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新レーベルとして、かなり立ち上げに力が入っている「講談社タイガ」の第一回配本。森作品はめっきり置いていかれてますが、「ウォーカロン」という言葉に、大好きな100年シリーズの響きを感じて購入。
以下ネタバレしているかは不明。
作中引用はそのものズバリ『電気羊〜』だし、「人工生命体と人間の違いは何か」という、とにかくそういう世界観。
個人的に最近観たり読んだりするものがやたら「機械と人間」「有機と無機」「生と死」的なものが続くのは、ここに惹かれるというのもあるんだけど、「共通するものと立て続けに遭遇する」という現象は、意識的な問題以上に何か別の現象として存在するとしか思えない…。
何度も何人もの人に描かれてきたこのテーマですが、ここでのスタンスは「限りなく近いなら同じでいいんじゃないか」というニュートラルな感覚が面白い。
機械に乗っ取られるみたいな話になると、攻撃的な話だったり、情報的な話だったり、意識的な話だったりといろいろあるけれど、ここでは「生殖」の問題から、ほぼ同じものなら次世代として受け継いでもらう相手としても良いのではないかというような、ごく自然な流れ。もちろんそれが良いとか、皆そう思っているとかいうわけではないけれど、森作品特有のニュートラルな思考回路表現だとこうなるのかぁと。
で、100年との関連性は「ミチル」という名前が出た時に「きたー!」と思ったんですが、「マガタ」の名前が出た時に「またそこにつながるのか…」とちょっとゲンナリしたのは内緒です…。
結果、森クロニクルは繋がっているようでも、単体として楽しもうと思いました(苦笑)。
しかしこれからどんどんSFと現実の境界が狭くなってくるんだろうなぁ。
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小品ながらじんわり色々考えさせられた。
ほんとにこんな未来が来るだろうか。なんだかその前に自滅しそうな気もするし。
ミルキーウェイを読み返したくなった。
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講談社タイガ創刊ラインナップの1冊。
森博嗣の新シリーズはSFミステリ。講談社ノベルズで刊行されている既存のシリーズとちょっとした繋がりがあるようだが、寧ろ『女王の百年密室』の方を思い出す雰囲気だった。
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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を森博嗣的にver.upし、さらに森作品のシリーズの新しいひとつに連なっているというすごさ。四季シリーズや女王の百年密室ともリンクしていく。森博嗣はやはりすごいというかとんでもないということを改めて思う。
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新シリーズ。SF。
22世紀後半。百年シリーズから数十年後。
「赤い魔法」、ミチル、ミチルの保護者と名乗る女性。
どうしても他シリーズとのリンクが気になる。
パティとかロイディも出てきてほしい。
(わかってはいたけど)森さんの思考は、現実の時間より早く歩みを進めているみたい。
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続きが有るのですよね。ココで終わってはあれもそれも気になる感じですし。
【彼女】がくるのか!が一番の感想。
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久しぶりに森作品を読みました。やはり、面白いなと感じました。
普通の会話の場面において精緻な論理が展開されつつも、洒落た冗談で切り返されていたりと森先生特有の筆致が健在しているなと感じました。
今作はSFのようで、SFでないような雰囲気があります。昨今の目まぐるしいバイオテクノロジィの進展がさらに加速していけば、本作のような世界が実現しそうな気がするからです。実際に、昆虫の嗅覚センサーを機械に取り付け、機械が臭いに反応する(機械が反応していると定義しても良いかは置いておきます)仕組みが考えれており、強ち本作の世界は現時点においてもフィクションと言えない気もしました。
そのため、改めて人間って何だろうと考えさせられました。人間の定義って何なのだろう。人工知能に人間の器官をつけ制御させれば人間?逆に人の脳ですべての器官が機械になったら人間?上述した昆虫はサイボーグ「昆虫」と呼ばれていますが、それは昆虫なのでしょうか。
この作品は次回作が出るとのことで、このシリーズの1つの大きな命題でもある「人間性とは命とは何か」について、森先生がどう道筋を立てていくか楽しみです。
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【ブクログ献本】SFはあまり読まないのだが、こういった近未来的ななんか実際にありそうなSFは面白いかも。それにしても、ウグイがFFのライトニングさんのイメージだった。
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新シリーズw系列第一作,電気羊に思わせるタイトルや引用の素敵さはたまらないです。先生の人工知能に関んする本をずっと読みたかった、百年と冬は触れただけであまり深く意見を述べてなかった遺憾、今作はウォーカロンと人類存在意義に関してたっぷり先生の考えを味わえることができて嬉しいあまりです~
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Wシリーズ-1
23世紀あたりのスーパー高齢化&少子化の世界。人間とウォーカロンの境界線はなにか。
蔵書、電子書籍
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「赤い魔法を知っているか?」
全てのカギは、この言葉が握っているのかもしれない。
舞台は、人工細胞で作られた生命体「ウォーカロン」が普及した未来。
この世界の「人間」は肉体の大部分を人工細胞に置き換えて半永久的な命を得ており、名目上は別存在とされているものの、実の所「ウォーカロン」との違いはほとんどない。
主人公であるハギリは現在「ウォーカロン」と「人間」を識別するための研究を行っているのだが、何者かに命を狙われることとなる。
政府関係者の女性・ウグイに守られながら犯人を探るうち、ハギリは
「人間とは何か?今、ウォーカロンと分ける必要は本当にあるのか?」
という問いに直面することとなる。
そんなハギリを見透かすように、一度きりしか読めない不思議な童話や謎の美女が現れて…。
ミステリとSFが出会うとこんなに面白いのか!
