紙の本
「おばあさん」が、頼もしい
2023/06/02 16:30
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投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が幼い頃の、昭和を思い起こすシーンが楽しく、懐かしかった。
大家さんと、千秋の祖母と、ふたりともたくましくて、こちらも自分の祖母を思い起こし、郷愁にふけってしまいました。
少女時代の思い出のポプラ荘と、亡くなった人に手紙を届けてくれる、というのがメインなら哀愁があり共感できますが、父の自殺や不倫や、そういった負の面が邪魔をして、そこまで入り込めなかった。
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ポプラ荘に住んでいた頃の大家さんが亡くなった。
そんな知らせで物語は幕を開けます。
主人公の「千秋」は当時7歳。
父が亡くなったばかりで、母は傷心中。
幼いながらにあれこれ考え、体調を崩してしまう千秋。
その後、なりゆきから、大家のおばあさんの部屋に通うようになるのです。
成長した女性が過去を振り返る形で描かれています。
文体こそ大人のものだけれど、視線は子供そのもの。
感じたことや考えたこと、父への想いがまっすぐに伝わってくる気がしました。
亡き父に宛てて書いていた手紙が途中何回か挿入されるのですが、これが何と言うか、胸に沁みるんです。
父に思いを馳せ、死について考える。
感じたままを書いた手紙。
グッときたり涙が出たりというのとは少し違って、静かだけれど心に響くという感じでした。
おばあさんとのやり取りも良かったなぁ。
ぷぷっと笑っちゃう場面があったりして。
そして、お葬式のシーンや最後の展開も好きです。
あの時間は、ちゃんと今の千秋に影響を及ぼした。
母の想いも伝わった。
こういう雰囲気は、とても好み。
この人の作品は初めて読んだのだけど、けっこう好きかもしれないなー。
難しすぎる言葉は使わずに、ちゃんと情景を思い浮かばせてくれる。
他のも読んでみたいです。
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お父さんに先立たれた母娘が偶然見つけたポプラの木。
その木の下にあるアパートを中心に小学生の主人公が生死について考えていく物語。
これに出てくるおばあさんは、千と千尋の湯ばぁーばみたいなイメージ
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いかにも頑固で怖そうなお婆さん。
背中を丸めて粗末な食事を取る後姿を見ながら、布団に入っていなければいけない状況なんて
子供には十分恐ろしい体験だ。
でもこの婆さんは、ただものじゃなかった。
「西の魔女が死んだ」にも通じる、時間の経緯と
「老い」への嫌悪感というのは、人間誰しも捨てがたい感情かもしれないけれど、
そんな固定観念をさり気なく払拭してくれる内容かな。
メェルでなく「手紙」というものの暖かさ、重さがひっそりと伝わってくる。
この作者はそういう内容を扱うのが得意なのかも。
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「夏の庭」で有名な湯本香樹実の作品。私はまだ夏の庭、読んでいないのですが。最後の方で泣いてしまった・・・。これは泣けますよ。
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夏の庭よりも、こちらの湿度の方が好き。なんというかじめじめしたところがあって、さわやか過ぎないところがいい。それでいて読み終わるとすっかり心が晴れる感じ。
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恐るべし、湯本香樹実。
夏の庭を書いた作者です。
恐るべし。
東京マリーゴールドを観て、なんか感動したい!心温まる話が読みたい!
と思って、説明会への道中へ携帯しました。
あぁ、面白い。
そして、やってしまった!
子どもが主人公の話はやばい!
・・・。
もう、毎ページ涙腺が緩む。
そして、目をしばたかせてなんとか涙がこぼれないようにする。
鼻水はでるし、でも今はナイスな季節!
花粉症のふりだ!
毎ページごとにインターバルを入れないと、泣いてしまいます。
一気に読んで、最後の10ページは家で。
思いっきり泣いた。
恐ろしいほど。
面白いくらい。
電車で読むには本当にむかない。
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「主人公と両親」「主人公とおばあさん」という二つの柱があるけれど、後者が印象的。180ページからの数ページは泣かされます。
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何度でも読み返したくなる本。
千秋に凄く共感できた。お婆さんがとても魅力的。母親の思いが千秋に手紙で伝わったときには本当に感動した。
読み返すたび色んな事を考えさせられます。すごくオススメ。
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大人のために書かれた児童文学と言いたい。母が亡き父に宛てた手紙を大人になった主人公の少女が読む場面は涙(と鼻水)が止まらなかった。死がテーマなので、決して明るい雰囲気の作品ではないけれど、結びがすっきり爽やかにまとめられているので、心地よい読後感を味わえる一冊。
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初めて読んだのは高校生の頃でしたが、大人になった今読み返すとまた違う魅力を感じます。
主人公が仕事の面で迷ってる気持ちとか、今しか分からない描写ですよね。
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ばあさんって、老人って怖いよね。でもあったかいんだ。
→手放すことにしたんだけど、登録されていなかったので、読んだことあるぞ、の記録のために(2012/10/07)
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小学生の女の子が、大家のおばあさんと接する中で父親の死を乗り越えてゆく物語。老人と子供の関係には特別なものがある。
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何度読んでもいいですね。
あたたかい涙が流れます。
「おばあちゃん」じゃなくて「おばあさん」なのがいい。
千秋の、おとうさんへの手紙もいい。
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純粋な気持ちがあふれた一冊です。
家族を想う気持ち、おばあさんを想う気持ちがあふれています。
こんな風に年をとりたい、と思いました。