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ホームズがその宿敵モリアーティ教授と滝壷に落ちたあと、作者コナン・ドイルがファンの熱烈な要望から約10年の沈黙を経てホームズを復活させた後期短編集。
円熟した筆で送られるホームズ集。物語としてさらに上手い、秀逸な出来の作品が多くなっている。「美しき自転車乗り」「六つのナポレオン」「第二の汚点」は特に傑作。また訳もすばらしい。訳者もシャーロッキアンのようなので翻訳が良いのには納得。シャーロック・ホームズシリーズは少年文庫などに何篇か入っているためどうも子供向けのようなイメージが先走りするが、なかなかどうして。十分すぎるほど読むに値する推理小説である。
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『空家の冒険』
『踊る人形』
『美しき自転車乗り』
『プライオリ学校』
『黒ピーター』
『犯人は二人』
『六つのナポレオン』
『金縁の鼻眼鏡』
『アベ農園』
『第二の汚点』
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ちょうど映画の公開と同時期に読了。
原作は小学校の時にシリーズを夢中で読んだこともあり、
懐かしくて一気に読めました!
一切欲がなくてひょうひょうとしているホームズと、
医者っぽくかたい発想しかできないワトソンの二人のコンビが好きですw
余談ですが原作ではホームズが好きだけど
映画ではワトソン(ジュード・ロウ)がカッコよすぎなのでどちらもごらんくださいw
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ずいぶん犯人に同情したりして見逃したりするシーンが多くて、単なる推理小説と違ったハッピーエンドが目につきました。
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初期の作品と比べて幾分ミステリ色の強いものになっている感じがする。中でも、個人的には「六つのナポレオン」が印象深かった。
また、「アベ農園」「第二の汚点」のような、ホームズのたまにみせる人間味溢れる一面も、単なる仕事人にとどまらない彼の正義感が伝わり、物語に花を添えている。
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死んだと思われていたホームズが戻ってくる「空家の冒険」をはじめ、「美しき自転車乗り」や「六つのナポレオン」、「金縁の鼻眼鏡」など、鋭利な推理はもちろんのこと、人情味溢れる解決にも注目だね。
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シャーロックホームズは、1冊づつ、別の本として読んでいる。
そのため、どの話と、この話が矛盾しているという議論には興味がない。
1作づつ、単独で楽しめればよい。
ホームズが復活したのは、話がたくさん読めるので嬉しい。
今のように、コンピュータでデータ管理をしているわけではないし、
データ管理して物語を作ってもらっても嬉しくないかもしれない。
その時々の、ホームズとワトソンの振舞いが面白い。
1作づつ、別々に読む、読み方をお勧めしたい。
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祝!ホームズ帰還!!なので星5つ。『最後の事件』から8年後に書かれたホームズ短編集第3弾。内容的には(多くの方がおっしゃるように)全体的に小粒気味。『空家の冒険』よぼよぼの老人が不作法を詫びにきた、と思ったら早変わりで変装を解いてホームズが顔を現しビックリ!!そりゃワトソンも気絶するよね(まったくひどい友達だ!)。新たな冒険に際しワトソンの感慨にふける心模様「私は昔と全く同じに、ポケットに拳銃、胸には高鳴る期待を抱いて、ホームズと並んで…」ってところがいいねぇ。