憶しかなかったが、この本を読んでくと、Windowsだったり、浜ちゃんと小室コラボのヒットだったり、様々な事象が自分にも思い出されて面白かった。
歴史の上ではこうした”転機の1年”が少なからず存在するんだろう。その1年に起こった出来事がその後の社会の在りようを変えていく、ということを、どう意識できるんだろう、と考えた本だった。
現代もその転換点にいると感じる。意識して生きよう。ありがとう。
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≪目次≫
第1章 政治ーポスト55年体制の誕生
第2章 経済ー失われた20年の始まり
第3章 国際情勢ー紛争とグロ-バリズムの時代
第4章 テクノロジーーインターネット社会への転換
第5章 消費・文化ーオカルトと自己喪失の世界
第6章 事件・メディアー大震災とオウム事件のあいだ
≪内容≫
事実が綴られつつ、当時の評者の文や著者のコメントがはさまる。なるほど、1995年はターニング・ポイントなのだな、そしてその前の時代とは隔絶しているけど、この後は現在までつながっているのだな、と感心。
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読後、改めて1995年は私にとって特別の年だと実感。僕らは歴史から学ぶことが苦手だ。過ちを繰り返し繰り返し。。それでも、まぁ一歩一歩進むしかないのだ。
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期待外れ。オウム的なものに引かれた時代性について掘り下げられていない。ただ、この点は筆者の意図するところではなかったかも。百科事典の1995年のところを眺めているのとさほど変わらない。
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この本を読んで、最も驚いてしまったのは1995年が、もう18年も前だということ。そんなに、そんなに昔なのかい。ワシ、おっさんやん。。。
読みやすいのに、情報の密度が濃いのでもう一度読んでもいいかもしれない。参考文献も面白そうだ。
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いつ「中村英里子は現在パリ在住」が入ってくるかワクワクしていたけど、でなかったーー。
1995年を生きたことがある人が読めば、あのとき何が起こっててそれがどう今に繋がってるか良く整理できそう。
歴史を横に見る手法は「1985」という本を下敷きに、としていたけど、逆に、一番振り返って面白くないのは何年なんだろうなぁ。
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正直あんまり内容はなかったと思う。
ただ面白いのは今の20歳の若者が18年前の1995年にタイムスリップしてもおどろかないだろうと。それは1995年が携帯もそれなりにコンパクトだし、ネットも一応ある。バブルのジュリアナじゃないけど、ファッションも違和感がない。女性の眉毛もこれ以前は太いけど、1995年は細眉のはじまり。イチローはいるし、ガキの使いあらへんで!を見れる。安室もいる。違和感があるとすれば、スタバが日本にないくらいだと。それだけ1995年は時代の転換期だったという内容。
確かに1995年はいろいろあった。
阪神大震災、野茂ドジャースへ、地下鉄サリン、知事に青島とノック、テレサテン死亡、函館空港でハイジャック、今話題の八王子スーパー殺人事件、村山談話、オリックス震災の年に優勝、ビートルズ25年ぶりシングル(フリーアズアバード)、ウィンドウズ95、相撲若貴決戦、そして最後に新日対UWF!
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結局、この年にこんなことがありましたよーって話を並べ立てている以上の内容では無かった。この時代についての深い考察を期待して読むと、ちょっと肩透かしくらう。
まあ、そういやこんなこともあったっけーって懐かしさには浸れたので、前書きで最低限と言っていた、懐古主義を満足させることくらいは出来ると思うけど。
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個人的なことを書くと、1995年は高校を卒業した年。なんともう18年も経つのか・・・。
確か1月に大学入試センター試験で思ったとおりにいかずに起きたのが阪神大震災だった。そして、その2ヵ月後、大学受験に失敗し浪人生活が決定したときに起こったのが地下鉄サリン事件だった。
確かに、1995年は著者が言う「転機の年」だったことは否めない。しかしながら、本著は転機の年と断言とする考察に乏しく、こうした事件を書いているだけ、という印象は拭いきれなかった。
あとがきに書いてあった「『1995年』はバブルの時期からたった5.6年あとの世界でしかない。一方、2013年の現在からは、18年も前である。とはいえ、『1995年』はバブルの時期よりも現在に近い時代であるように思う」ということは当時多感な時期を過ごしたからか納得した。
冒頭に書いたように、この年に高校・大学を過ごした世代がロスジェネ世代。個人的には、1995年よりもその3年後の1998年が崩れかけていた高度成長期の価値観が崩れ去ったような気がするのだが・・・。そして、この翌年私は就職活動を迎えるのであった。
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事実の羅列に徹し、独自の読み解きはなし。ゴー宣がテキストだった時代を懐かしく思い出す。それ以上でも以下でもなく。
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大学に入った年。すごく思い入れのある年だ。阪神淡路大震災や地下鉄サリンなど,大きな事件が続いた年だった。そんな95年を中心として,日本や世界の出来事を雑多な視点から眺める本。
記述はやや無味乾燥な気もしたが,科学技術や文化のくだりでは懐かしい当時が蘇ってきた。政治や経済,国際関係といった堅い話題から始めているのは,ちょっと読者を掴み損ねているようなもったいない感も。でもそれは当時の自分がそんな話題に疎かったせいかも知れない。
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1995年は、最も興味のあるポイントだ。そんな年の出来事がきっちり記されているが、そこからの考察を期待していただけにそれが無かったのが物足りなさを感じたひとつの要因です。あ、終わっちゃったって感じで読み終えた。