陣内さん12年ぶり
2016/08/24 20:06
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂さんらしいお話。
チルドレンの続きとして書かれているので、陣内と武藤コンビが12年ぶりに活躍します。
伊坂さんって自分が面白いと思える小説を書くんだと言っていたと思うが、
本作には初期の頃の勢いや情熱が感じられなかった。
そう思うのは私だけであって欲しい。
デビューから16年。
そろそろ一皮破らないと書くものが無くなってしまうのではと心配。
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「チルドレン」はシリアス部分よりも痛快爽快な部分が強く印象に残っていたんですが、
今作は、相も変わらずハチャメチャな陣内としなやかな強さで世の理不尽さえも衝撃を吸収して包み込んでしまうかのような度量のスーパーマン永瀬とで緩和しつつも、かなりシリアス。
きっと伊坂さん自身が常日頃煩悶し、心を痛めている事柄なんだろうな、と思った。
そして読んでいて反省と言うか目から鱗が何枚も何枚も落ちて自分の視野がいかに狭いかという事を教えられました。
とはいえ、弁護士でも検察官でも家裁調査官でも警察でもない私にとっては真相や報道の裏に隠れてしまった側面は見ることは叶わないし、必ずしも知る必要はないんだろう。
ネットで加害者を断罪したり情報を拡散したこともないし。
けれど「正解はどれなの?」と煩悶し続けることは必要だと思う。正解は無い、かもしれない。けれど考えることに意味はある。
私の一番好きな登場人物・鴨居の登場を今か、今かと待ちながら読んで、結果、登場せず。どころか、まさかの展開。
明言はされていないけれど、彼は亡くなっているのかもしれない。そんなの嫌だ!
伊坂さん!お願いです!時系列が前後しても良いので、鴨居が登場するさらなる続編を書いてください!!!
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チルドレンの続編。
正直、チルドレンをよく覚えてないけどそれでも十分に楽しめた。
伊坂さんの軽いポンポンと繰り出される会話と、むちゃくちゃだけど、筋の通った陣内がとても良かった。
ラストも希望があり良かった。
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チルドレンを読み直してから読めばよかったなーってくらい全然覚えてなかった…
いつ頃読んだっけ? と思って過去の読書記録見返すとわたしは2008年の夏に読んでた。発行は初版が2004年5月…!!
色褪せないなー、伊坂作品。
やはり陣内のキャラが素晴らしいんですよ。適当で毒が強いのに信頼が厚い。
今回は長編作品。少年犯罪という難しいテーマの中で、伊坂節が炸裂。思わずクスッと笑ってしまう場面がちらりほらり。ラストのラストまでそう繋げるか、と唸らせる巧みさ。さすが。
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(2016/6/14読了)
やっぱり好きな作家さんの本はいいね〜。
(内容)
『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。
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「陣内さん、出番ですよ」の帯にすでに打ち負かされる。あの陣内さんにまた会えると思うと胸が弾んだ。
大人がカッコ良ければ子供はグレないという前作の言葉が今の私のテーマだと思っているから、彼らと作品として再開するのはすごく懐かしくて嬉しくてたまらなかった!
相変わらず無茶苦茶する(というか、言う)陣内さんとワトソンポジションの武藤くん。コンビネーションが一層よくなっている気がする。武藤くんが大人になったからのもあるけれど。
サブマリンを読んで日頃から見る少年犯罪、時には目を覆いたくなるような酷いものも、背景があるんだろうなと思うようになった。色々な視点があって、賛否両論あるのは当たり前というのを大前提に伊坂さんはこう言った難しいテーマも書くのでエンタメだなぁとつくづく思った。
「で、結局なんだったんだろう」というのが純文学だとすると、伊坂さんはそうでないなと感じる。似ている部分もあるんだけど、「で、この後どうなったと思う?!」って誰かと語り合いたくなる。同じかな。笑
作品の中身の話をすると、事件を起こしてしまった少年の連鎖は悲しいものだった。
悲しみはゼロにはならない。事件は事件を生んで、連鎖していく。「そんな」や「もしかして」があり得ないことではないという恐ろしさを知った。被害者が加害者になることも珍しくない。だから、監査する必要性が重く感じれる。
今回のセリフの中でもそれが色濃く出ていた。「おまえみたいなのもいるからな」って言葉にすごく救われた。
読んでいて会話文が多かったこともありさくさく読み進んで、会話中に伏線が散りばめられていたりして何度もページをめくる作業…。これ、嫌いじゃない。笑
そして改めて、陣内さんみたいな人が知り合いに入れば、なんだかそれだけで人生が豊かになれる気がするなぁと思った。
あいつだったらなんていうんだろう、どう判断するんだろう。それを鵜呑みにするかしないかは別として、ただその考えの選択があるだけで豊かになるんじゃないかと思える。
