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『チルドレン』の続編にあたる、伊坂幸太郎の長編。
前作は印象的だったので、10年の隔たりを感じさせずに続きものとして入り込めた。
相変わらず、スイスイのめり込み、そのまま最後まで持ってかれる。
しかし、布石と回収の鋭さは前作の方が上だと思う。今作はよりディープなテーマを扱っており、エンタメ比率の高いものと違う楽しみはあるが、少し物足りない。
ただし、近作よりストレートに魅力的なキャラクター・セリフ廻しが多かった当時の雰囲気がみれて、それは嬉しかった。
4-
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多くの人々が分かった気になってる、考えた気になってる問題の、根っこにある難しさときちんと向き合っている作品。
犯した罪とそれを償うことや許すことについて、正解はもちろんないが、少なくとも今までの安易な自分が間違いであることは間違いないなと思わされた。
それにしても、陣内はやっぱりいい!
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伊坂幸太郎はやはり天才だ。
ありとあらゆるところから物語が動き出し、そして散らばっていたハズの事柄が一つの物語にたどり着く。そして、やはりそれぞれのキャラクターが実に素晴らしい。
だが、記憶に残る作品かというと、そうではない気がする。その文体のせいか、なんか軽いんだな。でも、それが味なんだろうけど。
内容は、普通の作者が描いたら重く、暗くなりがちの少年犯罪であったり、罪と罰であったりなのだが、そんなテーマでも伊坂幸太郎に掛かればむしろ、明るく爽やかだ。
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伊坂作品を読む幸せ。でも、それだけじゃない。罪と罰について挽回という言葉が使われていたが、私たちは挽回するために明日を待ち、生きているのかもしれない。
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伊坂ワールド、いってきました!
そして、帰ってきました!ただいま~♪
あー、そうそう、いたね、こんな人・・・陣内w
「チルドレン」ってどんなお話だったっけ?ww
またいつか、遊びに行かなくちゃね♡
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チルドレンの続編という位置づけの本書。
あの家裁調査官、陣内と武藤が帰ってきた!
相変わらずめちゃくちゃな陣内とそれに振り回される武藤。そして達観したところに立つ永瀬夫妻。
今回は無免許運転で人を撥ねて死なせてしまった少年の事件を中心として、交通事故に纏わるあれこれ。
復讐心を持って人を轢こうとした人と、たまたま不注意やミスで人を轢いてしまった人、どちらが悪人?そんな答えのない問いがぐるぐる回るけど、今回も気持ちよく話は終わる。
伊坂幸太郎らしく読後感が心地よい1冊。
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立場や関係性が変わったら、正義と悪も入れ替わったりしちゃうんだよね。
だからといって殺人を擁護するわけでも、復讐してもいいってことにはならないけど。
若林は本当の意味で反省してるなって思ったし。少年事件は前科にならないのに、あえて就職の面接で馬鹿正直に申告しちゃうとか。
自分で生きづらくしているわけだけど、自分の犯した罪のせいだから、開き直っている人よりはいいのかなと思った。
少年犯罪が増加している中で、刑の重さとか遺族からしたら納得できないことも多いだろうし、難しい。
棚岡君もなんだかんだで陣内に救われてるなーと思った。
陣内のしつこさって尋常じゃないけど、たまには役立つ!
