紙の本
買って良かった!
2015/09/26 15:46
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投稿者:N氏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中盤以降一気読み!
久々日越えの読書となりました。
人間は理屈では無く、感情で動くもの。
世の中に「理動」という言葉は無くやはり「感動」が人間の証。
他作品も一貫してこのテーマを追い続けているところに胸が震えます。
続編や他の著作の主人公とのコラボも期待したいところです。
私は大変満足しました。
電子書籍
痛快娯楽作品。ヤクザがカッコよすぎるけど
2016/04/17 14:09
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投稿者:マル神保 - この投稿者のレビュー一覧を見る
影に生きる男が武闘派ヤクザとともに中国の暗殺部隊と死闘を繰り広げる。カーペンター監督の「要塞警察」を思わせる作品です。悪役である中国側の心情描写がないのは「ガンルージュ」と対照的ですが、顔の無い暗殺者達の不気味さをよく表していると思います。ヤクザがカッコよく描かれすぎている気もしますが最高の面白さです。
紙の本
アクションものや国際謀略ものが好きなら、確実に堪能できる一作。
2016/01/10 14:41
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投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『機龍警察』の月村了衛の新作。2015年はこれで三作目。
このところコンスタントに密度の濃い作品を出している。
中国のウィグル人弾圧問題を追う社会派女性ジャーナリスト仁科曜子は、ウィグル族難民グループの有力活動家テギンとのインタビューを取り付けるが、待ち合わせの場所で突然襲われ、テギンは殺されてしまう。死に際に残した一言は「カーガーに連絡を」だった。その後、中国からアメリカに亡命し、中国の国家的犯罪を告発しようとしているウィグル人グループとのコンタクトに成功するが、グループともども中国が送り込んだ刺客に追われることになる。追いかける集団は、中国人民解放軍特殊部隊でも最強の精鋭部隊の殺し屋集団。対して彼らを守るのは、曜子とかかわりのあるヤクザの率いる一団と、そして「カーガー」と名乗る謎の人物だ。カーガーは元日本の警察官僚だったが、過去のちょっとした経緯からスペッツナズでロシア式武術などの特殊訓練を受けた男だった。
ついに血で血を洗うせめぎ合いの幕が切って落とされる。
ウィグル族を弾圧する中国国家の国際謀略にCIAが絡み、日本の国家権力の思惑が複雑に錯綜する。背景が先ず抜群に面白い。しかしただの「怖い謀略もの」で終わらず、ヤクザと中国特殊部隊の死闘は始まるは、陰を背負った男カーガー対警察上層部との暗闘は絡むはで、アクション要素もテンコ盛り。なによりも終始奔流のように展開するストーリー展開は、一度読み始めたら最後まで本を置けない牽引力だ。さすがは月村了衛。今回も大迫力で突っ走って、一気に読み耽らせてくれた。
アクションものや国際謀略ものが好きなら、確実に堪能できる一作。
筋立ては少年漫画的なのだが、緻密な筆致と抑えた語り口は安っぽさを感じさせない。
さて次は何が出てくるのだろう?
機龍警察は新シリーズの連載が始まったそうだし、次々と目が離せない作家である。
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残念。期待が大きすぎた。
中国がウイグル自治区で行っている民族浄化の被害者であるウイグル民たち。中国の非道な人体実験の生き証人でもあるため在日アメリカ大使館を目指すがそれを阻止しようとする中国特殊部隊。証人達を守ることになったルポライターと彼女を護衛する武闘派ヤクザ&伝説の傭兵。掴みは面白いのだけど、話が練りこみ過ぎと言うか、各々のキャラをドラマティックに描き過ぎ。
最後はペントハウスでの死闘が延々と描かれるのだけど、そこを盛り上げるために小さなドラマをいくら盛り込んでも、どれも今まで読んだような(見たような)話が多く、幕の内的なイメージがつきまとううえ、その描写がアクション描写のテンポをそいでしまっている。
全体的に話のリズムが今一つ乗り切れなく感じたのも月刊誌の連載と知って納得。
これだけの書き手だからこそ、もっと高いレベルの作品を期待してしまった。
月村氏の作品は(特に現代を舞台にした場合)、必ずサブテーマがあって、今回はウイグル自治区に対する中国の弾圧。それはわかるのだけど、この構図、そしてその後の追撃戦の話の展開が「土漠の花」と重なってしまったのも残念。
これが他の作者であれば文句ない出来なのかもしれないが、月村氏だとつい期待も大きくなってしまった。
この作品も他の作品の例にもれず多分に視覚的なので、映画化するとずっと分かりやすくテンポの良い作品になりそう。
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良くも悪くも映画的な話。それにしても最近のこういったポリティカルなフィクションの悪玉の定番として中国が定着してきたが、中国だから特殊部隊が中国拳法とか中華式武器というのもどうかなという感があるし、やくざがここまで根性が座っているというのも古き良き時代への憧憬の様で、現実感を欠いている。ただし、話としては十分に面白く、アクション映画の脚本としては必要十分であろう。
