紙の本
9.11から3.11へと繋ぐ
2021/09/04 13:44
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
19歳でアメリカ同時多発テロ、29歳で東日本大震災… 著者と同じ1982年生まれなので共感できます。ジミ・ヘンドリックスが偶然にも生み出した、ノイズのような物語でした。
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記憶というものの曖昧さをとことん追求した小説。昔のことやら何やらを思い出すときのあの何とも言えないぼやけた感じ、どことなく手探りの感じが、本当にうまく文章で表現されていると思った。
思い出す、という行為を扱う以上、時系列が現在へ過去へ行ったり来たりするのだけれど、そういう実験小説にありがちな読み辛さはあまりなかったように思う。所々のエピソード(ジミヘンに憧れた主人公がとにかくギターを燃やしまくるとか!)が妙に人間臭くて笑えるからかな。
過去から跳ね返ってくるのは、私がつくった過去ばかりで、そこにあったはずの私の知らないものたちは、過去に埋もれたままこちらに姿を見せない。思い出されるのは知っていることばかりで、思い出せば出すほど、記憶は硬く小さくなっていく。(109ページ)
エピソードの合間、要所要所でこういう記憶の性質を語るような文章が挟まれる度、はっとさせられた。謎のウクレレ男が現れて、雨だというのに焚火をするのだと言う、狐につままれたようなラストも最高。
芥川賞の選考会でも推す声があったらしく、受賞を逃したことが悔まれる。宮本輝は選評で、作中のバイク事故について「過去への追憶ではなく、現在に起こるなにかによって書いて欲しかった。(…)追憶でつないだことで凡庸になった気がして推せなかった。」と書いていたけれども、追憶でつなぐという業こそが素晴らしいんじゃないか、と思った。
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この小説は基本的に主人公の回想なのだが、過去の様々な場面が時間軸に関係なく思い出され、そこに主人公のあらゆる思考が絡まっていく。今自分が読んでいるのはどこなのか、今どこで何をしているのか、主人公が今いるのはどこなのか、あっという間に分からなくなってしまう。すごく実験的で、かなり人を選ぶ小説だなという気がした。
私はそれなりに面白がって読んではいたが、読み終えた今でも、なんだかよく分からないままである。なんだかよく分からないけど、過去を振り返るというときに、この本を読んだ体験を思い出すかもしれないと思った。
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読み進めながらする脱線がここち良い本。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12080524341.html
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経験したこと、事実はあってもその記憶、時間は確実に見えて実は曖昧なもの。確かなのは自分の身体、痛みだけなのだろうなと思う。
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短編だから良かった。タイトルに期待して読んだけれど、長編だったらすごい時間の無駄だったし苦痛だったと思う。
この小説がすごい高い評価を得た作品だなんて…すんません
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タイトルに惹かれて読んでみたが大失敗。全く付いていけませんでした。第153回芥川賞受賞候補だったとのこと。何が評価されてるのかさっぱり分かりません。
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初めてジミ・ヘンドリックスを聴いた時の何とも言えない感覚を思い出しながら読んだ
ピークは6章までだった
後半は訳がわからなかった
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どことなく太宰治に似たところがあるように思いました。一人称の長い独白、若さ特有の心情、深い部分への疑問。そういうところが太宰を思い出させました。
人間の記憶の曖昧さについて、他者との関わりというものについて、思いというものについて、五感というものについて。
小説の時代は現代であっても主題は時代を問わないもので、けれども書き方は斬新さがあって、新しい小説だと思います。
まだ若い作家さん(1982年生まれ)なのに本当にすごいと思います。
要らないなぁと思う部分も多々あったけれど、それでもとても良い作品だと思いました。他の作品も読んでみたいと思いました。
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曖昧な過去は、自分の記憶で歪められ、時間軸も前後し、退屈な日常を蝕む。更に、空想も入り…認知の不確かさが、面白かった。若い頃の記憶、その情熱のどうしようもない感じを、良く表していた。ゆらゆらとたゆたう…文体。
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高校から大学時代あたりを曖昧に思い出していく。
何が面白いのかよく解らないが、つまらないわけではなく、面白いのであった。
ドキドキ、ワクワクするような話ではない。
昔を思い出してあの時こうだったよなぁと思うのである。
それは後悔でも、過去の栄光を懐かしむでもない。
一人称で書かれており、主人公と同化しつつゆくのである。
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昨年発売された「寝相」はちょっとした話題となり、ぜひとも読みたいと思っていた作家の一人。本作は芥川賞候補になった作品。
高校生の時に出会った美術教師房子との恋愛めいた希薄な関係を回想していく手法で、心のうちの変化を描いている。
タイトルであるジミ・ヘンドリクスのパフォーマンスを有効に用い、激しい炎となって灰になっていく様は見事。
全体的にも軽すぎず重すぎずでちょうどよく、文体もリズム感があって読みやすい作品でした。
「寝相」に加え、「愛と人生」も読みたくなりました。
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高校時代に影響された美術教師の房子の思い出を原付で旅しながらふりかえる。
秋の東北は野宿できないとかとくに感想もない。
エレキギターを壊しまくってるやついるけど、なんなのかな。気分悪いしやめてほしい。
ジミヘンが好きな人なら理解できるのかな?
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なんか不思議な話。
だけど、一気に読んじゃった。
読みやすかったのかな。
結局何が言いたかったんだろう。
こういう話が賞にむいているのかしら。
生きてるって事なのかしら。
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気になっていたものの手を伸ばせずにいたところを芥川賞受賞と同時に読了。受賞作よりこちらの方が好きだった。ふわふわとつかみどころのないような不思議な文章で、時間の感覚が綺麗にほぐされていき、むき出しの感覚があらわになるような印象を受ける。最後まで読み切った時の爽やかな読後感が印象的だった。