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電子書籍
早く続きを読みたいがそこはガマン
2017/10/10 05:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伝奇羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に留意点として挙げておきたいが、描かれている人間関係が割に複雑で、それもあってか作中の会話に少し理解しにくい部分もあり、たまにスラスラ読み進めないことがある。
それはともかく、登場人物たちはみな自分の居場所を見つけようと懸命に悩むが、その成否は、ほぼ全て各自の天分、選択(進路や助けてくれる人を見つけて選ぶ)、そして努力にかかっている。その意味では、社会に出た大人も必ずどこか共感できる物語。
とりわけ主要キャラの多くは特待生で、大学推薦やVリーグを目指すのは当然というバレーエリートの設定であり、その生き残りの厳しさはすでに半ばプロというべきものであることが示唆されている。みな設定年齢よりも5歳ぐらいは考え方が大人びている印象で、読み始めた当初は軽い違和感があったが、こうした厳しさの中に身を置いているためと考えれば何となく辻褄が合っている。
序盤を過ぎると、他者を自分の望み通りの方向へ導こうとする様々な思惑や陰謀も交錯してくる。「これから色々どうなってしまうのか?」とハラハラさせられる。青春ならではの葛藤や輝きを描いた爽快な部活マンガという側面もあるにはあるが、それだけではないところが一味違う。
また、舞台となる高校の校章が作品のメッセージの一つを象徴しているようで、11巻、14巻の一見オカルト趣味的な見開き絵の情景(学校経営者の趣味という設定?)もその延長上にある。作者の人生観がうかがい知れる。
絵は全般的に、動いている人間は動いているように見えるし上手い。太い線で描かれている場合でも不思議な繊細さと実在感がある。なお、序盤はガラケー全盛であったのが、最近の巻ではいつの間にかみんなシレッとスマホを持っていたりする。作品の中では回想シーンを除き、たかだか1年ちょっとしか経っていないはずである。10年を超える長期連載となってきているためこうしたことが起きるが、このあたりはご愛嬌といったところか。
今後も年1巻ぐらいのゆっくりしたペースでしか本は出ないのではないかと思うが、楽しみに待っていたい。
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