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良い本。成瀬巳喜男という映画監督は知らなかったが、是非とも作品を観賞してみたくなった。
“成瀬は真正面から戦争を描く映画は作らなかったが、「お母さん」といい「浮雲」といい「乱れる」といい、どこかに戦争の影が落ちている。自分たちは戦争に生き残った。国は敗れた。自分の暮しの背後には、無数の死者がいる。その思いがあるから、成瀬映画に慎ましさがあるのではないか。”
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高峰秀子本で、当時の映画・監督さんに興味を持ち始め、いくつか見ました。作品から現代とは全く違った生活様式を見ることができて面白い。そんな作品の監督をしている成瀬氏を本で読みたかった。当時生きていなかった私には目新しい情報はあったものの、段々後半に行くに従って、情報がお腹いっぱいになってしまいました。
それより何より、登場した映画を観たい!
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じっくりと鑑賞した作品は「浮雲」と「鰯雲」くらいだが、地味で泥臭い人間劇でありながら女優の存在感が印象に残っている。生々しいお金の話、どこか頼りない男たち、力強く生きる未亡人、そして子供に向ける温かいまなざし。監督作の共通点や描かれる市井の人々の憎めない姿が丹念に紹介され、作品すべてを観たくなる。