精神科医への極めて挑戦的な提言
2016/09/27 11:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平良 進 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は精神科は要らないと断言している。内科医として漢方を主体として治療を行っているらしい。逐一もっともな言説が述べられており、一定の説得性があるように思われる。こうした議論が精神科にかかわる多くの人々に起こればよいのにとさえ感じた。しかし一点、疑問もある。195ページにおいて、トラウマや傷つき体験は誰にでもあり「そしてそれを共感する家族や友人がいれば、病院にかかるような事態は防げるということである」と述べている。ここは本書の結論に近いようなところなのであえて取り上げるが、実際には、患者の多くがそういう人的資源に恵まれていないゆえに病院にかかっているという現状を無視しているとは言えないだろうか。自殺するような状況に追い込まれた人というのは、視野が極めて狭隘になり、周囲に助けを求めうるような人間がいないことが多い。そういう人がいれば自らを殺めるなどということにはならないのである。
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精神科に受診して改善した人も何人か知っているので本書の内容は100%受け入れられるものではなかった。ただ、国としても向精神薬の処方は
なるべく単剤にするよう進める動きは現実にある。本書に挙げられているような薬漬け例が多数出ているからだろう。
ベンゾジアゼピン使用量がダントツで日本が多いのには驚いた。
精神科にかかっても一向に改善されないと悩んでいる方には一読の価値はあるのかもしれない。
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内海 聡 (著)
まともな精神科医に出会うためには、第一印象で医師を判断しないことと、何より人間性で精神科医を判断しないことが重要である。精神科医自身に癒しを求めてはいけない。もしこの本を読んでもあなたが精神科医にかかるのであれば、副作用の少ない処方にこだわる精神科医をこそ選んでほしい。―精神科にかかる前に読んでほしい、“やくざ医者”の忠告。
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自らをヤクザと言わさせるこの世の中に嫌気がさす。
著者は本当に患者のためを思う医者に変わろうとしていることを信じたい。
世の中はこの本で言う精神病の巣窟でしかない。
他者、他人は徹底的に批判をする割には自らの行動に責任を持てない人たちが多すぎる。このような奴らの方が精神病だというべきではないか。それに比べ多くの精神病ととらえられた人たちはすべてとは言えないが心の優しい人たちなのではないかという気がするのは間違いなのだろうか。
これからはいくらでも束縛することが可能になる時代になるだろう。それを跳ね退けて生きていくためには少々異常な方が良いということが証明されつつある。
どちらが良いとは言えないがお互いを尊重できる世の中になることを望んでならない
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「普通と違う」とすぐ病名をつけるよなあと、最近の風潮を毛嫌いしております。僕も精神科にかかれば病名をつけてもらえると思います。
同じようなスタンスの、医療関係者からの告発。
薬が開発できたから、病気を作ろう、というスタイルの精神医療。家族の希望で病名が変わる。ホントだったらそうとうイヤな話です。それは精神科に限らない気もします。
自身や身近な人が診療を受けていたり、精神医療関係者だったりすると、なかなかニュートラルに読めない本かもしれません。
でもよう、精神にも肉体にも、ニュートラルなんか最初からありゃしないぜよ。
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精神科の実態や薬のこと診断のことなど辛口に厳しく書いていて、正直言ってそこまで精神科を悪くないと思うし中にはいいお医者さんもいるからちょっと言いすぎな部分もありますが、でも反面精神科の受診するときの注意点や薬の説明、心の病気の予防や自分なりに改善できる方法などいいことが書いてあるので参考にはなると思います。精神科についていろいろ勉強になるので精神科に受診している人もこれから受信しようと思っている人も是非読んでほしい一冊だと思います。
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『薬が開発されたから、その用途となる病気がでっち上げられる』
そんなことが本当に起こっているのだとしたら。。。
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いろいろ、精神病についての本を読んできたけれど、この本が僕の中で一番しっくりきている。
精神病の生い立ちは、
”わけがわからない人が出てきました”
”ではひとまず、薬づけにして、黙らせてしまいましょう”
”しかし、そのためには何らかの名分が必要です”
”では、精神病ということにいたしましょう”
ということだろう。
そして、精神病が認知される様になった現代では、
”いい(儲かる)薬ができました”
”では、新しい病人を作りましょう”
という流れも。
これが、最近の精神病ブームの裏側。
こういう解釈が一番、僕にとっては受け入れやすい。
精神病はブームなので、何を学んだわけでもない人間が、他人を精神病呼ばわりしているなんてことも見受けられる。
人間の許容が狭い人間が増えてきたお陰で、こんなにも儲かるビジネスもあるようで。
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これからこの本を読む人は「トンデモ本」としてこの本を読んでください。
自分が福祉関係の勉強をしているせいもあるでしょうが、大げさに書きすぎじゃないかなっていうのが正直な感想です。
センセーショナルな見出しをつけて、わざと波を立てるっていうのがこの人のやり方だと思っているので、話半分に読んでいます。
書いてあることの論拠や引用文献がまったくと言っていいほど書いてありません。
また、この人が精神医学の勉強をきちんとされていないからというのもあると思いますが、うつ病やパニック障害に対する知識に偏りを感じます。
心療内科の医師として患者さんを預かるからには、きちんと専門的な知識を学んだ上で診察をするのが当たり前だと思っていました。
「昔はADHDなんて言わなかった。子どもって言ったんだ」という説明は、梅毒の治療に水銀が効果的ということくらいに暴論です。
症状が重くないからといって困っていないとでも思っているのでしょうか?
