「好きこそものの上手なれ」、これが「ユダヤ式教育法」のエッセンスだ!
2010/10/27 14:29
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投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユダヤ系米国人の国際弁護士と日本人女性の夫婦が書いた、「日本式教育法」といっけんよく似ているが、結果が大きく異なる「ユダヤ式教育法」の本。
英語にはジューイッシュ・マザーという表現があるように、ユダヤ人の母親は日本の教育ママにも勝るとも劣らない「親バカ」で有名だ。だが、ユダヤ人の家庭教育が日本の家庭教育とは根本的に異なるのは、教育の中身が、強いて勉めるという性格の強い「勉強」ではなく、子ども自身の好奇心と自発性に最大限の重きを置いた「学習」あるいは「学び」(ラーニング)を重視していることにある。
本書でも指摘されているように、教育(Education)のもともとの意味は、「与えて」教え込む事ではなく、子供から好奇心と、自発的に学ぶ気持ちを「引き出す」ことにある。これを伝統的に行ってきたのが一般的なユダヤ人の家庭教育なのである。ユダヤ人が優秀なのは、必ずしも「遺伝」だけで説明できるのものではなく、子どもが自発的に「学ぶ」ための「環境」を作り出すことを親の務めとしてきた伝統にあるといってよいのだろう。
一言でいってしまえば、ユダヤ人家庭では、日本語で言う「好きこそものの上手なれ」を一貫して実践してきたことにあるといっていい。もちろん、子どもはいろんなことに好奇心をもつものだし、興味の対象はころころ変わっていくのであるから、親の務めとは子どもをよく「観察」し、興味をもっている分野を伸ばすように支援すること、そして特定の方向に向かうように強制しないことだ。そのためには、親には当然のことながら忍耐力が要請される。
そしてもっとも重要なことは子どもを「信頼」すること。親子間に信頼があれば、子どもも安心して自分が好きなことに専念し、自分の道を探すことができる自信がつくわけだ。そして子どもはまた親となり、自分の子どもに自分が受けたものと同じ教育を行っていく。こうした連鎖が伝統として連綿として続いていることがユダヤ人教育法に秘密があるとすれば、そのものなのだろう。
「天才教育のレシピ」とは、「親バカ教育のレシピ」のことであり、エッセンスとしては本書に述べられている7項目に尽きる。コトバにしてしまえば実に簡単なものだし、日本人にも無縁な教育方法ではない。あとは何ごともコトバで表現する習慣と「なぜ?」と質問する習慣を身につけさせ、時期がきたら親離れさせることだろう。だが、実はこの点が日本人にとっては不得意なものなのではないだろうか。だからこそ、この点さえクリアできれば、子どもを「天才」に育てることも夢じゃないといってもいいのかもしれない。
子どもをのびのびと育てたい人、ユダヤ人に天才が生まれやすい秘密の一端を知りたい人にとっては必読書である。
なぜいろんな分野で成功している人にユダヤ人が多いのか?
2017/02/21 12:25
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投稿者:たこ助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国を失い、あちこちに散らばって生き抜くユダヤ人達は、幼少期に親はどのように子供を教育しているのかを知りたくて、この本を手に取りました。
特に驚くようなことは書かれてはいませんでした。「なるほどね~。」という感じです。もしかしたら、海外の教育事情についてあまり知らない方は、新鮮に感じるかもしれませんが、、、。
読んでみて参考になるので良かったと思います。
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投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る
「education」とは素質等を引き出す、ということ。勉強や本を読むことの楽しさを子どもに身をもって示すことが重要ととく。
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本棚の最下段に置かれている本は、印象に残る。子供の目線に読んでほしい本を置くことが重要。
あと、大学や高校に実際に連れていってみる。子供をのびのび優秀に育てる3つの言葉:「どう思う?」「よく思いついたね!」「いっしょに答えを探そう」。
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子供の教育の方針を決めるのに、参考になる一冊。
共感できるのは、家中に本棚で埋め尽くし、子供の興味が沸くテーマを観察して、その方面の本を与えることだ。
意外な点は興味深い:
自分は子供に「成績をよくしなさい」とつねに言いそうですが、ユダヤ人は子供に目標を与えることではなく、自分に探せることだとか。
また、家にかならず百科事典を備えといて、分からないことがあったら、一緒に調べようと呼びかける。
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子育て教育の本がいくつか有名になる中で、たまたまその中の一つとして目に留まったのがユダヤ式勉強法。
ノーベル賞受賞者だ多いことでも有名なユダヤ人。子育てだけでなく、自分の勉強の参考になるかと思い読んでみた。
教育という言葉の語源は「Education」。さらにその語源はラテン語の「エデュカーレ」=「引き出す」だそう。
教育が詰め込みとなっている現在の日本人からすると、驚きとともになるほどと思わせてくれた。
子供の資質を引き出すことが教育だそうだ。
このユダヤ式教育のレシピには7つがあげられているが、その中でもさっそく実践に移そうと思わせてくれたのは、「本をあげよう!」「本でいっぱいの本棚をみせよう!」だ。
少しずつ本を与え、図書館などで本を借りて読ませてはいたが、中々続かなかった。
子供に本の楽しさを与えるところまではうまくいったつもりではあったが、自分から進んで本を読むことはしてくれない。
しかし、この本の中ではインタビューに答えているユダヤ人の方々は皆、子供のころは当たり前に本が周りにあったそうだ。
我が家でももっと本を増やし、子供の目に着くところに置き、みんなで本を読む習慣をつけていきたいと思う。
そして子供に体験させるということ。
これも普段から興味をもっていること、我が家の場合は動物や恐竜、について動物園や恐竜展には連れて行っている。
でも興味をもつというだけで、その場で喜んで終わっている感じ。せっかく連れて行ったのだから、もっと勉強しろ!と矯正しているところもあるからなのか?
