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村田蔵六。
あるいは大村益次郎。
幕末の長州藩兵を率いて数々の戦いで勝利をおさめ、明治陸軍の基礎を築いた男。
多くの幕末人同様、自分の人生を一個の目的のために使い切ったひとりではあるのだが、燃やしつくしたというよりは目的のための一つの部品として、自分を使い切ったという印象を受けたのは僕だけだろうか。
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花神(上)(中)(下)
司馬さんは、大きな矛盾を抱える人間のことを、よく書いているように思う。蔵六もその一人。彼の矛盾というのは、世界で通用する才を持ちながら、結局は故郷の長州(かつての蔵六に見向きもしなかったのに)のために尽くすことになった、ということである。それは、師である洪庵の葬式で、蔵六が福沢諭吉とやりとりする場面によく現れている。そのような蔵六の行動の指針を決めた最後のものは「土俗的なナショナリズム」であると、司馬さんは指摘するが、とても興味深い。
人間は、不可解だ。だから人それぞれ違った魅力を持っている。
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読み終わった
上中下巻。NHK大河ドラマテーマ曲集を聴いていたら、77年のこの作品のテーマ(林光作曲)に感動。作品自体も非常に評価が高かったので読む。
長州藩士大村益次郎を中心に、激動の幕末を駆け抜けた様々な人間模様を描く群像劇。そんな中でも不器用でまっすぐな村田蔵六の生き様が、しかし人間味あふれる形で描かれているのは心地良い。
タイトルの「花神」にも深い意味が込められている。決して自ら歴史の表には出ようとせず、歴史に必要とされ、その役目が終わると忽然と姿を消した蔵六。その、謂わば歴史の「裏方」である蔵六を「花咲か爺さん」にたとえるとは、司馬遼太郎の「粋」が伝わってくる。
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Kodama's review
伊藤博文に続き、また歴史に。しかもまた長州。その中でも大村益次郎って意外な生い立ち。あとの2巻が楽しみです。!
(05.09.19)
お勧め度
★★★★☆
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大村益次郎が主人公の歴史小説。
司馬遼太郎先生なので、安心して読めます。
読んだ後に勉強しなくちゃと強く思える本です。
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大村が主人公な所が良い。無愛想であだ名が火吹きダルマな彼を中心に幕末長州の見る、というのはなかなか面白い目線で楽しめる。
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・「矛盾こそ人間のおもしろさかもしれない。」
・「『切歯慟哭、空をつなんで罵詈す』吉田松陰の刑死をきいたときの、松陰の弟子の前原一誠の想い。桂も同じ。」
主人公村田蔵六が幕末を経て、大村益次郎となる上巻。
上巻は、周防の村医を継ぎ、やがて宇和島藩に雇われる。見たこともない蒸気船をつくるなど相当な技術者でもあるが、当時はこういう人間がそこまで評価されず。
桂や福沢諭吉とも接点があり、討幕と知識人側から明治維新の背景を見ることができる。
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近代兵制の創始者とも言える、大村益次郎の生涯を描いた作品の上巻。
村田蔵六という、天才的偏屈男に対して親近感が持てた。
また、蔵六と緒方洪庵、福沢諭吉などの関連や、幕末におけるオランダ語から英語への変遷など、面白く読めた。
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それほど多く読んでいるわけではない司馬遼太郎の小説の中で今のところ一番お気に入りの作品。ぶっきらぼうな蔵六先生とイネ・シーボルトの掛け合いが可愛い。読了日は忘れた。多分6年くらい前。
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適塾→実家→宇和島→江戸・鳩居堂→蕃書調所・講武所の教授→長州
緒方洪庵、福沢諭吉との出会い
革命期における「技術」の意味
革命とは、まず最初に思想家があらわれる、次に戦略家の時代に入る、三番目に技術者が登場する。
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全3巻。
司馬遼太郎作品全般にいえることだけど
主人公をすごい英雄、というか魅力溢れるキャラクターに
したてあげる反面、他のキャラクター(特にその小説において悪といえるキャラ)に対しては、大変な酷評を与える傾向にある。
節々の司馬遼太郎の歴史人物評価がそれを裏付けるんだけど、
そのギャップに一つの楽しむところがあると俺は考えている。
花神もそのセオリーに当てはまる・・・
大村益次郎。写真ではすげー顔だけど、司馬遼太郎のおかげで
すごく好きになりました。
実務家ってなんだかんだ一番必要だよね。
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名前しか知らなかった人を読む楽しさ。
幕末は著名な人がてんこもりでとうてい網羅できるものではないし、テレビウケとかそういう側面で見るとどうしても龍馬とか勝海舟とか西郷どんとかに偏りがちですが、個人的には日本に来た欧米人が「日本人すげえ」と思ったのはむしろこういう人たちが地味に貪欲に頑張っていた姿だったのではないかと思います。
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幕末、対幕戦争の総司令官大村益次郎の生涯。
ますじさんのキャラクターがユニークで、大変な目に遭っているときでもどこか飄々とした空気が感じられて読んでいて楽しかったです。
きっとこの方は枯れ木に花を咲かすときでも無表情で、「そういうものです」とでも言ってみせるのでしょう。全三巻。
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大村益次郎という人。これ読むまでは存じ上げませなんだ。後の世に軍神として崇められるなんてご本人が知ったらねぇ…。
幕末好きにはおもしろい本でした。
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周防の医者である村田蔵六。蘭学の才能を買われ、宇和島、幕府、郷里の長州藩にとりたてられ、一転倒幕の司令官となり活躍、最後暗殺により亡くなるまでの生涯。
自分のこれまで持っていた司令官のイメージと大きく異なり面白かった。
彼は戦略をたて数字で計り計画を作る、そして粛々と実行する。仕事をする上で大事なことに改めて気づく。