紙の本
地図を見る目が変わる。
2015/08/25 01:19
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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭に登場する男は、見た物をすべて記憶できる能力を活かして仕事している。
この本を読んで、goooleマップを見るとなんともいえない気持ち悪さが込み上げてくる。
風景の変化は、内外の人が無意識に作り出してきたもの、という一種のミステリーを
主軸に動いていく。 人の思い込み・先入観といった脆い部分を巧みに操作して
ストーリーは着実に進む。 感情や記憶の脆弱性への観察眼は今回もさすが。
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過去と現在(しかも、読み手が事件の謎を追いかけてる様な設定)が交差する文章が新鮮で面白いです。
徐々に謎が深まってきました。期待を込めて下巻へ続く。
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昔のゲームブックみたいな2人称の語りに面食らいつつ、これが後々どういう仕掛けになるのかドキドキ。
そして合間に挟まれる町の人々のエピソードによって、ひたひたと話の核心が近づいてくるような、ゾクッとする感覚がたまりません。下巻でどう着地するんだろう。
(2011年8月14日購入、2011年8月15日読み始め、2011年8月17日読了)
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普通に上巻はおもしろかったです。
塔に見守られた街。そして、その街にはなんらかの謎が隠されている。
下巻は伏線が回収されていくのだろうと期待。
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パッチワークのように、あっちの話・こっちの話・そこの、ここの話……と繋がっていくがまだまだ全体は見えない。
そして 不思議なのは「あなたは ◎◎ する」という書き方。
「私は ×× する」という書き方だと、語り手の近くに寄り添って気持ちを想像しながら読むのだけれど、「あなたは ◎◎ する」という書き方には、えっ?私が そうするの?どうして?と思いながら読んでしまう。
新鮮だけど、不慣れな引っ掛かりがあって、この抵抗をどうしようかとなだめながら読み進めた。
パッチワークが繋がって全体がみえたらどんな絵になっているのだろう
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どうも出だしで物語りに入れず、他の本に浮気して読み進めなかったが、弟が出てきた辺りから、とりとめのなかった登場人物が繋がりはじめ、後半は一気に読み終わった。続きが楽しみです。
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見たものを全て画像として記憶出来る1人の男性と街を中心に、
周りの人やその街に住む人達をメインにした短編で繋がった作品。
相変わらず読んでてゾクゾクしましたww
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「あなたはドアを開ける」、「あなたは気になって後ろを振り返った」など、テーブルトークRPGのような独特の語り口調で表現される物語の幕開け。否が応でも期待が高まる作りはさすがだ。各章で文体や視点が変わっていくので、飽きずに読み進めることができた。
恩田陸を読むといつも思うのは、閉鎖的な町という空間の書き方の巧さ。というより「閉鎖された場所」そのものが得意なのか。著書に多い学園ものにも言えるけど、こういう場所では独特なルールや世界観があって、そこに必ず妙な不安と心配が付随しているのがお約束。そして、なんでもないことに「怖さ」を見いだすのが著者の十八番でもある。今作で言えば「窓の外から覗く紫陽花がうなだれた人の顔に見える」という表現なんかがそう。ただの紫陽花が怖い。この辺の相性の良さのせいか、「地元ルール」的なものが強ければ強いほど面白くなる傾向がある気がする。
物語の内容にも簡単に触れておくと、瞬間記憶という見たものをそのまま切り取って覚えてしまう男が突然の失踪。その後、遠く離れた町で不可解な死を迎える。視点が二転三転して語られる現在と過去。盛り上がりには欠けるものの、緻密で味のある序章として下巻へ繋がっていく、といったところ。
徐々に明らかになる事件の全容と、謎が謎を呼び解明されないモヤモヤのバランスがもどかしくもちょうどよかった。ただ、いくら下巻があるとは言っても、もう少し盛り上がって欲しかったのが本音。同じ内容で一般的な章立て・構成(ずっと同じ視点とか)だったら途中でめげていたかもしれない。
【キーワード】
水無月橋、全てを忘れられない人生、保護色のような男、幽霊のダンス、三本の塔、狐火、焚き火の神様、メフィストフェレス、計算された白々しさ、チュートタウン、『塔に見守られて』
【主要人物】
「あなた」、「あいつ」、市川吾郎、古野忠明
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魅力的な謎に心を掴まれた。ゆっくりと螺旋を描くように物語が展開して、ある一つの事実へとじわじわ近づいていっている印象を与える文章。
二つ目の魅力は舞台設定か。どこのイメージなのだろう。私は長野辺りを想像しています。
ミステリー小説をあれこれ語るのは野暮と言う気もします。読まれたし。
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2011/10/05.
さまざまな視点が交錯する中、「あなた」の存在だけが不確かだ。
主視点である「あなた」は一体誰なのか。
とある街で起こった殺人事件にどう関係しているのか。
にしても恩田陸のつむぐ言葉やエピソードは魅力的。端々に出てくるそれらが輝きを失わない限り、あたしは恩田陸を追い続けるんだろう。
人間は「水」と共にある。
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この人の本で、初めて面白いと思えた…ちょっと逸脱した展開が多いけど、今回は今のところ、そこまで現実ばなれしそうな雰囲気もなくて(笑)
表現の方法で、最初はとっつきにくかったけど、後半一気に読みました。下巻が楽しみ!
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とある街でとある男が殺された。
真相や如何に…という王道を、恩田陸が、恩田陸っぽく料理し、恩田陸味に煮染めてできたお話。
三本の塔のある街、水路の街、人の良い、でもどこか閉鎖的な街の人たち、美しい景色、街に隠された秘密、秘密を守る人、秘密を探る人、賢い少女、少し変わった趣味の少年…恩田陸い(形容詞)!
読みやすく(新聞連載だったこともあるかと)丁寧に書かれてあるし、
話の展開としてもテンポ良く進むしすごく楽しい、まさに『よくできた』お話しだと思います。
推理小説としても納得できるしダイナミズム(個人的にこの人の小説はココがネックだとおもうのですよ)も充分!
でももうとにかく恩田陸い(形容詞、しつこい)笑
一人称がどんどん冷たくなって行くところと、最後から二番目の章の美しさは凄く読み応えがあります。
秋の夜長にとってもオススメ☆
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上下共に読み終わりました。
最高に面白かった。
別の作品に出てくる特殊な能力を持った人達を連想しました。
そういうリンクされてるのって好きだなぁ。
これはまた読み直したい!
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恩田陸さんの世界を堪能できました。面白かった。
色々な状況を示して、ジワジワと恐怖をあおるのが、さすがにうまいなと感じた。
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苗を守るために出来るだけ時間と距離をかけるのに作られた水路が「ぬるめ」。
殺人事件の真相を探る「あなた」の存在は、まるで「ぬるめ」のようである。
「あなた」とは誰なのか。この町に隠された真実とは何なのか。沢山の不思議と疑問を抱えて下巻に入ります。