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「ハードボイルド・ポリティカル・ノンフィクション」といった風。
まさしく日本は官僚政治であり、政治家(自民党の)と外務省官僚の結びつきが分かる。
そういった結びつきは国益を損なわないために必要不可欠なものか?否か?
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[○09/01/06完読]この本で今まで知らなかった国家の部分を垣間見ることが出来たような気がする。一ページ一ページのめり込むように読めました。なぜかこの筋の話には興味が持てます。私のレベルでは感想の言葉も浮かばないような本ですが、とにかく深みのある本だと感じました。文庫版には「文庫版あとがき」「解説 求める人」がありこれも必読です。
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「ここで強調しておきたいのは、外交の世界において、論理構成は、その結論と同じくらい重要性をもつということだ」(p.72)
「現代の日本では、内政におけるケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線への転換、外交における地政学的国際協調主義から排外主義的ナショナリズムへの転換という二つの線で「時代のけじめ」をつける必要があり、その線が交錯するところに鈴木宗男氏がいるので、どうも国策捜査の対象になったのではないかという構図が見えてきた」(p.373)
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TOUCHING WORD for Future Generations : 死ぬときは自分がどうして死ぬのかをきちんと理解してから死にたい
http://www.touchingword.net/detail.php?id=1070
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小沢一郎の秘書が西松建設からの違法献金で逮捕されたときに「国策捜査だ」との批判が上がった。国策捜査と言えば佐藤優、ということで、以前から読みたいと思っていた「国家の罠」をようやく読んだ。
前半は外務省時代の回想記。普段はなかなか表に出ることのない外交官の仕事ぶりや、北方四島をめぐるソ連とのやりとりが緊迫感を持って迫ってくる、なかかなの名文。当時はマスゴミ(つまり検察リーク)からの一方的な情報のみを鵜呑みにしていたが、なるほど鈴木宗男陣営からはこう見えていたのか、ということがよく判って面白い。
後半は取り調べ中の獄中記と、西村検察官との間のやりとり。そのショッキングな内容を精緻に再現することで、この本の社会的意義を一気に高めたと評判のくだりだ。中でも、西村氏とともに「国策捜査」について考察する部分は秀逸。一部を抜粋、引用すると、
「国策捜査は『時代のけじめ』。時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪する」
「今まで普通に行なわれてきた、否、それよりも評価、奨励されてきた価値が、ある時点から逆転するわけか」
「そういうこと。評価の基準が代わるんだ。何かハードルが下がってくるんだ」
「僕からすると、事後法で裁かれている感じがする」
「しかし、法律はもともとある。その適用基準が変わってくるんだ。特に政治家に対する国策捜査は近年驚くほどハードルが下がってきているんだ。(略)」
「そうだろうか。あなたたち(検察)が恣意的に適用基準を下げて事件を作り出しているのではないだろうか」
「そうじゃない。実のところ、僕たちは適用基準を決められない。時々の一般国民の基準で適用基準を決めなくてはならない。僕たちは、法律専門家であっても、感覚は一般国民の正義と同じで、その基準で事件に対処しなくてはならない。外務省の人たちと話していた感じるのは、外務省の人たちの基準が一般国民から乖離しすぎているということだ。機密費で競走馬を勝ったという事件もそうだし、鈴木さんとあなたの関係についても、一般国民の感覚からは大きくズレている。それを断罪するのが僕たちの仕事なんだ」
「一般国民の目線で判断するならば、それは結局、ワイドショーと週刊誌の論調で事件ができていくことになるよ」
「そういうことなのだと思う。それが今の日本の現実なんだよ」
どうもここで言う「国策捜査」とは、民主党やマスゴミが言うような、「政権与党が政敵を追い落とすために作り上げる冤罪」というイメージとは、ずいぶん違うようだ。
一方で、マスゴミどころか、「ワイドショーや週刊誌」の世論形成能力がバカにならないという事実が恐しい。近年の TV ニュースのワイドショー化と合わせて考えてみると、実に面白い知見だ。
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国民を洗脳するために権力者がいろいろとやってきているわけで、
それが無視できない時代になりつつあるんじゃないかと…「国策捜査」の真相。
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国策捜査という言葉は知っていたが、その内容が本書でよく分かった。
国家が個人をひねりつぶすことがいかに簡単かが分かる。
鈴木事件に関しては、政治が強く国策捜査を主導したのであろう。
この事件から鈴木宗男が相当な実力者であったことが伺える。
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自壊する帝国の著者佐藤優氏の著書。自壊する帝国を読み、社会構造の大きな転換期における組織に焦点を当てた本書のことを知り、読んでみたくなった。
本書における社会構造の転換期とは、日本の政治体制の大きな転換期のことで、即ち、小泉内閣の登場のことだ。被告人最終陳述で、著者は内政における公平配分政策から新自由主義への転換、外交政策における国際協調主義からナショナリズムへの転換が行われたと主張した。