ホームズも相変わらず「彼の無愛想さ…3年たっても少しも緩和されてなかった」。このほかにも面白迷言満載。「このちょこざいな悪魔めがッ!」「Mの部は秀逸ぞろいだな」。『ノーウッドの建築士』ホームズ帰還数か月後の話。医院を引き払ったワトソン同居…って奥さんはどうしたっ?!隠退建築士殺害の容疑者と目される若手弁護士が潔白を主張。不利な証拠ばかりでレストレード警部に嘲笑われ、警察相手に初の黒星か?と思わせて…。建築家ならでは犯行。ダメ押しの指紋がアダに。犯人の執念深さに呆れた。『踊る人形』ワトソン評「立派な男だ。これこそ生粋のイギリス男児」というキュビット氏の相談は人形の悪戯書きに妻が怯えていること。ホームズの暗号解読も間に合わず。妻を想う夫、過去を打ち明けられない妻、女を忘れられない訪問者、三者三様の事情が招いた悲劇。『美しき自転車乗り』遺産狙いと女狙い、しょうもない男たちが活発な女性を追いまわす。自転車で追われていたスミス嬢が、不意にくるりと180度向きをかえ、追ってきた男に向かって一気に突進する場面が目にまざまざと浮かんで面白い。『プライオリ学校』しょっぱな、ホームズの部屋に入った途端にバッタリ倒れるという喜劇的な登場をした学校長(笑)。でも事件は陰湿。寄宿舎から出た生徒を連れ戻しに行った教師の末路が憐れ。なのでホームズの「人が一つの犯罪に関係した以上は、それによって派生する他のあらゆる犯罪にも徳義上責任がある」とのことばに納得。『黒ピーター』肉屋で吊るした豚(肉)に向かって夢中で銛を突き刺すホームズ…おつかれさん〜。『犯人は二人』恐喝常習犯とホームズの対決か、と思わせて意外な展開。「我ながら有力な犯罪者になれると思ってた」というホームズは最上最新の泥棒道具を揃えてやる気満々!着いて行ったものの、予想通り足手まといになるワトソン。危なかったね〜。『六つのナポレオン』ホームズお得意の真相披露シーン。今回は最後の胸像をテーブルに置き、愛用の鞭で英雄ナポレオンの頭上にガンッと一撃。『三人の学生』大学町に住んでた時の話。奨学金試験前に問題用紙を何者かに見られたという教師からの相談。ホームズにとっては文字通り朝飯前の事件解決。後味のいい結末。『金縁の鼻眼鏡』有名な一編。教授の秘書殺害に関し、メイドとやすやすと打ち解けるホームズ。イギリス人ってホント賭けが好きなんだなぁ。事件は悲しい結末に。『スリー・クォーターの失踪』ケンブリッジ・トリニティカレッジのラグビーチーム選手が試合前に失踪したと相談。蒸発か誘拐か事件に巻き込まれたのか、見当がつかないまま捜査を進める二人。発信機代わりに馬車��アニシード(アニスシード?)をつけ犬とともに唯一の手掛かりを持つ医者の後を追う。ラストの痛々しさ、悲しさが印象的。『アベ農場』冬の朝(お約束の)ホームズに無理やり起こされ外出(毎度のことながらひどい同居人です)。今回特にホームズは警察側と被害者側に細かな気遣いを見せるところがポイント。警察にヒントは出しつつも、真相は自分だけで解明。結果、ホームズの部屋内で犯人(被告)とワトソン(陪審員)、ホームズ(判事)の仮想裁判にて「無罪放免」。『第二の汚点』しぶしぶ書いた割には面白かった。初めて題名を見たときは「第二の汚点」ってホームズの失敗談だと思ってたので。最後、どうやって機密文書を取り戻したかの首相の質問に「私たちにも外交上の秘密がありましてね」というセリフが利いている。何度も読んだから新鮮な驚きはないけど、お馴染み・お約束の場面はやっぱり嬉しい。枕もとにホームズが立っていて無理やり起こしたり、ワトソンの事件記録を痛烈に批判したり(選択眼があるだけまし、だなんて酷い)。いろいろ穴が見えて、もはや推理小説としての評価はできなくなっているから、こんな楽しみ方もいいかな。※2,9,11話は叡智から貼り付け(2009年1月ホームズ再読月間)
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名探偵復活を祝う三番目の短編集
「シャーロック・ホームズの思い出」に続く三番目の短編集。
