紙の本
兄弟姉妹
2019/01/03 22:01
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
きょうだい論であると同時に親子論でもある一冊。
第4章「生まれ順の心理学」は、コナン-ドイルやカラヤンや宮崎駿など様々な実例があげられています。
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兄弟子育ての参考にと読む。
結果、参考になった部分も少しはあったが、こんなにひどいことが起きているんだ・・・ということに愕然。
(でも、精神的に不安定で仲間に嫌なことをしてしまう友人を思い出し、これだったんだ、と納得;とくに1章で)
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きょうだい仲の悪さについて、親の不徳を子どもたちに背負わせているためであるというのは、一理あると思いました。
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■自己愛のバランスの良い成熟のためにはその人の自己愛が十分満たされつつ,少しずつ自己愛の満足を断念していくというプロセスをたどっていく必要がある。
・自己愛が十分満たされず不満ばかり味わって育ったり,それまで満たされていた自己愛の満足を急に奪われたり,或いはいつまでも過剰に満たされ続けたりすると,自己愛の健全な成熟が損なわれる
・バランスのとれた成熟には至らず,幼い自己愛の段階にとどまる
・親が未熟な自己愛を抱えると「幼い自己顕示性」「独善性」を示す
・自己愛の強い親は公平に愛せない
■幼い自己愛の親に特有の愛し方
①「鏡転移」:鏡に映し出された自分自身に酔い痴れるようにわが子を自分のコピーや分身とみなしその姿に惚れ惚れするという愛し方
・自分の意志を持たず思い通りになる存在であることがよい子である条件
・一番許し難い存在は自分の意志を持った思い通りにならない存在
・気骨があり自分の心情や信念を持つような見どころのある子どもほど自己愛的な親からは疎まれる
・鏡に映し出される自分の分身を愛することも人形を足することも,主体性を持つ主人公は親の方で一緒
②「理想化転移」:自分の理想像を子どもに映し出すという愛し方
・愛される良い子の条件は親が価値を置く領域において優れているということ
■特別に目を掛けられた兄弟が自己愛的な性格に育って財産や利益を独り占めしようとして他のきょうだいと軋轢を生むというケースが増えている。
■「良い子」と「悪い子」を作っているのは実は親である。
■自己愛的な親のもとに生まれた子供たちは例外なく仲が悪い。
・兄弟仲が悪いということを親は恥ずべき
■社会や家族を扱う場合に有用な理論に「役割理論」がある。
・機能不全家族には,一方に家族の希望の星である「英雄」が現れ,他方に悪者の役割を引き受けるスケープゴートが生まれる
・不健全な集団ほど極端な形で現れやすい
・役割は自然に生じたものなどではなく親が意図して与えたものであることも多い
・日向と日陰の役割を作り出しているのは親の自己愛が生む一面的な評価
■愛着とは幼いころ養育者(特に母親)との間で育まれる絆であり,単に心理的な結びつけではなく生物学的な結びつきである。
・安定した愛着が育まれることにより子どもの安全が守られるだけでなく,安心感や人に対する信頼感の土台が築かれる
・安心感や信頼感はその後の人生のいてその子をストレスや不安から守ることになるとともに他者と親密で安定した信頼関係を築いていく基礎となる
■兄弟コンプレックスが強いときしばしば併存するのは親とのぎくしゃくした関係。
・親子の愛着に兄弟間で格差がみられることが密接に絡む
・ぎくしゃくするのは求めるがゆえで求める気持ちとそれに応えてくれない親に対して怒りをぶつける気持ちが併存している
・求めるがゆえに怒りをぶつけるという執着は「抵抗両価型愛着」
■アードラーの方法は自我の力がある程度強い人ではうまくいくこともあるが,深い傷を抱えた人には通用せずしばしば逆効果になる
■交渉時相手が何番目に生まれた人かを知っておくことは大変重要
・相手が長子なら友好的な雰囲気を醸し出せば有利な条件を引き出しやすい
・相手が第二子や中間子である場合逆に自分の首を絞めることになるかも知れない(もっと譲歩してくれるはずと考える)
■中間子にははっきりとした個性を持つ人が少なくない。
・好き嫌いが激しい
・長子や末子のように庇護者に頼ることができないゆえ頼みとするのは自分のセンスと力
・危機感の中で絶えず生き延びてきたので中間子は主張し戦うことも厭わない
■末子は衝突を避け上手く立ち回る能力が高い
・母子分離が遅れやすく長子以上に甘えん坊で依存的な性格になってしまうことが多い
・人に取り入ったり,甘えたり,気に入られることで自分の居場所を確保しようとする
■兄弟コンプレックスの根底にある三つの要素は,しばしば絡まり合い,心理的な複合体を作っており,兄弟関係にとどまらず,対人関係全般や生き方,世界を前向きに信じる気持ちが持てるかどうかといったところまで影響を及ぼしている。