というのが、読後の素直な感想。
SFとしてしっかりとした環境設定がなされているし(人間のだめになった器官が人工細胞の移植技術で取り替え可能になるあたりなんて、いかにも現実になりそう)、犯人を推察する、ミステリならではの楽しさも味わえる。
これは、とんでもなく私好みの面白いシリーズが始まったぞ…
今回の犯人の目的は、「あ、そっち…」とちょっと拍子抜けしてしまうもの(もっとも、私はそういうオチが嫌いでない。むしろハギリがかわいく思えたくらいだ)だったが、あちこちに散らばった伏線は、このシリーズ全体の「謎」につながるものなんだろう。
間違いなく、あの謎の美女と「赤い魔法を知っている?」は関係してくるはず…!
(マガタ博士はアシモフ回路のようなものをウォーカロンに組み込んでいて、「赤い魔法を知っている?」はそのキーなのではないか、なんて予想を立ててみていたり…でも、そうするとハギリが識別システムを組むまでもなく識別できちゃうことになるなぁ…)
そう思えば、今から次作が待ち遠しくて仕方ない。
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久々に読んだ森作品。
新シリーズということで,続編に期待です。
久しぶりに読んだ森先生の文章はスマートで,すとんと落ちる感じが良いと改めて感じた。シリーズを重ねるごとに文章も内容もスマートになってる気がするのは私だけだろうか。
この世界観を極論とみるか,実際にありそうだと感じるかは人によるだろうけど,ファンタジィであるから楽しめる。これが実際にありうる世界観だとしたら,正直ここで主人公ハギリが考えるように難しい命題だ。
つまり,人間は自身の人間性を考えずにはいられないのだろうな。
「赤い魔法」という単語が登場したときは「来ました!」という高揚感が。「ミチル」もそうだし。
とにかく今後が楽しみだな。
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ブクログの献本企画でいただきました。
ありがとうございました。
新シリーズ。すでに続編2冊の刊行が決定しているとのこと。
人類の存在意義を問う作品。
「ウォーカロン」 (ウォーク・アローン(Walk Alone))・単独歩行者) と呼ばれる人工細胞で作られたロボットと人間とが共存する未来が舞台。ウォーカロンと人間との差はほとんどなく容易に識別できない。
研究者のハギリは何者かに命を狙われるが、心当たりはない。
ハギリを保護しにきたウグイ(女性・人間? )とのやりとりが面白い。
任務にひたすら忠実でロボットのよう、愛らしく思えた。
一応解決はするが、謎は残されたまま。続編が楽しみ。
著者の他のシリーズと色々リンクしているようなので、それを読むと面白さが倍増すると思う。
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もしSTAP細胞が出来てたらという未来小説。
人間が病気になっても万能細胞で治す事が出来る。さらには人造人間のようなウォーカロンが登場する。それにつれて人類は子供を作れなくなっていった。
面白い。文章が簡潔で淡白な書き方なので緊迫感には欠けるがリアリティに溢れている。続きが気になる。
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人間ってなんだよ(哲学)Wシリーズ開幕。
あの世界の未来ではこんなことになっているのか……。
まぁ健康で仕事があって金があって生きるに困らなければ長生きもいいけどさ……。