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投稿者:Lily - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は悪くはないとのですが、この著者の文章ではしばしば話が逸れる傾向があり、読んでいて不快でした。このような雰囲気の文章が好きかにも、この作品への印象は異なってくるかと思いますが、私はあまり好きにはなれませんでした。現在40代前半の著者が20代のときに経験した内容だということで、情報がやや古いのも不満でした。
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こんな本、待ってました。
男だけが知っている世界なんてずるい!小さい窓からのぞかせてもらった気分。
ただ、女が、性が男に搾取されている感じは嫌だなぁ。
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エロ雑誌でルポ漫画を描いている筆者が、エロ雑誌には書けなかった女だからこそ感じるあれこれを綴ったエッセイ。
下世話な好奇心で手に取った男性陣はぶったまげるだろう。
エロや下の話もあるにはあるが、むしろ筆者が膨大な量のフィールドワークをもとに、風俗の世界に如実に表れるジェンダーとセクシュアリティの問題、ダブスタ、男から見る女の分類、などなどについて真面目に考察した社会学に分類されるべき一冊である。
ジェンダーを語る上で風俗はやはり切り離せるものではないと改めて感じた。
最終章のAKBに関する考察が秀逸。
こんなにも分かりやすく、モー娘。との違いも絡めてAKBを論じたものを読んだことがなかった。
私自身、とある事情でAKBのことはデビュー前から知っていたが、ずっと気持ち悪いという思いが拭えずにいた。
それを何となく許容できるようになったのは、13年のAKB選抜総選挙で指原梨乃が1位になった頃からであり、AKBの枠を飛び出して単独でTVに出る彼女を見てみたら、指原梨乃は自分の考えをしっかり持ち、それを自分の言葉で語ることのできる人で、いわゆる「女に嫌われる女」ではない。
彼女を応援している人の中には相当数の女性も混じっているように思う。
しかしAKBという男が作った男のための集団を、女性も享受しているという今が、いいことなのか悪いことなのかよく分からない。
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興味はあるけど女性はいけない場所に、筆者が代わりに行ってレポートしてくれた、という内容。書き様によっては社会学のジェンダー本として十分成立すると思う。しかもそういう場所で働く女性とか、そういう場所に行く男性とか、切り口は様々ありうる。
男性全員がこういうところに行くわけではないことは頭に入れて置かなければならない。
こういうところの充実が性犯罪の現象に寄与しているのかしら。
興味津々で読んだが、こういうところに行く男性に対し、軽い嫌悪感を感じたのも事実。
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田房さんの視点がおもしろすぎる。しかし、あまりに鋭いため、同じ男として見ないように生きてきた点があらわになり、男のあまりの独善性に頭を抱えてしまった。自分より年上なんてほんっと無知、無自覚です。
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女性風俗ライターの著者が様々な店に潜入する。挿し絵もなかなか味わい深い。人形だけが待機している風俗もあるそうで、深い闇を覗いている気分になる。風俗で働く女の子の実態や、その女の子らを冷静に分析する著者の視点は面白い。しかし段々とジェンダーの話に重きが置かれ、どんよりとした気分になってくる。最後のAKB48の件に至っては苦笑いするしかない。なんとも後味の悪い本だった。
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イースト・プレス、やっぱりいい仕事するなぁ。女性から見た風俗って、ありそうでなかった本やと思った。世の中の男にとって、総量としてはたぶんいちばんおっきな産業やと思うけど、その実態を知る機会はめったにないので、こういうお仕事は尊いものやなぁと思う。著者の名前は、見たことはあるけど、という程度でしたが、こういう活動をしていたのか、と感心。
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漠然と思っていたことを言葉にしてもらった!というところがあったり、うーんと思うところがあったり、すごく面白かったです。
最初から最後まで田房さんが自身の言葉で、性産業について書かれていたのが印象的でした。
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「業界」話のような、表層的な興味本位の読者を対象にしたものかと思いきや、むしろ180度逆、「業界」にいたからこそ切実に圧倒的に抱かざるを得ない「女性としての違和感」が表現されている。
女性が性について、性的なテーマについて、考えたり言葉にすること(の難しさ)にここまでまっしぐらに取り組むのは並大抵のことではない。
一気に読んでしまう、読まずにはいられなかった。
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女性の風俗店ルポライターである著者が、風俗店を取材して当時の記事には書けなかった、自身の感想、本音を記した本。世間で優先されている男目線の都合、たとえば「男がそういう場所に行くのは当たり前」とか「男は浮気する生き物」等々にも舌鋒鋭く切り込んでいる。
各種風俗店取材時の、当時の発表場所には記載できなかった実態と、発表された記事とのギャップがおもしろい。
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『母がしんどい』を読んでから田房さんの漫画にハマり、内容を知らないまま図書館にリクエストして借りてきたのですが、かなりきわどい内容でした。旦那さんに見つかり何読んでるの?!って引かれてしまった(((^^;;でもすごく面白かったです。ますます田房さんのファンになりました。ただの潜入取材ではなくて人間の心の裏側みたいなのを描いてるところがとても好きです。そしてこんな世界があるんだ!と驚きでした。
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社会の裏側覗き見。色々な職業や生き方があるもんだと感心してしまった。
この作者さん、既婚者、子持ちなのね。バイタリティがすごい。
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思春期の頃から痴漢に遭い続け、女性として軽んじるような扱いをされ続け、という作者のバックグラウンドを知った上で読んで、まず驚きなのが、
男の欲望を嫌悪、蔑視してるのに、なんでわざわざ男の欲望を飯の種にするような仕事してるの?
