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要求金額は8千万円。人質は東京オリンピックだ―五輪開催を妨害すると宣言していた連続爆破事件の犯人、東大生・島崎国男が動き出した。国家の名誉と警察の威信をかけ、島崎逮捕に死力を尽くす捜査陣。息詰まる攻防の末、開会式当日の国立競技場を舞台に、最後の闘いが始まった!吉川英治文学賞受賞作。
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純粋な青年がテロリズムに突き進んでいく心境、状況を淡々と描く。
かなりドラマチックな話なのだが、ラストは「これで終わりかよお」と、かなり尻すぼみ。国男の思いの丈が何らかの形で世に出て欲しかった。
資本主義の歪みは昔も今も同じ。違うのは東京オリンピックへの日本人の熱狂だ。
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今、オリンピックを目前とした状況下でのレビューです。
まず、国男はテロリストになるけど、主張は間違えていない。そして、スリの的を射た発言の数々が、同情を促す。
そして、ラスト、国男が撃たれた時、主張が認められなかった時、とても悲しくなった。国男の生死は言及されていなかったが、生きていて欲しい。
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社会の闇を暴くタイプの小説が好きな私にはたまらなかった!
読んでいて、ああこれ撃たれるやつだなって感じつつも逃げ切れ国男と思う自分もどこかにいた。
いい意味でボリューミーでエネルギーを使うお話なので、まとまった時間がある時に読むことをおすすめします。
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文庫2冊にわたる長編にもかかわらず、途中で弛むことなく一気に結末へと導くストーリー構成の素晴らしさ、ご都合主義にはとどまらない憂いのある結末、まさに奥田英朗ならではの作品。
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当時はまだ生まれていなかったけれど、戦後急成長した日本でのオリンピックがどのような意味をもっていたのか。どれだけ期待されていたのか。そしてその陰で多くのプロレタリアートたちが命を削りながら働いていたこと。すごくリアルに想像できた。
題材もかなり面白かったし、時代背景の描写も素晴らしかった!
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テロリストの心情変化を知りたくて、この本に辿り着いた。
読めば読むほど国男が社会の闇に入り込んでいく様子をみて、より深い闇を待つ私と、国男の行く末を案じるまた別の私がいた。
全てがリアルで、実際に島崎国男が存在していそうで。建物の並びもああそうだよなあと思いながら、情景が鮮明に浮かんできた。久々にこんな濃厚な本読んだなあ、という感じでした。
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あまりに面白すぎて、読み始めたらほかのことができなくなる。時間があるときに読むのがおすすめ
これが刺さった人は罪の轍も読んで欲しい〜また五係の活躍がみれます
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群れを成さず身勝手な単独爆破予告をするテロリストに、警察庁と公安が立ち向かう話、として読んだ。
テロリストに同情したり感情移入する読み方もあるのだろうが、虚無というか何も感じさせなくて、オリンピックに向かっていく華やかさやお祭り気分との真逆さを感じた。
ラストに向かっての追う側の組織力と追われる側の知略の駆け引きが見所。村田さんのセリフや親心にはグッときた。
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あれ!?っと思ったら
「罪の轍」のメンバー!
戦後の東京の高度成長期とプロレタリア
主人公の島崎の純粋さと それがだんだん壊れていく様にグイグイ引き込まる
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下巻もおもしろかった。
上巻は時系列が前後しますが、下巻はそれもないせいかどんどん進みました。
罪の轍もそうだけど、奥田さんの作品て、どうしてこんなことになってんのーって展開が多い。
間一髪のところで逃げきれたり、とんでもない場面に居合わせて、罪を重ねたり…。
そして、犯人が完全な悪人でないところも。
最後はなんだかせつない気持ちになりました。
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やー、面白かった。。
昭和39年のオリンピック開催を目前に控えた東京が舞台で、オリンピックは先進国の仲間入りをするための国家勢力をかけた一大イベント。
活気付く国民や、変貌していく街の裏には、貧困問題を抱え、過酷な労働状況で働く日雇い労働者がいた。
その実情がとてもリアル描かれていて、いろいろと考えさせられた。
2022年のカタールワールドカップでも、ワールドカップ開催に向けての労働で、かなりの数の労働者が死亡したとのこと。
世界のどこかでは今も変わらずに同じようなことが起きている。
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国男の真っ直ぐさは心配になりつつもどこか応援したくなり、下巻で警察から追われる身になってからは手に汗を握る展開が多くさくさく読み進められた。フィクションなので、聖火台爆破、北朝鮮への逃亡もやり切って欲しかった気持ちもある。
村田との関係性もよかった。
最後はとてもあっけなくて少し物足りない。
すごくボリューム感のある上下巻!
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上巻に引き続き一気読み。
最後の方のシーンは緊迫感に呑まれ、私自身も手に汗握って読んでしまった。
この時代に生きる人達も多くの苦労があり、不自由があり、悩みがあったのだろうとは勿論思うが、それでもなお「日本が必ず成長している」と感じられる時代を生きた人達を羨ましく感じた。
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罪の轍の刑事達が出てるとは知らず、とても驚きました。(知らずに読んだのも。お恥ずかしい話しですが…)
罪の轍でもそうですが、戦後の日本、特に北国の情景の描き方は、流石だと思います。
現代こそ、都会と地方の格差は無くなっていますが、戦後は、はっきりとした格差ができており、その影響にオリンピック特需があったことは間違いありません。
とても印象的な本になりました。