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「二十七 鎌倉へ」の
北条時頼とのやり取りは圧巻
P543
永遠の真理を説く仏法にくらべれば、
諸行無常にさらされた権力など
虚しいものである
P540
「時頼どの、あなたが本当に救われたいと
願うのであれば、道はただひとつあります」
「ただひとつ…」
時頼は喜びより不安が勝ったような
表情でつぶやいた。
「だが、それは大変難しいことです」
「救われるためなら、どんなことでも
いたしましょう」
「本当にあなたにできるでしょうか」
「いってください」
時頼の切実さが感じられ、道元は間を
充分にとってから応じた。
「捨てるのです」
「鎌倉へ」で印象に残ったのは
①質素な格好で時頼に会った
②鎌倉に寺を建て、住持に、という
時頼の誘いを断った
③時頼に「捨てるのです」と告げ、
怒りに抜刀されても平然としていた
P547
食べるものや着るものについて
あれこれ思い悩むのは、
修行のさまたげでしかない
今日(4月22日)読了
最後道元の死が近づくと
ずっと一生を共にしてきた気がして
感無量になった。
仏法や仏道、出家とは何か
それに触れられたことが
嬉しかった。