文体は青いがセンスがある
2023/09/06 02:47
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投稿者:サチコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直なところ、文体は中学生オタクが書くそれだ。この本は各章ごとに様々な人物が主人公になる、という手法をとっているが、その主人公たち全員がやたらと説明口調でくどく、リアリティも無いので嫌気がさした。しかし、ところどころに品田遊本人が持つ独特のユーモア・センスが垣間見えたため、不思議と楽しく読み進められた。アンバランスだが、光るものはある作品だと感じる。
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごい構成だなあ。そして、まんまとしてやられたわ。ラストは一気読みせざる終えない。クセになる面白さですね。「アンゴルモアの回答」の高根栄樹は、とんでもない奴だと思いながらも、笑ってしまう。これくらいの嘘なら、まあ許せるかな。新渡戸先輩のラストでのツッコミは秀逸!そして気になる終わり方に、どうなったのかなと想像が膨らみますね。
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投稿者:hysme - この投稿者のレビュー一覧を見る
紙の本にはイラストが多数収録されているとのことなので、買うなら紙の方です!
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ダ・ヴィンチ・恐山さんの小説デビュー作。タイトル買い。通勤電車で読むのにもってこいな、クスっと笑える連作短編集。最終章まで読むとちょっとした仕掛けがあって、かわいい物語。エラーさんの挿絵もかわいい。
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面白い。小説として書くまでもないことを書くというのが僕らの世代的で、現代的で、馴染む。
みんな思ってるだろうに何で書かないんだろうな、と思ってたことだけを書いたという点で新しいんだけど、わざわざ”新しい小説”とか言うほどじゃないんだよな。やっぱり些細な事だから誰も書かなかったんだろうな。
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タイトルと私のプロフィール…
決して真似したわけじゃないです。
でも間違いなく心惹かれるタイトル。
くすっと笑える話が続く。
気を抜いて読んでてまじかーい、てなった。
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<内容>
人気ツイッタラーとして話題の“ダ・ヴィンチ・恐山”氏が、満を持しての小説デビュー。JR中央線を舞台に据え、多種多様な乗客たちの超個人的な心の声にスポットをあてた連作短編。
<感想>
25歳・営業職の男による通勤時のタイムレースといった話で始まり、女子中学生の思春期らしい悩みの独白、中年男性の昼飯どうする問題、警察官の視点でみた盗撮騒動などなど。中央線ユーザーのかなりどうでもいい(煩悩ともいえるような)思考を丁寧に描いたショートストーリーは、短時間で気楽に読めて、クスッと笑える。
もう一方の軸として、新渡戸と都築という高校生の東京から高尾山までの道中を描いた章がちょこちょこと挟まれていて、そちらも最後にちょっとした仕掛けがあって楽しく読めた。
全体を通して見ると、ストーリーうんぬんを楽しむというよりも「中央線に乗る人々が何を考えているのか」という設問に対する、壮大な大喜利のよう。恐山氏のツイッターでのつぶやきのような「盲点だったけど、言われてみれば、ちょっと納得!」的な世界観が小説としてたっぷりと肉付けされており、肩肘はらずに楽しめる内容だと思う。また、うまくレイアウトされたerror403さんの挿絵が、物語をさらに盛り上げてくれるのもよかった。リトルモアという発行元の本は初めてだったが、フォントからデザインまでいろいろと小技がきいていて、そこも含めて面白い一冊だった。
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中央線を日々利用する人々が、どんなことを考えているのか、思考を覗き見するような短編集。自分もそうだがきっとほとんどの人が、色んな他愛ないことに思いを巡らせながら、電車に乗り合わせている。そんな他愛ない思考をひとつひとつ取り出していった感じか。
著者の品田遊は、ツイッターでは「ダ・ヴィンチ・恐山」の名で有名である。「頭の中で考えてるどうでもいいこと」を文章にしたこの小説と、「頭の中で考えてるどうでもいいこと」をつぶやくツイッターというのが、実に似ているというか同じような気がする。意識したのかそうでないのか。
とにかくたくさんの「思考」が書かれていて、それぞれクスッと笑えるところがあったりして面白いのだけど、最後の展開に全部もってかれた印象。最後にニヤニヤさせられた。悔しい。
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いろんな人の頭の中を切り取ったような作品だった。
1冊の中に、小説としての新しい挑戦や工夫がたくさん散りばめられていて、読んでいて楽しくなった。
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タイトルからして、奇をてらったかんじの、不思議な小説。リトル・モアさんの本ということで、モノとしての本を意識して、大切に読ませてただいた、つもりです。
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2016 3.12 中央線小説。立川のヴィレッジヴァンガードで見つけて読んでみました。ヴィレッジヴァンガードが好きで、中央線に親近感がある人ならもれなく楽しく読めると思います。
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掌編がたくさん入っている。とても読みやすくさらさらっと読めた。
物語自体はおだやかな波のように淡々と進んでいく(というか起伏のない日常の一場面を切り取って、語り手の気持ちの部分を丁寧に追っている感じ)んだけど、なんだか味が感じられて個人的にとても好きな文章。
「春」の、青春は大人の作りもの、というくだりとか、
「中野−荻窪」の、年を取ると一日が早く過ぎるのは生活のほとんどを身体の自動操縦に任せるようになるから、というくだりとか、
「高尾山」の、あのときまで世界には私しかいなかった、というくだりとか、
個人的にとても印象に残っていて、ハハァ、なるほど、と思わされた。
終わりの終わりの方で、登場人物について自分がある思い違いをしていたことに初めて気づかされ、とても驚いた。それまでの掌編もすべてその人の想像上の話だったのかな、とか。それまでの淡々としたムードが、急に切々としたものに変化したように感じて、より引き込まれた感じがする。
とにかく面白かったです。他の作品も読んでみたい。
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"「自分はね、都築くんを信じていたんだよ。なのにこの仕打ちだ。まさか君がそっち側の人間だったなんて」
先輩は頭を抱える。チーズを食べるだけで踏み越えられるラインがあるらしい。いつの間にか僕は責め立てるような口調で追い詰められていた。
「わかった。じゃあ、もうこうするしかない」
先輩は、さっきの女の子が買って行ったオレンジジュースの瓶を手に取った。
「これを買う」
「なんでですか!」"[p.160_三鷹駅]
路線はわからなかったけど短編集に並行して短編が続いているのが読んでいて楽しかった。好き。
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中央線を舞台にした小説。一本の長編と、合間に挿入された短編がたくさん。
登場人物たちは変なことを考えていて、それでも電車は進んでいく。人物の内面の描写と物語の進むスピードがちょうどいい。
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予想通りテクニカルなんだけど、意外と感性的で、作者は何でも作れてしまうんだなあと感服。いわゆる奇妙な味の掌編が多く好きだった。