外交政策について、外交官であった著者が、冷戦崩壊以降、外務省にあった3つの潮流を説明している。一つが親米主義、二つめがアジア主義、三つめが地政学論である。著者がモスクワで外交官として活躍した時代、時の総理は橋本、小渕、森氏は、日本がアジア・太平洋地域に位置する地政学的意味を重視し、最も距離のあるロシアとの関係を近づけることが地域全体にとってプラスになると考えていた。これが対露交渉を促進させたが、小泉内閣の登場、911テロにより、親米主義が一気に盛り返すことになった。この大きな転換期において、「時代のけじめ」たる「国策捜査」が行われ、著者はその犠牲者であると述べている。そして、「時代のけじめ」たる「国策捜査」については、捜査を担当した検察官が認めた事実に驚いた。
また、その国策捜査のハードルは年々下がり、それは一般国民の基準で適用が決まっていくということ。それは、ワイドショーや週間誌の論調に因るということ。確かに国民視線は大切だ。そのためには外交上のシークレットを守りつつ、今後の外交が如何にあるべきか、という国民的な議論を展開されるべきで、外務省にある3つの潮流のパワーゲームであったり、時の指導者の過度なパフォーマンスによって大切な外交政策が国民から見えなくなってしまってはならないと思う。そのためにはメディアの質が大切だと思うし、でなければ、正しく民意が反映された国策捜査が行われない。
著者は本書を通して、自分の無実を主張したり、検察批判をしているのではない。「時代のけじめ」の被害者と言える著者が最も伝えたいことは、時代をつかむ・見抜く目を養わなければいけないということだ。会社やグループという組織の中にいる個人として、社会を構成している個人として、その力は大切だと感じた。
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プライドは邪魔なので持たない。
悪かった、悪かった、運が悪かった。
国民の雰囲気が罪を決める。
内容は言うまでもなく面白い。こんなすごい作家が元官僚で、しかもノンキャリアだったことに日本の官僚は凄いと思ったものだが、国策捜査の恐ろしさ、検察の取り調べ、留置所の生活を冷静な視点で描いているところも斬新であったし、ロシアとの北方領土問題についてもこんなに詳しく書かれたものは読んだことが無かった。それもそうで、条約交渉は外交機密のため、下手な事を書くと国益を毀損する恐れがあるので、ほとんどの人が書く事ができないのだ。著者によると情報(インテリジェンス)関係者から許しを得て詳しく書けない部分はありながらも、かなりわかり易く書かれているのだ。
「国策捜査は時代のケジメ」確かに私にも振り返ってみると得体の知れない高揚感や嫌悪感を感じたことがある(小泉政権誕生や、ホリエモン騒動など…)。
初めて本書を読んだ時に著者の博覧強記に驚いたが、その後の作品を読む毎に、これがヨーロッパのエリートが持っているべき教養なのかと恐れのようなものを覚えた。
キリスト教に基づいた教養というものは、私にはピンとこないし、哲学、語学、歴史もちょっと本を読んだくらいでは身につくものではない。きっと上流階級の方たちはそのような教養を身につけているのだろうが、こんなにさり気なく教養をまぶしてくる著者は一般家庭て、団地出身である。
本書を読み、興奮し、その後著者の本をかなり読み漁ったが底知れない知識に佐藤優さんとは凄いものだなと思い知らされた。
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佐藤優氏が逮捕されるまでの経緯が書かれている著書。
この話を知る上で、田中真紀子氏と鈴木宗男氏のことを知らなければならないのだが、この著書を読んで、いかに自分は表面しか見ていなかったかということを気づかされる。選挙権を持つ一国民として、判断を下す上ではもう少し本質を見極めなければいけないということを痛感させられた。また、佐藤氏はじめ外務省や外交に関わる方々のポテンシャルの高さと多くのスキルを持っている点に、尊敬の念を抱く。この人の著書を読むとロシアについてもっと知りたくなる。イスラエルとロシアの関係やユダヤ人の位置づけ等々、話が深い。知識は、広ければ広いだけ良いし、自分より上はいくらでもいるということを知る。その中で、自分はどういう立ち位置で何をすべきで何ができるのかということを考えさせられる。
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解りやすい文章と詳細な内容.ドンドン引き込まれていきます.もやっとしていたムネオハウスの概要が掴めた気がします.にしても、日本って...
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正義ってなんだろう?
国に殉じ、その国に訴えられる外交官の姿から私が永遠に抱えている命題への問題意識へガソリンが注がれた。
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この国を支える人の中には、こんなすごい人がいるということに気付かされた。自分もうかうかしていられない。
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国策捜査とはこういうことだったのか。
自分の想像を遙かに超える世界だ。
検察の論理は、世論の動向を踏まえ、世の中の流れに沿わなくなってきた、権力世界の人間に制裁を加えることなのだろう。
それが、権力中枢からのあうんの呼吸で検察上部に指示が下る。
鈴木宗男と佐藤優で言えば、これまでの資本主義化での地方への公平分配型政治から、小泉流の新自由主義以降への流れの中で、従来型の地方分配型政治家の鈴木宗男を葬ろうとする大きな力が働いたと言うことだ。「検事は時代のけじめをつけた」といったのだという。
佐藤と西村検事のやりとり、外務省の腐った体質、捕まった人間の心理がおもしろい。
佐藤は捕まっても、同僚などをわるく言わない。それは格好をつけているからではなく、
人間とはどういうものかを判っているからだ。
私も自分かわいさ、だけの人間にはなりたくない。
2009年8月27日読了
精神的に弱ったときに再読すると、再び強くなれそうな本だ。
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今や政治・経済・オピニオン・ビジネス系の雑誌で連載だらけ、超有名な佐藤優さんのデビュー作品。最初から最後まで圧倒されまくりました。政治では「官僚が悪い」みたいな風潮が作られていますが、この本や佐藤優氏の著書を読むと、また違った視点で捉えるようになります。