次は初期三部作の最後であり、ホームズ最初の短編集「シャーロック・ホームズ冒険」を読みたいな。
なんか順序が逆なんだが、懐かしさという意味で実は最初の短編集に一番期待しているんだよね。
そして今回の作品は以下の通り。
そして今回の作品は以下の通り。
空家の冒険
ホームズ復活の巻。蝋人形で影絵を作り犯人を捕まえるってのが記憶に残っているなぁ。
躍る人形
暗号ものだが、インパクトは少ないなぁ。
美しき自転車乗り
酔っぱらった電車の中で読んだからか記憶が薄い。
プライオリ学校
酔っぱらった電車の中で読んだからか記憶が薄い(その2)。
黒ピータ
ホームズものでよく出てくる船乗り関連の話。これって船乗りのイメージがつかめていないとさっぱり理解できないよね。
犯人は二人
これは非常におもしろかった。こんな結末のホームズものを読んだ覚えがなかったので、いい意味
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ワトソン博士という常識人から見た、ホームズという超人の活躍を紹介した作品。なお、ホームズはホント推理が好きでしょうがない、ということもよく分かって、それも面白い。
個々の作品がそれぞれ独立していて、どれから読んでも楽しめることも魅力だけど、ワトソン博士だからこそ語ることの出来る、ホームズが時折見せる人間味あふれる部分が、また素晴らしい。特に『六つのナポレオン』の最後のシーンは、「ああ、ホームズも一人の人間なんだなあ」と思わされる。
他にも、問題解決を力任せにしようとする場面や、加害者側の事情をくんだ判断など、ワトソン博士のおかげで、単なる推理小説を超えた楽しみ方が出来た。
ホームズのかっこよさと人間味、それと、事件を楽しみすぎじゃね?といういろいろな感情を楽しめてお勧め!
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「空家の冒険」
ホームズが復活する回。モリアーティ教授の腹心の部下であるセバスチァン・モラン大佐が逮捕される回。モラン大佐が逮捕されるのは意外だった。また、ホームズが「最後の事件」において執拗までに周りを警戒していたのが今回の複線であることに感心した。
「踊る人形」
踊る人形が暗号になっているのは知っていたが、全部の文字がないのが残念すぎる。ネットなどで埋まっていない文字を自身で創作しているのは面白かった。
「黒ピーター」
ホームズが、後輩(?)に事件を通して教えを説く回。後輩に教えを説くようすが格好良かった。
「犯人は二人」
ホームズが、犯人を検挙するために犯罪行為をしようと決意する回。自身でも言っていたが、優秀な探偵であるほど、優秀な犯罪者になれる素質があるのであろう。
「六つのナポレオン」
一見、心神喪失の精神病を患っている人が犯人と見せかけての、窃盗犯罪。
「美しき自転車乗り」・「プライオリ学校」・「金縁の鼻眼鏡」・「アベ農園」
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ホームズの第三短編集。
滝壷に転落したはずのホームズが帰ってくる「空家の冒険」、
暗号モノの傑作「踊る人形」など収録。
この他にも、「プライオリ学校」、「金縁の鼻眼鏡」、
「アベ農園」、「第二の汚点」などなど、
非常に魅力的なプロットを持った傑作がずらり。
「帰還」以前に発表された作品群よりも、
小説としての面白さが格段にアップしている印象。
まさに、これぞ珠玉の短編集。
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“私はそういわれたので、うしろのたなを振りかえったが、顔をもとへもどしてみると、そこにシャーロック・ホームズが、テーブルをへだてて、微笑をふくんで立っているのである。思わず腰を浮かして、数秒間は呆然とその顔を見つめていたまでは覚えているが、そのまま気絶してしまったものらしい。臍の緒きって初めてでもあり、おそらく二度とこんなことはやるまい。眼のまえがぼうっとしたと思ったらそれきりで、気がついた時はカラーの前がひらいており、唇にはブランディの刺すような後味が残っていた。ホームズがフラスコを片手に、いすのうえから私をのぞきこんでいる。
