淫雨に溺れて【電子特別版】 みんなのレビュー

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投稿者：M★　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

デビュー前に新人賞を受賞した「雨恋い」に、加筆修正、タイトルを変えた再編もの。
編集さんが付けたタイトルが、淫雨。
意味は、「 いつまでも降り続く雨。長雨。霖雨。」
受賞作だし、著者思い入れが深い作品だけあって、伏線の仕込みが凝っていた。

笠井あゆみ画伯の表紙が淫靡で凄いけど、中身はそうでもない。

湊が雨を降らせる雲を見つめて呟く「あとから痛み出す心の傷。」の場面は、印象深い。

若手書道家で人気がある、伊織と善。
善は、自分の技量だけでのし上がってきた一匹狼。
伊織は、親の七光りで知名度を上げている二世書道家。

善が、二歳年上の恋人に捨てられて、家事に困っている所に、
湊が「お金がほしい」と、スウェットを着て求人の面接に来る。
湊の面接に、なぜか居合わせる伊織。

湊は、四人兄弟。
幼い頃に母は蒸発。父は数年前に死亡。兄弟３人を湊が養っている。
ぼろい借家を８月までに退去して、新しい借家を探さないといけない。
お金を造りたい湊には、兄弟に言えない土曜だけの仕事がある。

湊が嘘をつききれなくなる。
色々有っても、善は湊を愛している。
ハピエン。

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投稿者：黄梅　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

言葉遣いがカジュアルな登場人物はあまり得意ではなかったのが、つばきさんの他の作品を読みとても気に入って、評価の高いこのお話を読みました。自分自身は雨は苦手ですが、なんというか絵画的で、色味や雨の感触まで伝わりそうになります。後半あかされる事実ひとつひとつがツボで、泣きながら読んでしまい、外出先で読まなくて良かったと心底思いました、