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初めての作者読みで、仕事に悩む人々と
おいしい料理の小説と思いながら読み進めて
いたのですが面白い!マカン・マランの主が
ドラッグクイーンまでは本の帯の記載内容
から知って読んでいたのでそこに関しては
驚きはなかったのですが、途中で出てくる
ジャダが重い内容の話の後でもキャラの
おかがでクスクス笑える展開とかもあって
その点がすごく個人的によかった。
ジャダ、良くも悪くも濃いキャラ過ぎる。
悩みを持つ人がお店を訪れその人のその時の
状態に合った食事や飲み物が出てきて
シャールの何気ない言葉に救われていく・・・
その流れの中にいるジャダのスパイス具合が
すごくバランスがよくいい感じでした。
どの話でも悩みのある人の心にそっと
寄り添ってくれるシャールの思いやりや
食事なんかがじんわりと伝わる心温まる
内容で、なかでも「金のお米パン」に
出てくる少年の微妙な年ごろの難しい
思考をまわりがうまく寄り添いながら
折り合っていく話がよかったかな。
終盤はおいおいお店どうなるねんっ!
っと思ったらちゃぁ~んと前々から伏線が
あってきっちりと回収していくところも
すっきりでした。あとはシャールが
どうなるんだろうというのが残りつつも
続刊が出ているのでそちらを楽しみにします。
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苦しくても、不自由で不平等でやってられないと思っても、それでも生きる、そんな人たちへの応援歌、そんな風に受け止めました。
ひとりでお正月を迎えるのは淋しい。その一文は今の私には辛い。考えさせられる。 一泊だけでも帰ろうかな。うーん。
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隠れ家の深夜のカフェでとっておきのマクロビオティック。
生きていくのがしんどい今の世の中で、少しは救いになりそうな本です。
ドラァグクイーンのマスターとその境遇が、他の類似作品と一線を画しています。
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本当に良い本だった。
シャールの言葉、ひとつひとつが胸にじんわりと
あたたかく浸み込んでくる。各章の語り手たちの悩みも共感できる部分が多々あり、読んでいて本当に心地よかった。
「マカン・マラン」こんなお店があったら本当に通いたくなる。
終わり方もとてもよく、シャールたちの幸せを願わずにはいられない自分が不思議だった。
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見つけることができた人だけの、夜の食堂、オアシス。
あたたかく、美味しい食事を、一人とはいえ、あたたかい場所で食べることができるこの店は、読んでいてあたたかい気持ちにさせてくれる。
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古内さん初読み。疲れた人をおいしい料理が癒してくれる物語は他にもたくさんあるけれど、読みやすく他の作品も読んでみたくなった。
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(2016/7/12読了)
古内さんは、多分アンソロジーでは読んだことがあるけど、単独の本は初めてだと思う。
わたしは食いしん坊なので、食べ物を題材にしたは大好き。でも料理は苦手なので、作中の料理人には、羨望と嫉妬を感じてしまう。
おかまちゃんが登場する本も読んでいる方じゃないかな?
読みやすく、優しい気持ちになれる。
こんなお店があったら、私も常連さんになって、シャールさんにたくさん相談してみたい。
(内容)
ある町の路地裏に元超エリートのイケメン、今はドラッグクイーンが営むお店がある。そこには様々な悩みをもつ人が集まってきて?
(目次)
第1話 春のキャセロール
第2話 金のお米パン
第3話 世界で一番女王なサラダ
第4話 大晦日のアドベントスープ
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インドネシア語で「マカン」は夜、「マラン」は食事。即ち夜食のことである。
最近はやってる「夜間にひっそり営業しているカフェでの人間模様を描いた物語」の系譜に属する短編集なんだろうなぁ。実は俺、その手の小説を読むのが今回初めてだったので、マンネリ感やどっかでみた感はなく、結構楽しめた。
経営者をドラッグクイーン、色ものっぽいのかと思いきや決してそうではなく、ジェンダーの問題や性差による職場の問題含めて、エエキャラ設定になっている。ほんで肝心の飲食シーンが、結構美味そうに書けていてなかなか良いなぁ。
山でのスタミナ不足から、ジョギングやクライミングを始めたことで、生活が色々変わりだした。年齢のせいもあるんだろうけど、食事の趣向も随分変わった。野菜が美味いとか出汁がきちんとしていると味の深さが違うとか、そういうことも最近分かってきた。
美味しい食事にありつく一番の秘訣は、一番に美味しくものを食べる体になること、その次に身体が本当に求めているものを食べること。美味しい店を探すより、その方が絶対効果的だと思う。
食べログで星の多い店を食べ歩く時間を減らして、その分、今身体は何を欲しているか?今が旬の食材にそれがないか?その食材をどう調理すれば美味しく食べられるか?
