日本の山岳信仰を包括的に捉えて、考察した画期的な一冊です!
2020/03/21 10:34
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、私たちが山に向かって手を合わせたり、神仏などが山に住んでいるという思想の根本である日本の山岳信仰、いわゆる霊山信仰について、東アジアの信仰という全体的な位置付けの中で考え、その特徴や信仰の内容などを、人々の生活と関連付けて捉えようとした我が国でも初の画期的な一冊です。同書では、「第1章 日本人の生活にとっての山」、「第2章 山岳信仰の諸相」、「第3章 森の信仰」、「第4章 山岳信仰の歴史」、「第5章 各地の主要霊山」、「第6章 聖地としての山岳」、「第7章 山の神格」、 「第八8章 山の宗教者と動物・異人」、「第9章 山のまつりと修行」、「第10章 山から里へ」という構成で、分かりやすく解説されています。まさに日本の山岳信仰を纏めた価値ある書です!
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第1章 日本人の生活にとっての山
第2章 山岳信仰の諸相
第3章 森の信仰
第4章 山岳信仰の歴史
第5章 各地の主要霊山
第6章 聖地としての山岳
第7章 山の神格
第8章 山の宗教者と動物・異人
第9章 山のまつりと修行
第10章 山から里へ
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日本の宗教は、山や森の信仰がもとになって来た。日本での山岳信仰の姿を霊山の特徴や儀礼などを人々の生活と結びつけて考えて見ていくのが今回の本だ。
日本人にとって山は、山菜、鉱物資源などを恵んでもらえるありがたい場所であるとともに、生活を脅かす獣、妖怪、鬼のいる怖いところでもあった。
霊山の信仰内容について次の7つに分類している。
1.水の信仰 145(竜127、弁財天18)
2.火の信仰 137(愛宕115、秋葉22)
3.来世の信仰 67(虚空蔵34、地蔵24、阿弥陀9)
4.現世利益 78(観音57、大黒21)
5.除魔 41(不動20、荒神16、毘沙門5)
6. 御霊神66 (天神49、牛頭12、祇園5)
7.修行者の感得179 (権現107、明神67、蔵王5)
意識したことはなかったが、霊山に求めるものは様々だな。
現在では、霊山にケーブルカーで乗って参拝したり、バスに乗って参拝したりできるようになり、昔とは違った形になっている。
とは言っても、神様に祈りを捧げるのは今も昔もかわらない。
東京には行基が開基したと言われる武州御岳がある。中世は修験道場だったが、近世になると世尊寺が中心となり、運営にあたった。埼玉にある三峰山と同じく眷属の狼信仰で、関東近辺に信者を増やした。明治の神仏分離以降は、武蔵御嶽神社となって今に至る。
ペットの犬を連れて参拝に訪れる人々がいる。時代の変化に対応して生き残っている。
これから霊山がどのようになっていくのか興味がある。