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チルドレンの続編。期待を裏切らない面白さ。すっとぼけた陣内がさらにパワーアップ。チルドレンのネタもありの少年犯罪への問いかけもありの秀逸なエンタメ。また、WOWOWで映像化してほしい。
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家裁調査官陣内と武藤シリーズ第2弾。
「チルドレン」の続編、といっても10年以上がたっていて、記憶がほとんどありませんでした。
陣内は順調に出世して主任になってはいるものの、はた迷惑さは「陽気なギャング」シリーズの響野と同類で、今回は巻き込まれタイプの武藤が主人公(視点)でした。
取り扱っているテーマは交通事故で重くて深いのですが、会話のテンポや登場人物たちの飄々さで暗くはなりませんでした。
泣けそうな場面や感動しそうなシーンや決め台詞も盛りだくさんで、いろいろなエピソードの伏線が回収される見事さも、肩の力を抜いて描かれているようで満足できました。
シリーズ化希望です。
ちなみに、タイトルの意味は、ネットや人の心の中に潜む、憎しみや悪意というところでしょうか。
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前作チルドレンからもう12年たっているみたいですね…あの頃は伊坂幸太郎にハマり全作読んでいました。その中でも好きな本の一つでしたが10年以上(一度再読してても…)たつと忘れてしまっていますね…ただし読み進めているうちに登場人物のキャラがわかり「あーこんなキャラでこんな話あったなあー」って思い出してきました。
陣内と武藤はキャラは二人とも違いますが、少年に対する思いとか対応の仕方が違うだけで、愛が感じ取れました。
ニュースでは少年犯罪を行う人が全て悪者みたいになりますがそれは本当か?ということを再読考えさせられる内容でした。正義って何か?わからなくなりますね。犯罪者を殺したらそれは殺人なのか?もしかしたらその行動が多くの人を助けたかもしれない。難しい話ですね。答えが出ません。
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良い。やはり良い。最近の伊坂にはついていけなかったり、とはいえ続編ばかり書いてるなよ、と思ったりもするんだけど、やはり続編が出てくると最高にのめり込む。そして、やはり伊坂は長編より連作や短編の方が良いと思う。
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なんとも伊坂氏上手。マンガや映画では使えない小説にしかできない技みたいなのを次々くりだすからまいる。 面白かった。
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伊坂幸太郎の新作は名作「チルドレン」の12年ぶりの続編。
少年犯罪を担当する最強にしてサイアクな皮肉屋である家裁調査官
・陣内と、その部下の常識人・武藤が担当した未成年交通犯罪。
無免許暴走運転で人が死んでしまう、という事案を中心としたエピ
ソードである。
陣内というキャラクターは、僕の憧れでもある。
口から出る言葉の殆どは皮肉か屁理屈であり、周囲にはとんでもな
い迷惑をかけ続ける。ところが、決して本当に嫌われることが無い、
という特異な性格。彼の発する言葉は虚言や適当な言い逃れにしか
聞こえないのだが、最終的にソレを「嘘」にはしない。そういう姿
にちょっと痺れてしまう。
ただ、今回のテーマは本当に重かった。
陣内はいつものようにカッコイイ皮肉を撒き散らし、語り部の武藤
は軽妙にそれを収拾しようとする。その様子はいつも通りの楽しい
展開なのだが、状況を思い返す度に「笑っている場合では無い」、
という気分にさせられる。伊坂作品でそういう感情になるのは本当
に珍しい。
・・・おそらくこれは凄く個人的なことが原因。
交通事故で大事な身内を亡くしている僕は、どんな理由があっても
加害者の心に寄り添うことが出来ない。だから、この作品に出てく
るいろんな人たちの「事情」について、理解こそ出来るのだが納得
は決して出来ない。それはもう、本当にどうしようもないことだと
思う。
だから読中にやたら焦燥感を感じていたのだが、最後の最後でちょ
っとした、しかし強烈な光が見えた。その言葉を発したのはやはり
陣内であり、それが無ければこの読書は単なる苦痛になるところだ
った。
伊坂幸太郎、やはり恐るべき作家。
追いかけ甲斐があるな、この人は。
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「交通事故で人の命を奪ってしまった少年が刑事罰を受けずに社会復帰することはいいことなのか」という命題から、小説を組み立てたような小説です。
主人公は、家庭裁判所の調査官の武藤さんと陣内さんです。前作の『チルドレン』に引き続き、このミスマッチな感じの二人が活躍します。陣内さんは相変わらずといった様子です。