人使い荒いし、口は悪いし、だけどやってることが真っ直ぐでかっこいい。上からも下からも「あいつはむちゃくちゃだ」と言われながらもその表情がふっと緩ませられるいい男の物語だった。
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会話は飄々としているのに中身はいつも通り伊坂流ジャスティスについて突き付けられていきます。「友達が遊びにきているんだろうが」で涙腺決壊。今のところ今年のナンバーワンです。
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チルドレンの友達だった。
陣内は相変わらず良いキャラをしていたけど、前の方が面白かったとなんとなく思っている。
読み返したい気持ちになったけど、多分実家にある。
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読み進めてみて迂闊にも前作を読んでいなかったことが判明した。登場人物たちの立ち位置が分からなかったが、まあ、そこは些末なことで、相変わらずの主要登場人物たちの軽妙な会話と張られた伏線の回収の仕方が見事。ただしミステリー的な要素はないので、その伏線回収には爽快感は少ない。テーマは少年犯罪で重いテーマだが、こういう語り方で読んだ方がより考えさせられる。
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★2016年6月18日読了『サブマリン』伊坂幸太郎著 評価B~B+
この作品は、12年前の『チルドレン』の続編とのこと。比較的多くの伊坂作品を読んできていたので、当然前作は読んだと思っていたのですが、迂闊にも読んでいませんでした。しかしながら、それでも十分楽しめる作品ではありました。(もちろん、この後前編である『チルドレン』も読んでみようと思います。)
家裁調査官の陣内と武藤、そして関わる少年たちの何とも言えない禅問答のような不思議な会話が興味深い。私にはない発想のやり取りなので、実に面白かった。
家庭裁判所の主任調査官で、発想が自由奔放で形式に則るのが大の苦手の陣内と彼の下で再び働くこととなった武藤。その家裁の仕事に携わる中で関わることとなった子どもたちとの不思議な関係を描く。
今回の主人公は、高校生の棚岡悠真。両親を幼少時に交通事故で失い、小学生時代には、通学中に車に突っ込まれて親友を失った。そして、今回は自らが無免許で車を運転し、歩道に突っ込み歩行者を死亡させる事故を起こしてしまった。しかし、その事故の裏には棚岡くんの深い苦しみがあった。
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少年犯罪(または過失)=罪 と 罰 と 更生。
フツーだったら重くて難しいお話。
語り口調が軽快だから「ずぅぅーん…!」とはならずに済むんだけどさ。
お話の中のこと=他人事 とは言え、ウチにも未成年がふたりいるからねぇ。
きっぱり突き放しては読めないんだな。
彼らも私もどちらにもなり得るしさ。
リアルで起きる交通事故のニュースひとつとっても、
差し出される情報によって
加害者側に対して怒ったり同情したり憤慨したり身につまされたりするじゃない?
それが目の前に現実としてある武藤くんの思いに、
いちいち「うんうん、そうよねそうよね」となりっぱなしの一冊。
納得できないこと、やるせないこと、もやもやし続けること。
そんな中にも光は、ちょろっとでもある。
陣内さんに関われた子ども達は、それだけでもそうでない子ども達よりラッキーなんじゃないかな。
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前作チルドレンに引き続き、陣内さんの大人の魅力が炸裂してます。めんどくさい大人って、一周まわってむしろかっこいい!
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本作「サブマリン」は、前作の「チルドレン」を読み終えたときとはまた違った面白さを感じた。武藤と陣内のリズミカルな会話は読んでいて飽きを感じさせない。
少年犯罪や罪を償うといった若干重めなテーマであり、伊坂作品の中では風変わりな印象。
陣内の熱い言葉はもちろん、ことわざで固有名詞を使うリスクや、から揚げとフロントガラスの話あたりがお気に入り。
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家裁調査官。少年。自動車事故。加害者。被害者。恨み。ジャズ。『チルドレン』の続編。やるせない事件が起こった時、自分はどの立場からその事件をみることになるんだろう。許せないって気持ちと、許してやってほしくなる気持ちと、ずっとせめぎ合って、答えが出ないままのこともたくさんある。善と悪とに分けられないこともいっぱいある。棚岡佑真という少年の名前が知人の名前に似ててドキーン。
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「チルドレン」の続編。
前作では連続短編集だったが、今回は長編。
今回も正解がない重いテーマではあるが、陣内がいることで重すぎることなく、しかし考えさせられる。
永瀬・優子・ベスの現在はわかるが、鴨井はどうした?
3人が集う特別な集まりの意味は?
気になる。