博物館にも連れて行ってはみたいが、興味を持ってくれないとお金がもったいない。。。と考えてしまうのもよくないのだろう。
もっといろいろなものに触れさせて、可能性を広げてあげられるようにしたい。
どうしても休日ゆっくり休みたいときは、TVゲームやDVDに頼ってしまうが、もっともっと子供と触れ合い、話し合い、子供を観察して理解することが大切であることを心がけていきたい。
大切なわが子であるので、当たり前の話である。
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アメリカでは、ユダヤ人の生徒はほとんど全員がトップクラス。そうでなければ天才肌。そんな子供に育てる秘訣は、たった7つのレシピでした。長い迫害の歴史を生きてきたユダヤ人は、財産よりも名誉よりも、持ち運びできる頭脳を重視します。親が子供に与えられるのは教育だけ、と独自の家庭教育方法が受け継がれてきました。自ら生きがいを見つけるから、絶対にニートになることはない。アインシュタインも、こうやって育ったのです。
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Education(教育)の語源は「エデュカーレ」であり“引き出す”というのが本来の意味。しかし日本では欧米諸国に短期間で追いつくために、“知識の詰込み”が教育になってしまった。子供が主体的に学ぶようになるためには、親が注意深く子供の様子を観察し、子供が興味を示した事に対して、さりげなく補助をしてあげる事が大切なのだと筆者は述べていた。その方法として本(百科事典等)が家庭において充実していること、親が日頃から本を読む(子供がその姿を見る)ことが挙げられていた。
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ユダヤ式の教育本。
参考にできることは参考にしたい。
特に、「本に囲んでおく。」「常に情報に触れさせる」というのはいいと思う。無論、その中には選択的な情報も含まれるべきであるのだけれど。
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とある人から紹介された本。
「与える」より「引き出す」
子供を信頼する。
簡単そうに見えて、難しいこれらのことが
どうして難しいのか、どうして必要なのか
それをわかりやすく教えてくれる本です。
著者が日本人であることも、
すっきりと内容が読み手に伝わる一つかもしれません。
「学ぶことは楽しい」と伝える。
「親バカでいるくらい、子供を信頼する。」
この2つはこれから欠かせないキーワードになりそうです。
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ユダヤ人の教育で一番大切なのは「学ぶのは楽しいことだ」と教えること。
一般的な教育は「与える、強制する、教える」、ユダヤ式は「子供の力を引き出す」(=エデュカーレ)
・良い成績を取れ、と子供に葉っぱをかけない
・家にかなりの数の本を常に備え、親子で一緒に読書を楽しむ
・いろいろなものを見せ、経験させるために、しょっちゅう子供と一緒に外出する
本当の意味での「人間力」を身につけさせる
・やりたいことを自分で見つけ出す力を持っているか
・生涯を通して学び続ける喜びを知っているか
・変化の中からチャンスを見つける確かな眼と、強い生命力を持っているか
ユダヤ式天才、親バカ教育七つのレシピ
⒈本をあげよう!本でいっぱいの本棚を見せよう!
⑴褒められる→本がもらえる→嬉しい、を刷り込む
⑵本棚の一番低い段が子供の目線。良質の百科事典や図鑑を置こう
⑶親も読書している姿を見せよう
⒉子供を観察しよう!決めつけ、押し付けは絶対NG!危険な時だけ手助けを!
⑴子供が何に興味を持つか、とにかく観察。
⑵何かに興味を持ったら、それに関する本を与えましょう。関連する博物館など、質の良い情報がある場所へ連れて行きましょう。
⑶進む方向性に危険があったらさりげなく手助けを。
子供たちの冒険を応援し、冒険の参考になるものを与え、障害を取り除いてやる。
⒊見せる、体験させる、感動させる!
