投稿元:
レビューを見る
謎を解かない御手洗作品。
色々と考えさせられるが、ミステリーを期待していたので低めの評価に…。
御手洗の名を冠した(借りた)、島田荘司の、社会問題についての提言、といった作品だった。
投稿元:
レビューを見る
京都大学近くの老舗喫茶店「進々堂」で若き日の御手洗潔が、戦争や差別など、なくそうとしてもなくすことができない人類の悪事について語る異色の短篇連作。
今当たり前のことが事始めのときはミステリーである。殺人事件ばかりがミステリーではない。人はなぜ無意識に差別をするのか。人類の歴史は戦争史なのか。御手洗の言葉の中に答えがある。個人的には、ソメイヨシノの話に興味を持った。
投稿元:
レビューを見る
医学生時代の御手洗潔が、世界を旅した経験を浪人生、サトルに語る、短編4つ。イジメ、差別、戦争、韓国、ウイグル族、イスラム。そんな社会ネタで攻めるのは島田荘司ならでは。ただ、御手洗潔の重厚なミステリーを期待していたので、どうしても肩透かしを食らった感は否めない。御手洗潔モノとして扱わなくてもいいんじゃ…と思ってしまい、消化不良で終わってしまった。けれど、おもしろくないわけではない。
投稿元:
レビューを見る
ミステリー作家のなかでは唯一読むと行っていい島田荘司。
でも、いつも謎解きの部分にはあまり興味が無く(笑)、その叙情性ある作風に惹かれて読んでいる。
わけだけど、この作品にはミステリー要素自体がなかった。
言ってみればこれは御手洗版紀行文だな。
4つのエピソードが綴られている。
その中で印象的なのは第3話。
作者らしいミラクル要素が込められた曼珠沙華のお話。
いつも、こういうお話をどうやって思いつくのかと思う。
いくつもの人生の波瀾万丈が描かれて、ミステリー要素がないだけに、いつもよりより淡々と胸に響くものがある。
個人的には舞台の京都の街角や進々堂はなじみの場所なので、懐かしく思い出しながら読んだ。
あと、語り手の受験生君は、もっと勉強した方がいいのではないかと思う(爆)
投稿元:
レビューを見る
この作品が、「星籠の海前後」の御手洗潔を描いてるなら得心が入ったと思うんです。
でも、どう考えても占星術の前なんですよね〜。 その時代の御手洗潔が、こんな風に穏やかに語るっていうキャラ設定が既に違和感だったし、「御手洗潔=本格ミステリ」という方程式が成立してる偏屈なファンには、本作はどう贔屓目に見ても物足りないと言わざるをえません(汗)。ほんっと損な性分ですよ…。
投稿元:
レビューを見る
この本は「追憶のカシュガル」を文庫化したもので、題名が変っただけ!
1度読んだ本を知らずに買ってしまいもう1度読む羽目になったという最悪な出来ごと。
投稿元:
レビューを見る
御手洗シリーズbut探偵しないバージョン。学生時代の世界放浪の旅の思い出を披歴する。常の直截に過ぎるところが本作は好きになれなかった。会話部分が多く読み易くはある。
投稿元:
レビューを見る
御手洗潔シリーズ。島田さんってものすごい博識な人なんだなあ…と。胸を打たれる作品が多かった。ナレーションは京都が舞台だったので親近感あって読めた。
投稿元:
レビューを見る
石岡君と出会う前の御手洗の話。もっとエキセントリックな人物の印象だったが、久しぶりにシリーズを読んだためか、それともヤング御手洗のためか。
投稿元:
レビューを見る
【あらすじ】
京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四つの物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。
【感想】
投稿元:
レビューを見る
島田荘司さん2冊目。凄いぞこのシリーズ!京都大学にある進々堂、2月に行きたいと思っているが、何とドンピシャ本屋で進々堂の文字を発見し衝動的に購入。予備校生のサトルと京大生の御手洗の回想により話しが進む。全ての話がインパクトがあり、ノスタルジーを醸し出し、本当に素晴らしかった。アメリカンパブの美紗、学習障害の店員、IQが低い重量挙げの選手、朝鮮人姉弟、ウィクルの老人と美人ダンサー、全てが圧倒的に面白かった。御手洗のパーソナリティはとてもいいね。以前読んだ「占星術殺人事件」も御手洗さんだったのね。
投稿元:
レビューを見る
進々堂、に惹かれて読んだけど、イマイチよく分からないお話でした。御手洗さんの経験を語る感じなのかな…。シリーズもののようなので、順番から読めばまた面白い話だったのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
ティーンズ向け島田荘司!と思って飛びついたけど、かなり重いテーマな4篇。
京大を目指して予備校に通う、ぼくは珈琲店「進々堂」で京大医学部の御手洗さんと出逢う。
最初は大学や勉強について相談していたけれど、世界放浪の旅から帰ったばかりの御手洗さんが語る話は興味深くて。
ぼくが地元の漁師街で体験した大人の女性との切ない思い出
御手洗が英国で出会った発達障害をもちながら、重量上げの競技に打ち込む青年とその父親の奮闘
御手洗がLAで出逢った韓国老人の戦中の過酷さと悲願花
御手洗がシルクロードの西域、カシュガルで出逢った老人の過去と桜
ぼくのコークハイの思い出以外は、とにかく重くて辛いお話ばかりなんだけど、最後は少し光がほんのり灯るように終わっていて、ホッとする。
投稿元:
レビューを見る
若き京大生時代の名探偵が語る、世界で出くわした「悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語」(うち冒頭の一篇は聞き手であるサトルの物語だ)。謎めくミステリー要素は御手洗潔が登場する割にとても控えめであるが、歴史や世界の大きさや深さを豊潤なストーリーで楽しむことが出来る。そして慈愛に満ちたその姿はいつもどこでも変わらないのだということに、私のような名探偵のファンはとても満足する。