そういうことを調べて工夫する時間にすることが、本当に充実した食生活への正規ルートで、人生の充実へのメジャールートだと、この本にはそういうことがしっかりと書いてある
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夜だけ開店する夜食カフェ「マカン・マラン」が舞台の4編の連作短編集。
自分の境遇とリンクして胸が痛くなるところもあるけど、カフェを訪れる客と同じようにどんどん心が軽くなって、ささくれだった気持ちが柔らかくなっていく気がする。
美味しい食事と会話でお腹も心も満たしてくれる素敵な場所。胸に響く言葉がたくさん。これからもあり続けてほしい。
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夜中に開く夜食カフェ。オカマの店主と店に来る客達の話し。パターンだけど楽しめた。 2016.1.14
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マカン・マランは、夜食って意味なんだそう。とても体によくて美味しそうな料理が出てくる。弱っているときには、たまらんな。続きが読みたい!
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数日熱が出て下がらない、というのは、私にとって日常なのだが、それにしてもだるく、苦しい。そんな時に読んだ。本棚にしまってある数冊は、疲れて読めずに図書館に返してもらい、若干延滞しているのはわかっていて、吸い寄せられるように読み始め…。半日かからないで読み終えた。今夜家族にすぐ返しに行ってもらう。次に待っている予約者の方も、同じにぐったりしていたら、この本が助けになるかもしれないから。
ドラッグ・クイーンのシャールは、トランスジェンダー。ドレスなどを商う傍ら夜食のカフェを開いている。
身体と心をみたす,ナチュラルで温かい食事。それをゆったり語り合いながら摂ることで癒やされていく。
そこに集う人は、真面目に生きているのに、なんとなく頭打ちになったり、苦しんでいる人たち。自殺するほどではない、この程度のことでは死ねない。でも、明日も今日もこのまま暮らすのは苦しい人達。
男女どちらの立場で読んでも、「ああ、分かるこういうこと」…って思う悩み。
それを癒やしてくれる場所や他人に、思わず人は縋る。でも、実はシャール自身が、誰よりも、重い病と、マイノリティーとしての悲しみを引き受けている。
シャールを癒やすのは、では誰なのか。
それは、自分自身なのだと、私は思う。人を癒やすことに、シャールが縋っていなくて、自分の事は自分で引き受けているから、このお話は潔いし、暗くない。
明快で取ってつけた爽快感はないけれど、潔い。どこか向こうの方に白い光が見えるような。
マカン・マランの店内は暗く、良い香りに満ちて、人はそこで休むけれど…そこから出て白昼歩む時の店の外の光は目に痛い。けれど、自分の日常をなんとかこなした時眼裏に見る光は、純白で、きっと優しい。
そんなことを思わせる。疲れも苦しみも、読み終わると溶けるようで。良い小説だった。
そして本を閉じて、こんなものが食べたいな。ここに行きたいな、と思って、レビューを拝見し…。私は、しばしふと考えた。
出てくる料理にお腹がぽわっと温まる思いがするし、シャールに確かに癒やされるけれど…。それにばかり目が行くけれど。この話はそれだけの話かな。
自分のために身体に優しい料理を作り、自分の悲しみは自分が引き受ける。そして…どうしても捨てたくないことは自分にしかわからないから、大事にする。他人の大事なことも、自分にはわからないから大事にする。
それができたら。
あれもこれも与えられなきゃ嫌だ、と言わずに、捨てるものを捨てて、持てるものだけしっかり持つ。
今日生きられたのだから、明日も。
そう自分に声をかけて。
誰かの期待する未来より、残された自分の望みに素直になって、折り合いをつけて暮らせば、自分の家も、マカン・マランになるのだ。
誰かがシャールのように毒抜きをやってくれたらと思うから、あの場所をみんな慕うけど…。自分で出来るようにならなきゃ、きっとみんなただここで腐るだけ。
自分で自分は癒せる。もしかしたら他人様も…。無論、他��方からも力をもらっている。その力を目覚めさせるのが、このカフェの底力ではないか。コンビニ飯や外食で身体に毒を貯め。『こうでなくては。保証がほしい。』という見えない鎖で心に毒を貯め…。
それでは苦しすぎる。
今日、あなたが生きて暮らせている。
それだけで大丈夫。まず、そこから。
自分のために、さあ、優しく一杯のお茶をどうぞ。
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読みたいなーと思っていても中々購入に至らなかったのですが、やっと読めました。
シャールさんやマカンマランと関わっている人達のさまざまな言葉と行動で、それを受け入れた人の少しの変化を感じました。そしてその先に小さな光を一緒にみて進もうとしている錯覚を感じ、読んだ後に、毛布で包まれているような幸せを感じました。
次も読みます。
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初古内作品。
こなしているだけの日常にちょっとしたスパイス。
食は疎かにしていないけれど、心と体のバランスがうまく取れるような、ちょっとした工夫ができるようになれたらいいな。
多分。いまちょっと足りていない心の余裕を持てることが先決かな。
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1話目なんかあんまり好きじゃない感じなんだけど、ときどきいいこと言ってる。2話目の金のお米パンが好きかな。さいごはちょっとかなしい感じでした。