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丁寧であちこちに伏線をちりばめたサスペンスフルな長編心理戦は『LIAR GAME』で、こちらはもっとコンパクトな短編連作形式で頭の体操的推理もの、と棲み分けしているみたい。この片方だけで確実に大変なジャンルを両立していることがまず凄い。
こういうジャンルだとどうしても小粒なイメージになってしまうのはいたしかたないところとして(まして作者は同時に長編も書いてるわけだしねー)、サクサクとテンポよく謎の提示→読者のシンキングタイム→推理コーナー→人情落ちのエピローグときれいにまとめあげる手腕はさすが。
この手の頭の体操的推理ものはあえて情を介さずソリッドに話を進めて目の覚める推理でオチとなす(もっとも有名な例としてはアシモフの『黒後家蜘蛛の会』とか)、というのが基本パターンなんだけど、そこにオダキョーの「いい人」ぶりをからめて人情話で落とすあたりに作者、ひいては日本のミステリマンガの傾向が見てとれて面白い。
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頭のいい女王様系の主人公が大好きな私には楽しめる作品。
嘘は人のために吐く女霊能力者(実際は探偵のようなもの)。
取り巻きたちの魅力ももっと発揮させてほしい。
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1巻に続けて2巻も読了。
彼女の冴えた推理と人情が光る話が続きます。
1巻では「ジョニー・ゲップ」、2巻では「オッサンズ13」など、ベタなダジャレも登場しています。
ストーカーの話で、切断した鍵は、切った先端を鍵穴に入れ、合い鍵を使おうとしても開けられないようにするためだ、ということを知りました。なるほど。
人間の嫉妬や強欲、独占欲や排他主義などといった黒い気持ちが起こす事件の数々を、次々に解明していくだけではなく、犯人の弱い心をしっかりと癒していく、常に弱い側の味方であり続けるオダキョー。
かっこいいです。実際にこんな人がいたらいいのに、と思います。