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社会の人の心は、「きっと」と「どうせ」で溢れている。
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夢を諦めるな、努力を忘れるな、人の嫌がることをするな、といった「教え」よりもとにかく、「相手の大事なものを蔑ろにするな、ってことだ」と。そして、「反対に、悪い奴らってのは、その誰かの大事なものを狙ってくるからな」と続けた。
誰かの大事な物や大事な人を、馬鹿にして、優位に立とうとする。自尊心や命を削ろうとする。そういう奴と同じになるなよ。
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伊坂幸太郎さんの2016年時点の最新作です。
シリーズもの、というのか。2004年に発表された小説「チルドレン」と同じ登場人物が出てきます。伊坂さんはこの手のシリーズ?得意ですよね。
職業はともあれ、「探偵役」的な強烈な人物と、「事件」とが描かれるからなんだろうな、と思います。「事件」が入れ替われば自然に新しいテーマとともに、続編が出来ます。
相変わらず面白かったのですが、一読、大変にオモシロカッタです。素敵な小説でした。
割と最近にたまたま、ドストエフスキーさんの「罪と罰」を読んだところで。
「サブマリン」読み終えて、「これは、伊坂幸太郎さん版の、少年たちの"罪と罰"」だなあ、と思ったんです。
そしたら、店頭で観たら、帯に同じ内容が売り文句として書いてありました(笑)。
(電子書籍で読んだので。帯を見ていなかったんです)
家庭裁判所の調査官モノです。
そういうジャンルがあるかどうか判りませんが。僕は未読ですがマンガで「家裁の人」という名作が過去にありましたね。
「陣内」という、いかにも伊坂さんらしい、やや非常識でぶっとんだロックンロールな調査官。ホームズ役ですね。
「武藤」という、いつも陣内に振り回される常識人。ワトソン役ですね。
「理由なき無差別的な、弱いものイジメ的な殺人」そして「復讐としての殺人」。
伊坂さんがライフワーク?かのように反復して取り上げる、「人間の業のような、弱者迫害という終わらない罪」の話でもあると思います。
10年くらい前に、不良少年が車を暴走。登校中の小学生を殺してしまった。
10年くらい後。死んだ子供の親友だった少年が10代になり、自分が同じように車を暴走。通行の男性を殺してしまった。
この事件の真相は何か。背景に、ネット社会があります。SNSでの犯罪予告があります。ストレスを貯めて、弱者に暴力を振るう人たちがいます。
罪を贖う罰とは。あがなえるのか。罪は誰が測れるのか。命を奪った罰とは、十分なものなのか。その罪と、罰から、人は再生できるのか。再生は許されるのか。
「少年犯罪」という、「20歳の誕生日以前か以降か」という、具体的な仕組み上の問題を問う訳ではありません。
未成年たち、というのは常にあるレベルの弱者な訳で。常にあるレベル、大人たちの稚拙な模倣であり、哀しいくらいに正確な縮小コピーだったりします。
そういう物語なんじゃないかなあ、と思いました。
基本は、サスペンスで、ミステリーです。
ホームズ訳の陣内さんの奇矯な言動を、愉しめるか楽しめないかが別れ道だと思いますが、流れはとっても娯楽小説です。
そして、「この話は、スッキリする終わり方をすると気持ち悪いなあ」と思っていたら、ちゃんと、スッキリせずに幕を引いてくれました。すっきりしました。
なんだけど、終盤、いつもながらの意外な力技で、グッとさせてくれました。それがカタルシス。
僕はとっても愉しめた読書でした。
同時代、同年代に、同じ国で同じ言葉を使って、こういう娯楽を書ける人がいて、それもけっこう売れている。
ものごとの見方という角度では、とっても好みなので、嬉しい限りです。
「どうせなら伊坂幸太郎さんの小説は、とにかく全部読んでしまおうプロジェクト」が、個人的にゆるゆると進行しています。「オーデュポン」「終末のフール」「あるキング」「PK」「ジャイロスコープ」で、クリアだと思うので、慌てずに愉しみながら。
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更に個人的なことを思い出しました。2004年に発表された「チルドレン」。これが陣内-武藤シリーズの第1作なんですが。
この本が、僕は多分、「初・伊坂幸太郎さん」でした。
今でもそうですが、数年に一度、「とにかく読んだことのない、現在進行形の日本の小説を読みたい」という発作が起こります。
本屋さんの店頭で、まさにカンだけで、衝動買いをします。3人とか5人とか、読んだことのない小説家さんの本を読みます。
多分、2004年にそういう発作の時期があって、確か、伊坂幸太郎さんと奥田英朗さんと萩原浩さんをその時期に買って読んだんだと思います。
だから、僕の中ではその御三方は、なんというか、「同期」という勝手な位置づけがあるんです...。