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東日本大震災の記憶はまだ新しい。
大規模な地震の影響で津波が起き、本当に多くの人たちが犠牲になった。
そして、福島第一原発の原子力事故により被害はさらに拡大していった。
災害小説だと思い込んで読み始めたのだけれど、どうにも話が別の方向に向かっている。
主人公の住む町内である日突然地上げ攻勢が始まる。
次々と土地を売り離れていく住民たち。
残った人たちは必死に連携を強めていくが、町内会長である主人公の父は必然的に矢面に立つことが多くなる。
空き家となった家には地上げの張本人であるやくざたちが引っ越してきた。
やがて嫌がらせが始まり、ついには愛娘の命が失われる。
地震を中心にした物語だと思っていただけにこの展開には戸惑った。
震災の記憶がまだ強烈に残っているためか、地震・・・津波を利用した復讐劇にはどことなくすっきりとしないものを感じた。
詳細なデータをもとに書かれたであろう物語。
浜岡原発が抱えている問題点なども、わかりやすく詳しく書かれていた。
けれども、実際に人が流され、多くの人たちが命を失った映像を見ているだけに・・・複雑な思いもした。
物語が書かれたのは2004年。
文庫化されたのは2010年。
東日本大震災はまだ起きていない。
この世の中に絶対な安全などというものはないとあの時思った。
どんなに優れた技術をもってしても、100%の安全などないのだと。
地質学を中心にした地震が起きるメカニズムの説明などは興味深かった。
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他のサイトのレビューでは酷評も目立ったのですが、それほどのこともなく、よく出来ていたと思います。
でも前作同様のクライシスノベルを期待すると裏切られます。
一般市民とヤクザのちょっとポップな抗争劇というテイストです。
ただ中身に心理的に悲惨な描写が多々ありますので、それで嫌いになる人がいるかもしれません。
女性にはオススメしません。
東海地震のこともいろいろ書いてありますが、難しくてよくわかりませんでした。
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タイトルと出だしから想像するに震災のシミュレーション小説家と思いきや、亡き娘の復讐ために40人以上を一気に殺すために震災を利用するクライム小説である。