紙の本
三千寵愛在一身シリーズの第2巻登場!
2015/09/29 14:22
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投稿者:タンスの角に薬指 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻のラスト付近でちょっとだけで出てきた登場人物、蓮姫が主人公のお話。紙と墨を湯水のように使って物語が書け、実家より豪華な食事、温かい寝床、着心地のいい衣服が着れる後宮はまさに仙界。王に目をつけられない限り妃たちの寵愛争いとも無縁で平穏に暮らせる。だから誰にも嫁ぎたくない、後宮にずっといたいという主人公。
そんな彼女にも恋の季節が訪れたのでした、というお話です。
2巻目も面白いです、このシリーズ。
ところで、この後宮にいて趣味に暮らしたいという人物像は同じコバルト文庫の「贅沢な身の上」シリーズの主人公、花蓮と同じです。
「贅沢な身の上」の初出は雑誌コバルトの2010年11月号(10月発売)でした。
「三千寵愛在一身」の第一巻の発売は2010年10月でした。
つまり殆ど同時期に別々の作家さんが奇しくも中華風後宮もの小説を書き、その中で似たような人物を書いていた事になります。
殆ど同時期に出た「贅沢な身の上」とこの「三千寵愛在一身」。そこに出て来る花蓮と蓮姫のお話を読み比べるのもまた面白いかと思います。
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三千寵愛在一身の続編ということですが、主人公が変わっていて、前巻の最後で、物語を書くための墨や紙を使い放題したいからと宮中に残った蓮姫と、隣国の公子である星流のお話になっています。
舞台は峻の国で理鷲も桜霞もいますが、あんまり出てこなくて残念。(それでも出て来たときは、理鷲が桜霞のお尻にしかれっぱなしになっているだけでなく、丞相や礼月にもやられっぱなしになってしまっているのがよく分かりましたけど。)
今回の二人は、ツンデレでした。特に蓮姫の方は、恋愛は物語の中だけで、現実の恋愛には興味がないと、最初は星流への態度もかなり失礼な態度でしたけど、最後には星流への愛に気付くといった感じでした。
途中でやっぱり事件が起こりますが、この犯人はすぐ分かりました。星流に濡れ衣を着せようとしますが、やり過ぎて失敗してます。また、この事件が解決したあとの展開は私的には予想外でしたが、最後の終わり方は違和感は感じませんでした。
これは、シリーズ化するのでしょうか?
ちょっと気になります。
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あれからすぐ、の『その後』では、物語創作大好き少女が主人公。
考えていた物語の出足? をそのまま己が体験してます(笑)
そんな事でしょうとも、という内容の持って行き方でしたが
むしろここにきて?! という状態が最後にきたため
次巻に続く、かと思いきや、ちゃんと1冊で終了。
その点ではありがたいものがありました。
ものすごく気になっているのは、彼女の父親。
結局娘のためを思って、の事だったのか
それとも己のためだったのか。
はたまた後妻に何か言われたのか。
言葉は大切です。
人でなし、とか言われそうですが、いっそ暴挙に走って
違う人と結婚してたら…それはまたそれで面白そうなw
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P166 五 雨降らす花「砂漠のように茫洋と続く人生に、恵みの雨を降らせてくれる人だから。僕の故郷では愛しい女人を『雨降らす花』と呼ぶんだよ」
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「どうか、君のこれからの人生が、光に満ちたものであるように」
内容紹介です。
峻国で女官をしている鹿蓮姫。彼女は居心地の良い後宮で、日々、物語を書くなどして気ままに暮らしていた。そんなある日、物語を書いているところに、異国の青年が現れる。星流と名乗る金髪の青年は、訝しむ蓮姫をよそに、峻の文化についてあれこれと尋ねてくるように。後に、彼は水章国という小国の王子だと知るが、彼の故郷を想う気持ちに心を打たれ、蓮姫は強く惹かれるようになり…!?
と、いうことで。シリーズ二作目です。
前作の終わりを引き継いでのお話。
このお話って主人公の二人が相思相愛になるまでのお話なんですけども、個人的にはそっからが大変なんじゃないのかなっと思います。
相思相愛になってから、水章国に認められるまでの方が、お話になるような気がしたんですけども、いかがでしょう?
いや、だって蓮姫って高官の娘とかじゃないですよね?
どっちかというと、あんまり身分高くないですよね?
そんな子が小国といえども、一国の王妃になるのって無理あり過ぎでしょう。
もちろん、物語としては成り上がり者としてあり、ですけれど、成り上がる過程、きちんと描いて頂かないと。
が、理鷲(前作のヒーロー。が、漢字が違うような気がする)の非道というか、自分勝手さ満載でした。
このお話で彼の冷酷っぷりが理解出来ました(前作ではただのヘタレのダメ男だったんだもん)
もう一度いうが、小国といえども一国の王子の結婚相手を勝手に決めるな!
自分が大国だから、絶対に従うって?
なんつー横暴っぷり。
そしてそれをすんなり受け入れそうになる星流。
あなた、本当に王族ですか?
私、王族なんてものにはなったことありませんが(そりゃそうだ)それじゃ駄目だろうってことぐらいは想像つきますぜ?
物語にあまりリアリティは求めない方ではあるんですが、あまりに突拍子もないと読んでて困っちゃいます。
既存概念を利用するなら、それなりに沿うようにしていただきたいなぁ。
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砂漠の国にとっては、素晴らしい女性は「雨降らす花」なのだ。異国の王の息子が、大国の後宮の女官に惹かれるが、女官の方は趣味の筆で物語を書くことに夢中で、イケメンの王子にも関心がないし、つんけんする。うおー、はるおかりのの黄金のパターンだ。王子に対する陰謀や王子の国の内乱などを乗り越えて、結局二人は結ばれるのでした。めでたしめでたし。初期の作品から、物語の基本形は変わらないなあ。