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月村小説を読むと、ぞわぞわする。これは、大昔、私たちのずっとずっと祖先が狩りをしていたころのDNAなのかな。闘う本能、とでもいおうか。
何のために誰と闘うのか、はヒトそれぞれだし、そこに正義とか大義とかがあるかどうははわからないけど、それでも闘わざるを得ない人間たちの強さと弱さが混じり合いうねりとなって突き抜けていく。
民族の問題、国同士の外交問題、その大きく根の深い闇の部分、うかつに触れると火の粉をかぶる、けれど知らない顔して通り過ぎることはもうできないところまで来ている。
多分、私たちはこの小説から、その一歩先へ進む時を迎えているのかもしれない。
それにしても、カッコいいオトコたちよ。このカッコよさを別の世界で発揮できたら…と思ってしまった。
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現代版の、現代の世相を反映したハードボイルドです。
主人公の影の部分が、作品全体にも影響していきます。
ヤクザと中国共産党、アメリカと日本、警察と公安など、複雑に絡まり合う利害関係や権謀術数。
息もつかせない、先の読めないストーリー展開が、飽きさせません。
楽しめます。
お勧めです。
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警察小説が得意の作者が警察内部ではなく、警察を追われた(存在しない)「カーガー」と中国ーウィグル問題を交えてのハードな、日本国内での戦闘。
主人公がカーガーなのか、女性記者なのかよくわからなかったけど、ここまでやるか、という日本のヤクザと中国戦闘集団との爆撃戦。
正直、本で読むよりアニメ映像で観たい感じ。時間が有り余った夏休みになら読んでみようか、という内容でした。
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いい。やっぱりいい。
月村了衛最新作、圧倒的にカッコいい。
祖国を追われた弱き者を、戦闘のプロが守り抜く。
謀略渦巻く世界で、圧倒的な力にも敢然と立ち向かう様はとんでもなくカッコいい。
影の中の影というタイトルも、読み終えて納得。
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主人公は影と出会って変わる。
人間が変わるというのは難しいけれど、それほどの体験をして、自分のこれからを考えたとき何をするべきか、それを考えて行動していく。
その過程がすごくいい……物語は派手だし、扱っているものも重いのだけど、それだけではなくて、人間の成長の描き方が凄く好きだった。
主人公だけでなく、他の登場人物も魅力的で、最後は少し悲しかった。
危機に陥ったとき、ヒーローが現れる展開は何回読んでもいい。
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次から次へと新作を発表し、そのどれもがハズレなしという、現代ハードボイルド作家の巨匠。「土漠・・・」ではアフリカ、「槐」では日本のキャンプ場、「影の・・・」では川崎のマンションが舞台。まさに舞台も変幻自在だ。主人公は常に世界から忘れ去られた、地下に潜ってしまった過去と影のある人物。その主人公が丁々発止の大活躍で毎回ハラハラどきどきさせる。「影・・・」もその流れだが、敵は中国。これで中国は益々イメージ悪くなったなぁ。
ところで機竜シリーズもそろそろ新しいのをお願いします。
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生体実験の生き残りのウィグル人を守る主人公とヤクザが、中国特殊部隊とマンションで戦う話。
各国政府などの思惑が入り組む話になるのかと期待したら、そちら方面は薄めで、戦闘シーン多目。
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テーマそのものはタイムリーで悪くないのですけど、主人公が余りにスーパーマン過ぎてちょっと漫画的。大昔に読んだ門田何チャラの「黒豹」シリーズとか、子供が武装集団を出し抜く「遠い海から来たCOO」を想い出しました。フィクションにはフィクションなりのリアリティが必要だと思うのです。
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面白い。タイトル通りの作品だと思った。
主人公が形成されていく過程や迫りくる罠と暗殺部隊との戦闘シーン、ヤクザとウイグル人との友情などを現実の国際問題に上手く絡めていて濃密な内容だった。
あの国ならやりかねないな。
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ウィグル人亡命者を中国の暗殺集団から守るために壮絶な闘いを繰り広げるアクションサスペンス。とにかくスリリングで息もつかせぬ展開です。
謎の男「カーガー」が主役なので、彼が強くてかっこいいのは当たり前なのですが。むしろかっこよくて凄いと思えてしまうのは、菊原組の面々ですね。見せ場とか凄すぎ。超絶殺人鬼までがかっこよく思えてしまうのはかなり凄いと思いました。あんな人本当にいたら大変すぎるのに!(笑)
曜子のジャーナリストとしての葛藤も読みどころです。真実を追究することとジャーナリズムの存在意義には、考えさせられることが多そうです。