「ワトスン君、気がついたね。いや、まったくすまなかったよ。こうまで感動するとは思わないもんだから……」聞きなれたホームズの声である。
私は思わず彼の腕をしっかりつかんだ。
「ホームズ君!ほんとにホームズ君かい?まさか、君が生きていようとは!いったいどうしたら、あの恐ろしい深淵からはいあがれたんだい?」
「待ちたまえ。いま話をして、大丈夫かい?劇的に姿を現わすなんて、僕が余計なことをしたもんだから、すっかり驚かしちまった」
「もう大丈夫だ。それよりも僕は、自分の目を疑いたくなるよ。人もあろうに、君がこの書斎に現われるなんて!」
私はもう一度彼の腕にさわってみた。細いが筋ばった彼の腕が服の下に感じられた。
「やっぱり幽霊じゃないんだね。君が帰ってきたなんて、僕は狂喜するばかりうれしいよ。まア掛けないか。そしてあんな恐ろしい断崖から落ちて、どうやって生きかえれたのか、そいつを聞かせてくれたまえ」”[P.15]
「空家の冒険」
「踊る人形」
「美しき自転車乗り」
「プライオリ学校」
「黒ピーター」
「犯人は二人」
「六つのナポレオン」
「金縁の鼻眼鏡」
「アベ農園」
「第二の汚点」
“「わかったよ。じゃそういうことにしよう。何年も一つ部屋で暮らしてきたんだから、同じ監房ではてるのも一興だろう。君だからいうけれど、僕はこれまでわれながらきわめて有力な犯罪者にもなれると思っていた。こんどは生まれて初めてそいつを実践する機会にめぐまれたわけだ。これを見たまえ」と彼は引出しから小さくきちんとした皮のケースをとりだし、二つにひらいて、ぴかぴか光る道具をたくさんひろげてみせた。「こいつは最上等で最新のどろぼう用具だよ。ニッケル・メッキの金梃、さきにダイヤをつけたガラス切り、万能合いかぎ、そのほか文化の進展に歩調をあわせた近代的道具類がそろっている。こっちに角灯もある。あらゆるものが整備されているんだ。君はゴム底の靴をもってるかい?」
「テニスぐつがゴム底になっている」
「それでいい。覆面はどうだい?」
「黒絹でわけなく君のもこしらえられるよ」
「生まれつきそういう方面には才能があるようだね、君は。ちょうどいいから、じゃマスクをこしらえてくれたまえ。出かけるまえに何か冷たいものでも食べることにしよう。いま九時半だが、十一時になったらチャーチ街まで馬車でゆくことにする。そこからアプルドア・タワーズまで歩いて十五分くらいだ。十���時まえには仕事にかかれる。ミルヴァートンはぐっすり眠る男で、毎晩きまって十時半には床につく。うまくいったら二時には、エヴァ嬢の手紙をポケットにして、ここへ帰ってこられるだろう」”[P.254]
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★再読。ホームズ第三短編集。
やはりホームズ復活の『空家の冒険』
あの暗号『踊る人形』
女性は大変だね『美しき自転車乗り』
また自転車か『プライオリ学校』
あんまり覚えてなかった『黒ピーター』
タイトルが秀逸『犯人は二人』
有名だよね『六つのナポレオン』
また隠れてた『金縁の鼻眼鏡』
昔はタイトルの意味がわからなかった『アベ農園』
また手紙か『第二の汚点』
ほんと、『犯人は二人』は名タイトルだと思います。これで新潮社版を選びます。
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さぁこれはぼくらのマレンゴの戦いだ。
敗北に始まるが、勝利に終わる。
人間が考案したものなら、必ず人間が解けるものだ。
(空き家の冒険/ノーウッドの建築業者/踊る人形/美しき自転車乗り/プライアリ・スクール/ブラック・ピーター/恐喝王ミルヴァートン/六つのナポレオン像/三人の学生/金縁の鼻眼鏡/スリー・クウォーターの失踪/アビィ屋敷/第二のしみ)