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朝井リョウさんのレビューがすべてだと思う。
いつまでも主人公二人の物語を読んでいたい。そんなにも感情移入てしまった。
ラストは涙が‥。
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勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。同棲していた彼女は出て行った。うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。
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読み終えて改めて装丁を見ると、物語の空気そのままで切なくなる。ブラック企業の仏具会社でまったく芽が出ず、明日を生きる気力も失いかけていた潤が、ふらりと立ち寄った縁日で掬った琉金との日々奇譚である。時空を超えた愛と憎しみの物語でもあるのだが、人間の女性に姿を変えたリュウの言動や振舞いが可愛らしくも可笑しく、振り回される潤の気持ちの変化も興味深い。だが、リュウが自らの出自の記憶を取り戻すにつれ、胸が痛くなってくる。どうにかならないものか。二人で乗り越えることはできないのか。ラストはあまりにも哀しく切なく、そして愛にあふれている。不思議なおかしみのある一冊だった。
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ブラック会社に勤める主人公の潤と、飼っていた金魚が突然変化した不思議な女リュウ。
記憶が曖昧で言動がおぼつかない、見るもの聞くもの全てが珍しいリュウと潤との日々は荻原さんらしいユーモアが散りばめられていたが、二人が抱えるものはあまりに重く、ギャップを感じた。
それでも二人の運命がどうなるのか気になって一気に読んでしまった。
最後は予想通りではあったが、それしかない結末で納得できた。
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ありえない話しすぎて・・・。最後が思ってたのと違った。
リュウがテレビを見ながら覚える言葉には笑ってしまった。
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リュウは魅力的。
潤の結婚相手の吉枝はリュウが選んだ。
この世での父と息子のお世話係。
潤の命が尽きるとき
きっとリュウが迎えに来るよ。
愛し合う二人は永遠に!
なんてね。ちょっと妄想。
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古の中国で美しい女性の悲恋。
現代の日本でブラック企業に勤める青年の悩める毎日。
そんな冒頭から始まる物語には、現代の屈託があり、笑があり、ほんわかと暖かくも、寂しさもあり。
恋愛ものかファンタジーか怖いお話か、生き方を問うストーリーか・・・とにかく一気読み。
大変好みの一冊でした。
この作家さんだと、「押入れのちよ」とか少し似たイメージかもしれません。
多分、再読するだろうなぁと思える、読んで良かった!な1冊です。
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切ないけれどこれでよかったんだと思う。もしリュウが人間の姿に戻れて、晴れて恋人同士、そして二人は結婚を考える、めでたしめでたし・・・とかなったら、どうしようかと思った。現実問題として困るよね、金魚だったリュウには戸籍がないでしょ?社会保障はどうする?とか。(小説なのに、それは考えすぎか・・・。)
リュウ、時空を越えた恨みは消して潤の子供を温かく見守る?それとも潤を恨めないから息子を恨みのターゲットにする?恨みを持つ霊って、対象者が人生の絶好調にいるときに、ポーンと不幸のどん底に落とすらしいから、もしかしてその機会を狙ってるとか、まさかそんなことはしないよね、ね?
古めかしい言葉遣いで少し威圧感のあるリュウとCMの愛らしい女優のマネするリュウ。すごいギャップ。一日中テレビ見ながら一生懸命覚えたんだね、可愛らしい。
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現代社会に生きる男性が仕事で悩み苦しんでいる時、自分の今後をかけてお祭りで一匹の金魚をすくう。それは古来中国から生きており、金魚が突然美しい女性に変身しそこから一気にファンタジーの世界へと惹き込まれる。一緒に暮らしていくうちに、それぞれ抱えている問題はお互いを知ることによって良い方向に進んでいくが・・・互いに相手を思いやる気持ちや愛情がページをめくる度に伝わり、切ないラストでした。
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『蜜のあわれ』を読んで、金魚いいな、他に金魚の小説あるかしら?と検索してひっかかるw
最期どうなっちゃうのかなー?と気になって一気読み・・・まぁ、そうなりそうな予感があって休日に読んだんですけどねw
ところどころに、いやらしくなく、ほろっと涙を誘うシーンがあり、上手いなぁ~と思う。
おまけにラストにこうくるとは~!!思わずやられちゃいました・・・すん。
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金魚のリュウがかわいくて切なかった~。
主人公の勤務先のブラックぶりが辛くて、結末がなんとなく想像できたけど素敵なお話でした。
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勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。
同棲していた彼女は出て行った。
うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。
目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。
幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。
えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。
素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。
だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。
この人の書く物語はほんまに面白い。
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ブラックで働く青年と金魚の化身である美女との不思議な同居生活。リュウと潤のやりとりが愛おしくていつまでも続いて欲しいと思った。千年以上の因縁云々。復讐の連鎖の結末が切なかった。
引用
「男は泣くな。女の涙の値打ちが下がる。」
かっこいいセリフ。
この傲慢さがいいね。
美人しか言えなさそうだけどね。
2016.1.1
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とっかかりはやたらに暗く、苦しく
ちょっと読むのやめようかなと思ってしまった。
でもやめなくてよかった。
なんだか新感覚のファンタジーで
合間に入る古代中国での残虐な復讐シーンと
コミカルな現代のギャップも新鮮で
先が気になりグイグイ読めた。
ラストは、
やはりな、と思いつつ
主人公の江沢は劉の子孫なのに
なんで悪人ではなかったのか?
これだけ先の子孫であれば人は
変われるってことなのか?
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オトナのおとぎ話だというのは納得です。
色彩を感じるような物語でした。
艶やかな赤のイメージの金魚姫・リュウ。
人生の失望している主人公の前に現れ
トンチンカンながら、少しずつ彼の人生は彩りを取り戻していく。
そして、間に挟まれる昔の記憶。
こちらは、黒のイメージ。
主人公が勤めるブラック企業とも重なって
暗く横たわる邪悪な感じがする。
この辺の展開がうまくて
真相はあっと驚きました。
元彼女が訪ねてくる場面もうまいなと思いました。
とにかく、リュウが可愛くてしょうがない。
ユーモアたっぷりで愛おしくなる。
そして、切なくなります。
ええと、子供って、もしかしたら???
なんて思っているのですが、どうでしょう?
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久しぶりに読み応えのある長編&エンタメ小説でした。そういえば、ずっと同じ語り手の長編って、あまり出会わなくなった気がする。主人公の足掻きっぷりもいろいろな伏線も、もう一回読み返したいな、と思いました。
2015/12/18読了