情報をたくさん与えて、選択肢を増やしてあげよう。
⑴博物館、美術館、本屋、コンサート、史跡などで上質な情報に触れさせよう!
⑵その中から、子供に「ピン!」と来るものは何かを探ろう。
⑶インターネットなどのバーチャルな空間ではなく、「ホンモノ」に触れさせよう。
⒋子供をのびのび、優秀に育てる三つの言葉。
「どう思う?」「よく思いついたね!」「一緒に答えを探そう!」
子供を優秀にするコミュニケーションの輪。
親が尋ねる→子供が話す→親が褒め、再び尋ねる→子供が話す→親が褒め、再び尋ねる・・・
⒌言葉と態度で「信じてるよ」を示そう!
遺伝するのは能力ではなく、信頼。
⑴まずは他の子と自分の子の比較をやめ、全面的に信頼しよう。
⑵あなたが子供を信頼すれば、子供も自分の子供を信頼する。これが、大いなる才能が何世代にも渡って出て来る「秘密」。
⑶「言うことをよく聞いて」ではなく「先生に質問しておいで」と行って送り出す。毎日の繰り返しが後日、大きな差を生む。
⒍「あなたがボス」であることを忘れずに。
まず説明、罰は本当に必要な場合にのみ行う。
⑴親バカではあっても、親が常に「ボス」
⑵しかる時は、まずしかる理由を説明する。
・子供が間違いを犯したと言う事実
・なぜそれが間違いなのかと言う論理的な理由
・間違ったことをしてしまったけれど、それでも親は子供を愛していると言うこと
⑶子供の目線に立つことは重要だが、子供と同等になってはダメ
⒎時期がきたら親離れさせよう
子供が発する10の危険信号
⑴
一。頭の良い子が持つ、特性
⒈言語能力
⒉独創性
⒊分析能力
⒋忍耐力
⒌大志
⒍好奇心
子供に望むのは、ハッピーであること
ユダヤ式をすれば、子供の持つ才能を破壊せず、伸ばすことができる。学校の成績は重要視しないが、結果的に良い成績を取る。
いろいろな事例
⑴家中のお皿を出して円周率を測った
⑵変人と思われない程度に質問するユダヤ文化
⑶毎週図書館に連れてってくれた
⑷言葉より早い音楽教育
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「与える」ではなく、「引き出す」教育を行う上での観点整理が進む一冊だった。
以下備忘録
◼️子育てにおいて重視する点
・やりたいことを自分で見つけ出す力を持っているか
・生涯を通して学び続ける喜びを知っているか
・変化の中からチャンスを見つける確かな目と、強い生命力を持っているか
◼️子どもへの3つの語りかけ
・どう思う
・よく思いついたね
・一緒に探そう
◼️PISAテストにおける家庭内での文化的・社会的コミュニケーション尺度
博物館、美術館、舞台、オペラ、バレエ、コンサート、小説、詩文、絵画の有無・左記に関する家族間のコミュニケーションの有無
政治・社会問題、映画、テレビ番組、クラシック音楽、本に関するコミュニケーションの頻度、学校活動に関する会話、家族と夕食を共にする頻度
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内容としては薄いけど、ユダヤ式教育とはなんぞ?の入門書として。
文章は構成から文字の間隔等、大変読みやすいです。
『ユダヤ人』というものを意識したことがなかったので、そういう文化があるんだ~という感覚で読みました。
書いてあることは、たしかにそうだな、そうできるといいよなってこと。
それがどういう理由なのか?は弱かったです。
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15分くらいでエッセンスだけ速読。とある方のブログで見つけて興味を持って。
ユダヤ人の教育について。本だらけの家。educationは教育ではなく引き出すこと。
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より国際化し、競争も国境も人種も超えた次世代のビジネスでモノを言うのは
●やりたいことを自分で見つけ出す力を持っているか
●生涯を通して学び続ける喜びを知っているか
●変化の中からチャンスを見つける確かな目と、強い生命力を持っているか
「信頼」がキーワードとなるが、それは当たり前のようでとても難しい。尊重ともいえるのかな。子どもにどんな人生を歩んでほしいか、どんな社会であってほしいか、そんなことをより明確に考えようと思った。
そして、教育のテーマとは関係ないが、インタビューに出てくるデイヴィッド・グリーンさんの考え方が、社会の持続可能性を模索する現代にやっとみられるようになってきた考えで、2005年当時にこんなことを考えていた人がいたとは。無知はダメだなぁ。社会、政治、世界、もっと学ぶべきことがあると強く感じさせられた。