いろんなものが失われていく
2018/06/30 18:39
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投稿者:gonna - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近定住の多かったキーリですが、7巻で再び列車の旅に出ています。
しかし、まさかの兵長が記憶喪失になってしまい、口調まで変わってしまうのには面食らった…(後で治ります)
物語の終盤がひしひしと近づいている感じがして、だんだん物悲しくなってきます。
列車内での状況は1巻とほぼ同じであるだけに、その当時のことを思い出して比べては、つらくなることもあります。
キーリの出生の秘密、ハーヴェイの辿る末路、ベアトリクスの行方等と、物語の根幹に関わるキーワードがたくさん出てきます。
それぞれが難しいテーマであるだけに、各伏線がどのように回収されていくのか、目が離せません。
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いよいよ最終章へ。
今回は、その一歩手前みたいです。
また、久しぶりの列車での旅ものです。
壊れた兵長が、人語を話す犬?が、今回もキーリ・ハーヴェイがトラブルに巻き込まれています。
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漸く読みました、漸く。いよいよクライマックスへ向かって物語が進んでいくいわば閑話休題みたいなものですかね。あとがきでもそう仰ってますし。
全体的に「回想編」っていう感じのお話で、少々物足りなさはありました。兵長があんなんなっちゃうのもなんだか余計かなあと思ってみたりしつつ。しかしまあこのキーリとハーヴェイの絡みがなんとも微笑ましかったり切なかったりするので、やっぱり十分にアリだと思いますけどね。うん、普通に良かったです。なんかこうぐっと胸に込み上げてくるものがあるのは、やはり女性ならではなのですかねえ。
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本当にこれは泣きそうになった・・・!色々切なくて、表現方法が下手くそだからなんと言えば良いのかわからなくなってしまうんですけど、いきなり終わりが見えてきてしまってちょっと寂しくなりました。決着をつけなきゃいけないって言うのはわかるんだけど、もっと皆には旅して欲しいような、それか穏やかな日々を送って欲しいような。とにかく登場人物皆の幸せを願いたくなります。
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兵長壊れました。でも結構よかったりしてw
「貴様ってゆうな、ご主人様って言え。」とかハーヴェイいってましたが。
っていうか、キーリ読んでると時々これはホラー?って思う。霊がどうこうではなくて眼球えぐるわ、内臓口から吐き出すわ、頭喰いつぶされるわ・・・。描写のうまい作品だけにリアルに怖い。そしてここまでハーヴェイを虐められる作者に感服。
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キーリとハーヴェイとラジオの兵長は、行方不明のままのベアトリクスの手がかりを探すため、教区境のバーに滞在していた。ある日、ラジオの様子がおかしい事に気づき、修理屋に持ち込むと「そろそろ寿命かもしれない」と言われる。とにかくラジオを直すため、キーリ達は古い部品が残るという鉱山区に向け、旅立つ。
ハーヴェイの〈核〉にも異変が起きており、今までに手に入れてきた大切なものは一つずつ剥がれ落ちていく不安をキーリは拭えずにいた。『もう何もいらないからずっとこのままでいたい』そう願うキーリ。しかし……。
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どうでもいいことなのですが、実はこのシリーズ2回も友達に貸してもらって読んでいます。しかも、違う友達((本当にどうでもいい。
で、この7巻目ぐらいから、本当に読むのがつらくなってきました。
1度読んでしまったため、結末を知っているのでなんか、もう、泣く泣く読んだという感じですね。なら読むなというところですが、止められません。
手が伸びます。
でも、
読むと心が痛みます。
本当に。
Thanks to T.T.
Thanks to T.M.
