紙の本
何度読んでも、名作だな、と思う。
2002/06/29 13:43
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投稿者:サトー - この投稿者のレビュー一覧を見る
10代で結婚した専業主婦の黄菜は結婚3年目。夫・一郎の、ささいな浮気心を敏感に感じ取ってしまう。ある日階段で足を滑らせて、知らないうちに妊娠していた子供を流産してしまう。それから黄菜の心が狂い始める…。その後、様々な事件を経て夫婦が出した結論とは?
切ない、じんとくる一冊。何度読んでも、名作だな、と思う。
電子書籍
怖いのに軽い
2022/07/17 15:48
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
めちゃくちゃ怖い話なのに大島さんのタッチは軽い。
そんな深刻な話に見えないのがすごい。
「ダリアの帯」なんてドロドロにしようと思えばどこまでもドロドロになるのにまるでファンタジー。
「夢虫・未草」も同じく、父親の不倫で傷付いたはずの林子がたくましく見えるけど「おとうさんは林子を戦ってもいっしょにつれていくと思ってたんだ」というセリフが悲しい。
「サマタイム」は気付いてしまったトオルは村に帰れるんだろうか。
紙の本
男性の方ご注意
2002/07/30 21:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょいかごねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この巻はなんとなく精神的に屈折した状態を扱ったものが多い。なんとなく、もやもやしたものが後に残ってしまうような作品ばかりなのだが、一冊通して読んでしまうと、表題作「ダリアの帯」のあまりの毒気に当てられて、他は何読んだのかわからなくなっている。
「ダリアの帯」は僕が知っている大島弓子さんの作品の中でも、最も恐ろしい作品の一つである。もしかしたら男性と女性で感じ方がかなり異なるかもしれない(僕は男性)。
ダリアの花言葉は、移り気、不安定、とも言われるらしい。不倫、流産、精神障害と、直接扱われるテーマも重いのだが、この作品がこれほどまでに畏怖を感じさせるのは、男性にとって永遠に理解できない「女性」という存在を、象徴的に描こうとしているからだと思う。それにしてもどうしてこんな終わり方ができるんだ? 恐ろしい作家である。結構後を引くので、男性の方はご注意。
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大島弓子作品で最も好きなのがこれ。ほのぼのとしたストーリー展開と相反して、狂気に蝕まれていく主人公とその夫の愛が、「死を憧れる少女の視線」で描かれています。
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狂気の世界に生きている妻と、死後にようやく意思の疎通ができるようになった夫。幸福なのか不幸なのか分からなくなるけれど、ラストシーンはきっと幸福であるのだろうと思わせる。なんとも美しく繊細な話。
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昭和58年〜60年
表題作だけでも読む価値あり!
見えている、見えない、見ようとしていない。気づいていないだけの奇蹟は、案外 身近にあふれているのではないのかな。なんちって。
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この白泉社文庫の大島弓子のシリーズってのはどのくらい全てを網羅してるもので、どういう順に刊行されているのかは知らないけれど、この巻はもう大島弓子ワールドの真骨頂だわ。。。恐ろしい、こんな漫画を描く、この才能は何なんだ。。。どの作品も根底には似たものがある。けれど、その共通項がいくら手探りで探しても言葉にならない。荒唐無稽。夢のような話。いや、まさしく夢。御伽。(07/10/28)
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我が家の大島弓子はこの白泉社文庫シリーズで揃えています。
選集のと迷いましたが。。
一番好きなのがこれ。
名作。泣けます。
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「夢虫・未草(ゆめむし・ひつじぐさ)」
父の浮気が原因で
家族崩壊を向かえた一人っ子の女の子と
浮気相手の息子の男の子が仲良くなるはなし
話の展開は急展開気味だけど
女の子と男の子の友情がちょっとほろ苦い
「水枕羽枕」
姉妹の依存関係の話
姉が妹離れできていないケース
まぁ好みじゃない
「快速帆船」
自分がなぜこんな格好をして
生活しているのかわからない主人公
医者と知り合って 色々なことに遭遇する
見たことのある景色だと川を渡ると
病院で意識がもどるという展開
記憶喪失かと思いきや病気オチ
「ノン・レガード」
漫画家の主人公は宝くじが当たって軽い気持ちで
老齢者ばかり住んでいるマンションの1室を3000万で買う
管理費の高さや生活の違う老人達との暮らしに悩む
ある老人の肖像画を頼まれ製作するもやり直しの連発
さらにマンションの設備工事がはじまり
お金が無く借金をしてどうしようもない状態に追い込まれ
仕方なくマンションの便利屋に
自分の部屋を売れば解決すると思うも離れられず
そんな最中 肖像画を描いていた老人が亡くなり
その老人の遺産を渡される5階全室と地権を手にした主人公
掃除に時間がかかり漫画を書く時間が無い
なんとなくハッピーエンド
「ダリアの帯」
衝動的に結婚した夫婦
流産をきっかけに妻が精神を病んでしまう
さびしさと愛情と依存関係が渦巻く
なんか切ない話だった
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上の子の出産のときに女の子だとわかっていたので
きっと大島弓子が読みたい気持ちになるだろうと思い
入院先に持ち込んだなつかしい一冊。
入院中ずっと読んでた。
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ときどきすごく読みたくなるよ大島さん 夢見がちで時々こわくもなるんだけど。
海ちゃんの話がよかった。
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大島さんて、おかしくなっちゃった世界や人をあたかも当たり前のように自然に描いてしまう。ふわふわした絵柄とそのアンバランスさ。
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表題作は読み終わったあと泣きそうになりました。
物語が終わった後の黄菜ちゃんを想像すると、幸せそうな様子しか浮かんでこなくて。死んだあとに二人がやっと通じ合うというこのラストに寂しさやら嬉しさやら悲しさやら色んな感情が渦巻きました。
大島弓子さんの漫画は好きですが、どうして好きなのかと聞かれたら上手く説明出来る自信がないです。でも、ふわふわとした、つかみどころのないお話・登場人物たちを私は魅力的に感じます。
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心の琴線に触れるというより、
自分を構成する成分の何割かにゃ
確実に大島エッセンスが染み込んでいたんだと確認。
東西冷戦下の漠とした不安、
世紀末、終末への期待と恐怖が色濃く反映したかのような
「サマタイム」(1984年)など、秀逸。
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表題作は、いいのか。どうなの。狂っていると美しいのかな。エスカレートしたエセ純粋少女が大量生産されそう。今読めば美しい話だけど、少女時代に読んでたらきっと危険だっただろうな、という作品。