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なんて言えばいいのかわからない感情や考えを
伝わるように伝える文章が凄いなぁ。
読んでいる間は
違和感なくしっくりくる ところに落ちていって
分かった気分なんだけど
その気分を誰かに伝えようと
自分の言葉に置き換えると
途端に道を見失うような印象
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取り上げていた小説をひとつも読んでいないので何も言えないのだが、短編小説ひとつにもこれほど深く読み込む技術があると知って驚いた。自分は小説は本当の意味で読めていないのだと自覚する。
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その本を読まずして、解説だけ読むようなものだ。紹介されている作家は知っていても、その作品を読んでいなければ、ピンとこない内容だ。簡単に小説の内容は紹介されているが、内容は高度でなかなか理解しづらい。機会があれば、原作にあたってみたい。
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私は昔から親の影響で、あまり海外の文学らしい文学に触れたことがない。また、ちょっとかじって読んでみても、なにか違うような気がするなあ、といった根本的な自分にはまらない、みたいな印象を受けてしまって、結構敬遠していた節があります。その代わりといってはなんですが、日本の文学に重点を置いて読んできたつもりだった。特に戦後派の純文学作家たちが私の主な読書体系だった。三島由紀夫とか、大岡昇平とか堀辰雄、さらには遠藤周作、福永武彦、加賀乙彦とか。
でもこの本を読んで、ああわたしは何も読んではいなかったと思った。ほんとうに、こんな風に本を読む人がいるならば、わたしの読書はもはや読書といえるような代物ではないと。それはもちろん村上春樹はプロの文筆家で、わたしの3倍くらい長く生きてて、文章に対してかけた時間もわたしの1000倍くらいあるでしょう。それにしたって、文学にこんな風な無限の可能性があるのなら、わたしのやってきたことは読書ではないし、わたしは本に向かいあったことなんてないし、その文章を紡いだ作者に対して失礼極まりないなにかをしてしまったような、そんな気さえします。
可能性を示唆された、というかここまで読み込めるんだよ、という一種の例示としては、抜群の破壊力をもった本であった。今わたしは現在進行形で北杜夫の短編集を読んでいるので、そこから少しでも還元していくことができたら、いいなあ、
と同時に、どこかの大学でここまで文学をやってくれる先生、いないですか??
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本人は文芸評論家ではないと断っているが、下手な文芸評論より、よほど鋭い分析を行っている。村上春樹の守備範囲の広さに驚く。小説、エッセイ、対談、紀行文、音楽論に加えて、本書である。日本の戦後の短編小説を題材に図式化して読み解くことに成功していると思う。
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恥ずかしながら、ここで紹介されている作品をひとつも読んだことがなかったうえ、「第三の新人」という言葉すら知らなかった私ですが、とても興味深く読むことができました。
全部の短編小説をぜひ読んでみたいと思わせる著者の言葉はすごいなあと素直に感心してしまいました。こんなに面白がって、かつ繊細に小説を読むことができるってすごいな、と。
せっかく活字を読むことがすきなのだから、いろいろな分野に挑戦してみたいなと思いました。いつかこれらの短編もきっと。
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村上春樹がこんな本を出してたなんて今までどうして気がつかなかったのか、もっと早く読んでりゃ良かったってくらい大変ためになりました。
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日本文学って退屈で冗長で眠くなってくるけど、この人の解説と並走すれば面白く感じられる。新しい読書の入口として、価値ある一冊です。
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大学の講義内容だけあって、たいへん良く練り込まれています。
すごい深い読み方をするんですねー。
興味深かったです。
13.03.18
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村上さんらしい口調で、小説の分析がされている。
自分が書く側に回ることがあったら、とても役立つ本のような気がする。
また、幾つか読んでみたい、と思わされた本があった。
7(村上春樹は)自分自身を、基本的に長編小説作家であるとみなしています。
220・・・本の読み方というのは、人の生き方と同じである。・・・
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村上春樹作品をここ数年集中的に読んできたが、初めて面白くないと感じた。原因は明らかだ。「実作者の経験から言うと」という台詞が多すぎて鼻につく、ということ。目立たない小品の、しかも村上自身が言っているように、あまり成功作とも言えないような作品を俎上に載せて、あれこれと論じるのはどうも感心しないし、その創作者の視点自体に危うさが感じられる。文学作品が生まれる過程というのは一様ではなく、一般化することなど到底できないだろう。個人の経験が分析の目を却って曇らせることもある。
とは言っても、やはり面白いところもあった。取り上げた作品を読んでみたい気にさせたのだから。
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おいら「読者」だし。。。完全に実作家の視点から書かれた、「案内」ではなく「論評」。そもそも俎上にあがる第三の新人が好みじゃないし(講談社文藝文庫でたびたび苦汁を舐めさせられた)。村上謹製の自我(ego)と自己(self)による図表も成功してるとは思わない。文章を通して作家の「自我」に迫るという手段が、構造主義を(あくまで)「甘噛みした(笑)」ぼくにはぜんぜん合わん!あ、でもぼくの敬愛する丸谷才一「樹影譚」の章はじっくり読んだ笑。さしたる期待もしてなかったのでまあこんなもんかと。(二つの章は飛ばし読み笑)
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第三の新人と呼ばれる作家たち・・・恥ずかしながら、ほとんど読んだことがなかった。
代表作といわれるものが一作、読んだことがあるかどうか。
『翻訳夜話』を楽しく読んだので、この本も読んでみようという気になったのだが・・・なかなか馴染みのない作家の、しかも初めて聞くような作品ばかりで、びっくりした。
もう少し、本文の引用があるとうれしかったけれど・・・
読んでいくと、どこか、村上ワールドに重なるような何かをもった作品たちなんだな、と思わされた。
特に、達者とされる作家(吉行淳之介や丸谷才一)の中に、ぎこちないなにか、ごつごつしたなにかを感じ取る、こだわりのようなものを感じた。
巻末についている、編集者による読書案内も、丁寧に作られていて、好感が持てた。
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ここで紹介された作家の小説を読みたくなりました。それだけでも、本書の目的は十分に果たしたと言えるでしょう。
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吉行淳之介 『水の畔り』
男と女の子 (集英社文庫) 絶版
吉行淳之介全集 第1巻(新潮社) 絶版
小島信夫 『馬』
アメリカン・スクール(新潮文庫)
安岡章太郎 『ガラスの靴』
質屋の女房 (新潮文庫)
庄野潤三 『静物』
プールサイド小景・静物 (新潮文庫)
丸谷才一 『樹影譚』
樹影譚 (文春文庫)
長谷川四郎 『阿久正の話』
阿久正の話 (講談社文芸文庫) 絶版