ってこと。
少し前にネットで話題になってた、「最近男の楽しみの場所に女がズカズカ踏み込んできて不愉快だから、復讐のために女性下着専門店に男性グループで来店して荒らす」っていう愚かな行為を思い出しました。
嫌なものと関わらないで心穏やかに暮らす生き方よりも、徹底的に突き詰めて踏み込んで闘う、という生き方を作者は選んだのかもしれません。その姿勢こそがまさにジャーナリストなのかもしれません。
でもどうなんでしょう、嫌悪する対象に自分から近づくことでより嫌悪を深める、最初から嫌悪のフィルターを通して取材されたルポって、男性目線で女を一方的に型にはめたリアルではありえない女性像、の鏡像になってしまっていて、結局偏った見方を散々示されても読者はそこから何を得ればいいの? って感じです。
それから、シリアスなテーマ、作者にとって「語らねばならないこと」を語るなら、文章や絵は稚拙でも許される、という、「ヘタウマ」とはまた違ういまのエッセイ漫画業界の風潮は私は嫌いです。
この作者の絵は、作者の嫌悪や怒りベースで描かれているので、作者の嫌悪する対象の表情がとても下品で醜悪です。それって、作者の意図を伝える上で成功してるのかどうか疑問に思います。
なんていうか、主張はもっともなのに、言葉が汚なかったり過激だったりで真意が伝わらないディベート、の漫画版みたいな。
それに、それを生業としない、単に身近にいるだけの女性を勝手にキャバ嬢扱いしたりできる男性の既得権益を死ぬほど嫌悪しているなら、自身もAKBを風俗嬢になぞらえたりしないほうがいいんじゃないでしょうか。ダブルスタンダードに見えます。
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この世は男中心にできており、それが最も露骨に現れる場の一つはセックスである。
誰もが知っている真実だが、誰もが敢えて触れようとはしない真実でもある。フェミニストですらそうだ。なぜならセックスの場において自分と相手との間にある優位と劣位の差に気がついてしまうことは、とんでもなく痛いことだからである。
だから男向けエロ業界を女が観察してきました、というルポの多くは、男と一緒にエロが楽しめちゃう私、というキャラをかぶったり、冷静な観察者というキャラをかぶって書かれている。この本が他と大きく異なるのはそこだ。田房さんは、自分が現場にいる時に感じるざらっとした感触から目を背けることができるほど、器用な人ではない。
ていうか、心配になるくらい不器用な人だと思う。なんで男たちが無意識に醸し出す優越感に対して人一倍敏感な人が、わざわざこんな辛くなりそうな仕事を選んじゃったのかと、田房さんが取材する風俗嬢の方ではなく、田房さんのことが心配になってしまうくらいだ。
田房さん自身は風俗ルポの仕事を選んだ理由を、「そういう仕事に憧れがあった」としか説明していないけれど、たぶん風俗の現場に敢えて踏み込むことで、男の態度にも痛さを感じないで生きていける私になりたかったんじゃないだろうか。酸いも甘いも噛み分けて、男とは女とは世間とはそういうもんだよねと飲み込んでしまえれば、痛さを感じずに生きていける、と。
でも田房さんはそれほど器用な人ではなかった。だからこそ、この社会の本質が見えるようになったんだと思う。その本質とは、この社会全体が「男しか行けない場所」になってるんだということ。男中心の社会だからこそ、性風俗がこんな形でできあがってるのだ。
そんなこと、とうに知ってたって?でも自分の痛みを痛みとして感受できなければ見えないことがある。そして自分の痛みを認識するのは決して容易なことではないのだ。
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借りたもの。
男性のための性風俗店に行った田房永子氏のルポ。
そこは男尊女卑な性の世界だった。同じ女性としては、ただただ胸が苦しくなる。
女性目線で(男性が「楽しむ」という視点ではない)書かれたことに称賛。
コミックエッセイかと思っていたが、文章だった。その分、生々しくないのだろう。
風俗店の4つのタイプ、その違いをまとめたリストは、女性にはなかなか知りえない事だったので納得。
それを知り、そうしたトラブルで警察沙汰になっている報道を思い出すと、ジャンル的にそういう仕事ではないのに“本番”を求めた男たちの、客としての低レベルさが理解できた。
労わるふりをして優位に立とうとする男と、それを受け入れ醒めた/冷めた/褪めた眼で男を見る女たち……
風俗の世界で働く女性たちは幸せなのだろうか?
田房氏の他の著書から、氏がある種の抑圧を受けていた事からも、氏がそうした女性たちの抑圧を感じ取ってしまうのかも知れない。
私が聞いた話で、セックスワーカーは仕事に従事する前に性的経験がある女性が多い――それは時に、性虐待の被害者である事が多い――というのが本当なら、風俗がエロ犯罪の抑止になっているとは到底思えない。
AV撮影の現場ですら、AV女優とスタッフ女性の美醜を比較するという。
脱ぐAV女優への気遣いのつもりだろうが、男性原理的な上下関係で、優越感を与えることで胡麻化すという天邪鬼で気遣いのかけらもない。
モー娘。ファンとAKBファンの違いに、秋元康氏の反則技――一種の禁忌を超えた――という指摘は、正しい。
日常と非日常の境界を下げすぎる事(ライブが演出であることが曖昧になり、アイドルとファンの垣根が低すぎること)がいかに危うい事なのか……日常の女性たちにまで、「幻想がリアル(常識とか正常)である」と求めかねなくなる事――を暗に示唆しているようにも思えた。
理想的なセックスに関してはアダム徳永『スローセックス実践入門』( http://booklog.jp/item/1/4062724014 )などが本来だと思う。
田房氏が「ガスコンロSEX」と称したものが、上記本で言うところの「ジャンクセックス」という、一番ダメなセックスだった……
ここに書かれている男性も含めて、セックスが本来、男女ともに幸福になることができる事を知ってほしい。