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タイムトラベルものとしてはそこまで面白くはなかった。
過去との通信装置の設定を含めて素粒子物理から凝ってる割には、その設定が十全に使われているとは思えず、ただ読みにくいだけだった。
別に新しい粒子を作らんでも先進波でいいんじゃないの?
通信装置は現在の危機を救う福音装置であり、悪影響がほぼないのはどうかと思う。むしろ危機の原因と絡めて欲しかった。
ハインラインの『夏の扉』の方が肩が凝らずに好きだな〜。
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「タイムトラベルもの」と言えるか。
人や物が時を超えるわけではなく、メッセージが伝えられるだけなのだが、それが過去へ届けば、歴史を変える力は十分にある。
タイムトラベルものには、扱いに困る矛盾が色々とあるにもかかわらず、元祖「タイムマシン」から多くの作品が描かれているが、そこにはやはり、「もう一度やり直せたら・・・」という人間の願望が表れているのではないか。
ホーガンらしくちょっととっつきにくい理屈をこねる場面もあるが、「やり直すことでの影響あれこれ」という基本はしっかり描かれており、前半のスローペースからは考えられない急展開も控えている。
ラストがいいです。
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本格的(というのもおかしな表現だけど)な印象の作品。 前半は取っつきにくいのでエンタメ小説として読むにはあまりオススメはしない。 こういった時間モノが好きなら読んで損はないように思う。 時間線の移動に関しての描き方はとても面白いけどもう少し何か細工があるのかと思った。 しかし30年以上前の作品とは思えない。 詳しいことは知らないけどシュタインズゲートはこの作品の影響を受けてるんだろうなって感じ。
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シュタインズ・ゲートの元ネタというかシュタゲがリスペクトしているであろう内容。タイムトラベル物でまさかのラブストーリー…!「忘れてなんかいないわ」にちょっと泣いてしまった。
新しいなと思ったのは(1980年の作品なのに!)タイムトラベルの実現について国家をまたいで共有し、地球の未来を守るために首脳陣が知恵を絞っていく過程。もちろん打算や独り占めしたい各国の思惑も混ざるが、それでも歴史改変の危険性回避のために最善を尽くそうという強い意志がありそこも泣けた。
長編なのでずいぶん長いこと欲しいものリストに入れたまま放置していたが、読んで良かった。
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言葉だけ、それも一度に6文字だけを過去に送ることのできる機械を作り上げたチャールズ。そこへ数学者や物理学者を集め、どのように活用、改良するかを議論する。そんな中、世界中で謎の現象と謎の病気が流行り始め、直ちに原因は判明するが、過去にある原因を止めることができるのか?
全部読み切ると、よく考えてあるなあという小説だが、いかんせん途中がダレる気配があり、天候も影響して正直なところ眠いのを我慢して読んだところがある。
過去へ送れるものは、文字だけ。それも一度に6文字だけ。でも連続して送ることで、過去における未来に起こる事故を回避することができる。分岐型の未来像ではなく、ホーガンは違う"時間線"に乗り換えるという言い方をしているが、早う話がタイムパラドックスをどう議論するのかという点がかなり長々と、図まで加えて書かれており、そのへんはハード。
別の意味でハードなのが、メッセージを過去に送った時点で、過去の話にポンと飛ぶ。難病が発症して全く動かなくなった人が、次のシーンはその前に戻って会話していたりする。同じセリフなどでうまくつないでいるものの、若干ついていくのが厳しいと感じるところだ。また、そこで違う時間線の話が始まるわけで、そのパラドックスを十分には楽しめなかった。
2/3ほど進んだ当たりで、目的がはっきりし始める。はっきりしてしまえばホーガンらしいストーリー展開で、安心して読み進められる。ただ、地球規模の危機が立て続けに起こりすぎであり、起こる事件は1つだけで、それを解決でも良かったんじゃないかと思う。
ところで、「タウ波」については少々力技という部分はあれど、プログラムにしろブラックホールにしろ謎の病気にしろ、ちゃんと取材して調べて書かれており、ここんとこ読んだ日本の微妙なSF作品とは、月とスッポンほどの違いがある。
ただまあね、真ん中の1/3は読みにくいよねこれ。その辺加味して、ちょっとSF玄人向けかな。
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「星を継ぐもの」四部作を読み終って寂しくなり、過去の作品に挑戦。一種の時間旅行物だが、ホーガンは、現実社会は実際このとおりなのでは、と思わせるのがとても上手い。読み終わると、いつも妄想が止まらない。
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なかなか見たことないロジック系SF?でした。
ハードコピー(穴の開いた板)でプログラミングする時代にとんでもない事を考えたもんです。
星を継ぐもので知ったホーガン
やはりすごい作家ですね!