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変わらないものは何もない…シリーズ第6作
読了日:2007.09.03
分 類:ライトノベル
ページ:314P
価 格:570円
発行日:2005年8月発行
出版社:電撃文庫
評 定:★★★
●作品データ●
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主人公 : キーリ/ハーヴェイ
語り口 : 3人称
ジャンル: ライトノベル
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : 暗め、幻想、退廃的
結 末 : つづく
イラスト:田上 俊介
デザイン:Yoshihiko Kamabe
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---【100字紹介】---------------------
行方不明のベアトリクスを探しているある日、
様子がおかしいラジオを修理屋に持ち込むと、
そろそろ寿命かもしれないと言われる。
ハーヴェイの核にも異変が…。
大切なものが少しずつ剥がれ落ちていく不安を描く第6作
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「キーリ」第6作。7巻ですが、5・6巻が上下巻で続きものだったため。
第4巻ではぐれてしまったベアトリクスですが、5・6巻では結局、違う事件に巻き込まれて見つけられず。この7巻でもまだ探しています。探していますが…、とりあえずは平和な日々からスタート。
居候させてもらっているあのバー…、アドルフ・サックス亭のマスターのエピソードからスタート。どうでもいいですけど、この名前、サキソフォンの発明者の名前そのまま…。しかもかの人の故郷とかいうまちがあの「世界の車窓から」で紹介されていたのですが、その翌日に取り上げられていたのはベルトリックスだか何とか、そういう名前の土地でした。べ・・・ベアトリクス!?何というか、もしかしてもしかすると…みたいな。いや、余談でした。
あと1作で終了ということで、著者自身も「久々に旅ものを」と思ったそうで、今回はまた旅です。久々の列車旅。懐かしいですね。でも…変わってしまいました。そしてこれからも、変わっていきます。「変わりたくない!」と思ってしまうのは、読者のわがままなのかしら…と思ったら、著者も同じような気持ちに駆られたようで、お陰様で本作は「変わりたくない」の気持ちがあふれる作品になっています。
変化し、そしてどんなものもいつかは失われてゆく…。とても悲しくて、切なくて、耐え難いくらい辛いこと。ですけど、時は無常で、世界は無情なのです。
前作も切ないお話でしたが、本作はまた、種類の違う切なさ。失ってしまったものの話と、失いつつあるものの話と。最終巻に向かって、加速的に堕ちてゆくイメージです。特にキーリは、もう後戻り出来なさそうですね。まさかこんなに頑ななキャラに育とうとは、正直思ってもみませんでした。彼女の初期のキャラは、いまいち確立されていなくて、未知数ではあったのですけれど。確立されてしまってみると、なかなか困ったさんだったことが判明しました。いや、普通の人というか。そう、よくも悪くも…。
さて、次回は最終巻です。
この結末、どうなるのか…とても不安ですけれど、最後まで読み通しましょう。
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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★★
キャラクタ :★★★+
独 自 性 :★★★+
読 後 感 :★★★+
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菜の花の一押しキャラ…ハーヴェイ
「…まったく、だからどこにも行きゃしねえってばよ。俺ゃ貴様らの保護者だぞ?」(兵長)
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だれもいなくなって欲しくない。読んでると、ラジオの音が聞こえてきそうでなんだかわからないけど切なくなった。兵長大好きだ!
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このへんはもうキーリの自我がだいぶ芽生えてきて(結構前からかもしれないけど)ハーヴェイと対等に、かはわかんないけどそれなりに考えるようになってきたよね。ハーヴェイはもうちょっと自分を大事には出来なかったんだろうか。寧ろ狙いなのかな?すり減っていく様子がとても痛々しい。キーリと出会って変わったっていうんなら、自分を大事にするっていう変化も重要だと思うんだけどな。兵長だいすきです。
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別れてしまったベアトリクスの行方を探すため、教区境のバーに滞在していたキーリたちでしたが、兵長のラジオの調子が悪くなります。修理屋に持ち込んだところ、そろそろ寿命かもしれないと告げられます。さらに、ハーヴェイの「核」の機能もしだいに衰え、彼の状態はますます悪くなっていきます。
もしかすると、これまでつづけてきた三人の旅の終わる時が近づいているのかもしれない……そうした考えに襲われたキーリは、ずっとこのまま旅がつづいてほしいと願ってしまい、そんな彼女の思いが、終わることのない旅を続ける死者たちが乗った列車を呼び寄せます。汽車に入り込んでしまったキーリを、ハーヴェイはどうにか元の世界へ引き戻すことに成功しますが、キーリの思いは晴れません。
やがて彼らは、ゲリラ・ラジオを運営している男の飼い犬だったタテガミに出会います。その男は不死人で、タテガミは死に望む飼い主の男から、彼の「核」を譲り受けたのでした。
ところが、そんなラジオ局に、教会治安部の部隊がやってきます。にわかに緊張感が高まりますが、なんと教会兵は、思いもかけないことをいいだします。彼らは、キーリの父である、教会の長老会の第十一老であるシグリ・ロウから、キーリの保護を命令されているというのです。父が教会のトップであるという衝撃の事実を確かめるために、キーリはハーヴェイとともに、首都へと向かうことを決意します。
クライマックスの直前、ハーヴェイの「核」が衰え、兵長ラジオも寿命が近いという重苦しい空気が漂いはじめ、キーリの出生の秘密がついに明らかになるという、鉄板の構成です。ラストへの期待が、いやがうえにも高まります。