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少し読みづらいです。
精神薬治療を否定するために、繰り返し同じ雰囲気の言葉で語りかけてこられる部分が、そう感じさせるのかもしれません。
ただし、精神薬だけが精神疾患を治すのでは無いのではないな、と考えているこの頃なので、読めて良かったです。
自分自身が精神疾患だと感じたら、まず薬は飲まないでしょう。
けど、家族が精神疾患と感じたらどうするか…は答えられません。
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衝撃だった。
精神科はすべて悪である、という視点でこの本は書かれている。
精神医療は、詐欺に他ならない。
病気をつくれば儲かるから。
賛否両論あるだろう。
しかし、私の周りで、真面目に薬を飲み続けて、精神疾患が治ったという人の確率は、ほぼ0パーセントであるという事実をどう見るか、だ。
薬が先に開発されて、それに都合のいい精神疾患があとから生み出されているという事実。
そもそも、精神医学や心理学は優生学的な側面を持っているため、人びとの洗脳や差別を加えることに一役買ってきたといえる。社会にそぐわない人間は、どんなに脳が正常であろうと異常者にされてきた。
精神病院での死者は戦死者を上回るらしい。
ただ、「発達障害」の項に関して、当事者からはこの本に反論がある。
アスペルガーやADHDの科学的根拠はないのだが、自分にとっては、【この言葉を与えられたことによって、「自分」というものを知る手掛かりに慣れたような気がする。いい訳として使うのではなくて、それを道具として、生活のための工夫として生かして、「卒業」するのが、ただしい発達障害のあり方だと私は思っている。
「生きづらい」社会だからこそ、「発達障害」という概念は、科学的に正しかろうがなかろうが、「必要」であると、私は考える。
また、この文章にも賛否両論あるかもしれない。
「いま、うつ病と言われている多くの人が、ただのノイローゼであったり社会ストレスによるものでしかなく、また一部分はわがまま病でる。」
「一般の人はうつが何年も続くのは病気のせいだと思っているが、その場合ほとんどすべてが薬物性であり、あとはわがまま病である。わがまま以外のほぼすべては、無投薬であれば一年以内に回復する。」
つまり、人生における当たり前の問題は、病院で「治る」ものでなく、本人と環境次第なのである。
ストレスやトラウマがあるから人は生きていけるのである。
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うーん、現代の精神科医療の現状を書いた現役の精神科医が書いた本。
主観的な診断と、安易な投薬に対する批判を結構厳しく書いております。結論として、精神科と精神科の薬なんてものは極めて限定的に使用されるべきで、多くの「精神疾患」と呼ばれるものは本人と社会が受容すべき問題であったり、医療以外に解決を求める問題だったりすするのだ、っていうのはまったくもっておっしゃる通りの正論だと思う。
しかし、問題はいざ、本人や家族がそういう状況に直面したときに厳しくもきちんと導いてくれる人がいるかどうかってことだなあと思いました。
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著者独特の鋭く厳しい表現で書かれているが、ここまでストレートに言える人がほとんどいないのも現実。
一読して、人それぞれで考えてみてほしい。
『睡眠薬や向精神薬が自殺を高めている』
『精神薬を飲んだところでうつは改善しない。それどころか禁断症状と脳の損傷を生み出し、長期的にはより悪化する』
『子供が不都合な状態に陥った時、精神科に連れて行き薬を飲ませることを「精神科医と親による共同虐待」と呼んでいる』
『精神薬そのものが毒であり、決して根本的に改善してくれるわけではない』
『精神薬を飲んでいる状況で漢方を追加したり、東洋医学の効果を期待するのは無駄である。漢方薬は効能の弱い物質なので、薬漬けの状態ではほとんど効かない』
『もっとも重要な薬物離脱のための方法は、教育であり勉強である』
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図書館でかなり待って借りたので結構読まれてるのかな。なかなか衝撃的な本なので、一読したら結構影響を受けてしまいました。でも、あまりに極端すぎるのと、なんとなく論理的な風をしている非論理的な本という印象がぬぐえないので、完全に信用は出来ず・・・。これだけを読まずに、関連する本をいろいろ読んだ上で読むことがお勧めな本だと思います。
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医者と製薬会社が精神科の患者を増やしてると言う意見には、とても同感。精神疾患て、検査データをもとに客観的に判断出来ないから、難しいよね。