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『内なる宇宙』に続き、ホーガン作品五作目。シン・エヴァの英版タイトルの元ネタということで、久々に手に取りました(^^) まず一番に、映画前に読んで良かったなぁと…。内容から庵野監督がどんな想いで制作にあたっているのか垣間見れ、大いに期待できそうだ。それにしてもホーガン作品はワクワクが止まりませんな!良い終わり方で最高でした!!星四つ半。
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装置を用いて過去にメッセージを送り、未来(世界)を再構成する。シュタゲの原典といえる作品。無関係と思える事件が最後には繋がり、物語が終焉にむかう怒涛の展開は、圧巻だった。あと、エピローグでほっこり。
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最初の世界観や設定の説明が中々頭に入らず読むのに時間がかかったけど、そこをすぎるとスイスイ読めた。
過去現在未来はすべて常に変化してるってまあ非現実的だけど、なんか不思議な感じがしてすきだなあ。
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本作の原題:Thrice Upon A Time は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の英題に引用された。
過去にメッセージを送ることができるマシンが完成した……という、それ何てシュタゲ?と今の若い人なら言いたくなるようなオープニング。2010年を舞台に1980年に出版されたホーガン節の時間移動SF。ホーガンといえば真っ先に思い浮かぶのが『星を継ぐもの』。これぞSF、というセンス・オブ・ワンダーとミステリー的な謎解き要素を併せ持った面白さは本作でも健在だ。
こういった、過去に干渉して歴史を改変するという物語は、改変前の世界と改変後の世界が分岐してそれぞれが継続していくというパターンと、改変前の世界は消滅して完全に書き換わってしまう、というパターンがある。本作は後者であり、「世界線の書き換え」によって生じる様々な問題が、思考実験のように展開されて非常に面白い。たまたま人類の絶滅につながる2つのまったく別々の重大事件が発生し、過去にメッセージを送れるマシンによって救われるか?というのはちょっとわざとらしい展開にも感じるが、必然的に生じるタイムパラドックスも含め、このテーマに関する普遍的な問題を提示していて最後まで興味深く読める。
美しいラブロマンスでしめる、読後感の良さはさすがのホーガン。あちらこちらで使い古されてしまった時間移動もののネタは新鮮味にかけるかもしれないが、今もって一読する価値のある名作なのは確かだと思う。
新エヴァについては、なるほど……と今さら気づいた(英題は気にしてなかったニワカ)。
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言わずもがな、新エヴァの副題の元ネタ。新劇場版が持つ並行宇宙の概念は概ね本書に沿う。しかし偶然なのだが今どきな話題も出てきて、80年代とは思えない作品。いまならエヴァっぽい帯がついて本屋に並んでます。
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アメリカ人のロスは、タイムマシンを完成させたという引退した物理学者の祖父のもとへ、友人のリーと共にいく。
まともに取り組むと、パラドックスもあり、なかなかに難しい。主に時間間通信によるタイムマシンが登場。科学の知識、素養ないて、なかなかに難しい。
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いいんですよ、とばしても……。
だって、どんなに読み込んでもわからないものはわからないし。
そう、ハードSFと呼ばれる科学系専門用語?の数多く出てくる本は、目が痛くなるほど凝視しても、ダメなんだ~私。
じゃ、なぜ読むかって?
面白いから!
この物語だって、地球滅亡に抗う主人公たちの悪戦苦闘がパニック映画のように描かれていて、とても面白い。
過去にさかのぼることで得られることと失うことの重さが、主人公の決断にのしかかるとき……さあどうする。
ただ、ちょっとだけ????となったのが、ダメな私であるところ。
残念!
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特に物語後半からの推進力がスゴかった。
単純なタイムトラベルものではなく、制約がある中、過去の自分を信じて大切な情報をリレーしていく姿に心打たれた。
友を世界を救うために過去を改変しようとする。
そして運命の人には、どんな時間軸であろうと出逢える(出逢ってしまう)のが素敵だった。