①自分が他の兄弟より親に愛されなかった,認めてもらえなかったという不遇感や親の不公平さへの怒り
②理想化された兄弟のイマーゴ(心を支配する理想像)への囚われ
③愛着した存在から裏切られた,見捨てられたという思い
■兄弟仲が悪い場合,親との関係が悪いという場合が少なくないが,兄弟仲の改善が親との関係の改善につながる場合もある。
・こじれた人間関係を修復する際に鍵を握るのは「愛着」と「自己愛」
・人間には他者を「異物」とみなして,攻撃・排除する仕組みとともに,異物となることを抑制し,無用な攻撃・排除を防いで共存を可能にする仕組みが存在する
■「自己愛」は自己との同一化にも異物としての排除にもどちらにもかかわる両刃の剣。
■兄弟間の紛争は自己愛と自己愛の戦いであることが多い。
・自己愛は正攻法で攻め落とそうとしても逆効果
・傷ついた自己愛の持ち主ほど相手に勝利の満足を与えたくない一心で服従することを拒み続ける
・頑なに心を閉ざしそのまま終わらせる方を選ぶ
・自己愛は否定されればされるほど自分の正しさに拘ろうとする
・必要なのは敬意と譲歩
■兄弟コンプレックスにはしばしば親子関係の問題が絡んでいる。
■自分の人生を損なう張本人は大抵自分自身。
・わざわざ愚かしい選択や意思決定をし,傷口を広げそんな人生を選んでしまうのも自分
・肝心なところで判断を誤らせているのがコンプレックスという自分では気づかない「囚われ」
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『親は日陰の子を生む“不公平な太陽”』
という言葉が心に刺さった。
親の責任の重さを再確認。
子どもたちの心に影を落とすことがないよう、「公平に」愛情を注ぎたいと思う。
家族関係に悩んでいる人に、特におすすめの一冊です。
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すべては結局親が握ってるんだと思った。
幼い子にとっての世界は親で成り立ってるから、親の行動ひとつでその子の世界観が確立されてしまうんだなと。
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特性を出生順で捉えたり、親の子供に対する関わり方や自己愛という視点で見ることで、どのようなコンプレックスを持ちやすいのか学ぶことができた。対人関係において相手を理解したり、自分の生きづらさの要因を探ったりする場面でも、この知識を活用していきたい。
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9.5割ほど読んだが完読せず。
私にも弟がおり常に比較され続けていたので
思い当たる節もいくつかあった。
幼少の頃に受けた親の躾は、成人してからも影響を受けていることがあるらしい。
躾や教育って難しい。
今悩んでいる性格も幼少のあの経験から影響を受けているのかな、なんていうのがいっぱいあるけど
両親には大切に育ててもらった気がするから
それを親のせいだというのは違うかな、と思う。
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・親が未熟な自己愛を抱えるとどうなるのか
①子供より自分が主役でないと気が済まない
②自己愛を傷つけ、貶めるようなものは我が子だろうと怒りを買い、悪い子として非難して疎む
・自己愛の強い親は子供を不幸にする
自分の理想像を子供に映し出す、という愛し方をした場合、兄弟間で比較したり優劣をつけて両者の反目や確執を作り出すことになる。
・きょうだい仲を拗らせているのはたいてい親。
「良い子」と「悪い子」を作っているのは、親。
親は自分の基準が正しく、その基準に従って正しい評価をしただけだと思っている。
そもそも親は、評価をする人だと思っているところが自己愛的な親の特徴である。
共感的な親は、問題行動を示している子供ほど、どうやって助けてやれば良いのか知恵を絞る。
自分の関わり方がまずかったせいでは?と振り返る。
良い、悪い、と評価されて育った子供達には明暗が生じ、それが不遇感や嫉妬を生み、きょうだい間の確執を生む。
・愛着の問題
生後半年から一歳半までに、安心感や信頼感を育めなかった場合、些細なことにもストレスや不安を感じ、人間関係で信頼関係を維持することができず、トラブルを抱え込みやすい。
親としても、愛情や世話を余分にかけた子供(=愛着がある子)ほど可愛いと感じる
未熟な自己愛を抱えた親でなくとも、こうやって、きょうだい間で知らず知らずのうちに子供に対して分け隔てしまう。
・年子長子の特徴
自己防衛的な傾向や、自己顕示的な傾向が強まりやすいがお人好しな傾向や見通しの甘さといった特別扱いされすぎて育った長子に見られやすい欠点は薄まる。
・第二子の特徴
一番の地位を争うのではなく、一番のものに従属することで無用の摩擦を避け、分相応の分け前を堅実に確保しようとする。
自立能力に優れている。