紙の本
大切な人を失った人に捧げる光と救いの小説です!
2018/12/21 10:09
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人生というものを静謐なタッチで鋭く描く白石一文氏の作品です。内容は、大手食品メーカーに勤める主人公の芹沢は一見順風満帆の人生を歩んでいるように見えますが、実は3歳の時に命を落とした妹を悲しみ、結婚もできないでいる人物です。そうした状況の中、元の女性部下に偶然会い、徐々に心を惹かれていくのですが、その出会いは実はその女性の策略だったのです。一体、芹沢はどうなっていくのでしょうか。ぜひ、大切な人を失ったことのある方には読んでいただきたい一冊です。
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白石一文の作品で久しぶりに良かったなと思える作品に出会えた。帯に書いてある、『共鳴しないはずがない』はまさにその通りだった。芹澤が元部下である、鴫原珠美と再会し、身体の関係をもった事によって世界が一変する。最終的にはこの人たち、共依存だなと思いはしたがそこが良かった点でもある気がする。性的描写が皆無に等しい作品だったので、共鳴?共感?が出来たのかもしれない。
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夫と別れたくない女によるハニートラップで仕事をやめた初老の独身男。しかし金には困ってないので気ままに暮らす。
結局その女とは友人になり、女も夫と別れる。
うわべだけのトラブルが目について、最終的にはなにやら都合の良い展開ばかり。
男の幻想っぽく感じられた。あるいは金を持つ男に美人が寄ってくるのは世の常なのか。
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大企業の常務だったが不祥事の責任を取る形で退職。同級生の病死や飛行機事故で死にかけたりなど周辺のさまざまな生死のありようにふれ、生き方を問い直す。
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主人公の生活があまりに自分とかけ離れていたので、主人公の気持ちに寄り添うことができなかった。
出世より家族を取った人の気持ちはそうだよなぁと思える。
先が見えてくると、大事なものを再認識できる。
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人生も後半に差し掛かるとあれこれと生きるということを考えなければならないのだな、という内容。
独身で一流会社の専務となったが、部下の不祥事をきっかけとして望んで退職。
生きるということは社会的に会社役員にしがみつくわけではないと悟ったり、がんで親友を失ったり、かつての女性たちをつらつらと思い出したり、唇をやけどしたり・・・
時には滑稽で、時には哀しく些末なことの繰り返しなのだ。
子どもを持たずに子供の気持ちのままで(?)大人として生きてきた男。題名にある「私」はどういった括りでの「私」なのか。
私なのかもしれない。ふと哲学的になってしまう。
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大人の話だと思った.例によって稚拙な感想しか書けないけどw
人に依存しないけど適度に手助けしたいってなほんとそう.妻子が(仕事の)足かせになるってのはどうなんでしょ.僕にはわかりません.
この人の小説はとある理由があってつい期待してしまうんだよな.
でもしばらくいいかな.
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男型の方の白石一文。
人がひとりでいるのは善くない。という、有名なあのフレーズを思い浮かべましたよ。
「産めよ殖えよ」の一方で、(神である)キリストが妻帯を否定していたではないか、という言説は新鮮で興味深かった。
私たちにどう生きよ、と言うのか。
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日本で幸せとされている形(家族)からはみ出ているけど、どこか幸せになれる可能性が残っていてソコが良かった。
白石さんの話って、酷い話でもさらっと読める部分もあるけど感想書くの難しい。透明って言葉があう作風。
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子供と結婚に意味をもてない男が,元部下で策略から関係を持ってしまい脅迫されるという事態になって,会社を辞めるが,そこから新しい世界が開けるという,再生の物語.白石氏らしく上品な大人の恋愛.
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二週間くらい前に読んだんだけどもう忘れてる。。。
面白く読んだはずだったんだけど、
インパクトは無かったみたい。
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仕事にも結婚にも無関心な男性が不倫を仕掛けられて自ら無色になり、毎日どうしようかなあとぼーっとする話。よくわからん。最後はなんか希望があった。
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文章は洗練されていてここち良いのですが、辞任して美人と高級バーいったり、新しい家を買うとか脚本のスクールに通うつもりだったり、どんだけの人が彼に共感できるでしょうかね。
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似たような名前の兄妹。
これだとお互いに思い入れがありすぎて生きにくい気がする。小さい時に妹を亡くしているから、さらに気になる存在ではあるのだろうけれど。
自分のことを呼ばれても、同時に相手のことまで思い出してしまうようなそんな鬱陶しい関係でなくて良かったよ、あたしは。
それにしても、事情があって仕事を辞めても、その後の身の振り方に慌てることはないというそんな生活をしてみたいものだ。
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よくも悪くも、白石節がおとなしい作品。
中年期から壮年期に差し掛かった時に、ふとしたきっかけで人生を見つめ直すことになる主人公。物語の流れはうまいので、恵まれすぎている環境や都合の良い設定はそれほど気にはならない。
白石一文はここ数作品で作風が少しまろやかになったと感じる。エッジの効き過ぎた初期の作品から見ると登場人物の年齢も上がってきているので、作者自身が次のステージに踏み入れていることが確認できた気がする。
ところどころに深い一文が刺さってくるので、何年か後に読み返したい一作である。