紙の本
リアルすぎる小説
2021/02/14 16:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
地震が起こるメカニズムを使って、復讐を企てようとする...これはもちろんフィクション。小説である。
が、読み進めながら、時々、これホントの話?とココロによぎる。
特に、2011年の東日本大震災以前に発行された一冊ながら原発事故の話がリアルすぎるのである。しかし本書は、その大震災より以前に描かれた物語なのだ。
また、東海・東南海地震の連続発生がキーとなっているが、これもいつか起こるだろうといわれる南海トラフ地震を彷彿させる。
緻密に資料にあたり、取材を重ねて描かれた迫力を感じる一冊。そして、読者は本書から学ぶことが多数あると思う。
紙の本
東海地震に東南海地震、浜岡原発爆発、震災を背景にした復讐劇
2011/05/13 16:44
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーは名古屋が舞台である。東海地震に東南海地震が連動して発生し、名古屋の街を地震と津波が襲う。一方で、浜岡原発は爆発し大量の放射性物質を放出する。それは風に乗って関東地方を襲う。地震、津波、放射性物質によって、日本列島は広範囲に甚大な被害を受けるのだ。
折りも折り、福島第一原発の事故を受けて、菅直人首相は津波対策が万全になるまで浜岡原発の運転停止を要請した。突然のものであり、波紋が拡がっている。
しかしながら、浜岡原発は原子炉建屋とタービン建屋の位置関係が福島第一原発とは逆になっていて、もし津波に襲われた場合、より甚大な被害が想定されると専門家は指摘する。
つまり、福島第一の場合は、海側のタービン建屋が盾になって津波を防いだために、内側の原子炉建屋の損害が小さくてすんだ。浜岡の場合は、まともに原子炉建屋に大損害が出かねないということである。
その点を踏まえれば、菅首相の決断を、単なるパフォーマンス、などと批判することは適切ではないだろう。むしろ、よく決断した!と言いたいところである。
さて本書は、地震と津波、原発による震災パニックが主題ではない。いわば大震災を背景にした復讐劇である。
主人公は、データに基づいて、東海地震さらには連動して発生する東南海地震を正確に予測する。そして、震災の混乱に乗じて不法行為を企むグループに戦いを挑むのである。それは、彼らに陵辱され自殺に追い込まれた愛娘の復讐のための戦いだった。
ストーリーはそこそこ楽しめるものである。
ただ、強い違和感も感じる内容だ。反国家権力的な色彩が濃い。反米的でもある。著者の思想的な臭いがプンプンする書なのである。
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名古屋 モーニング
2020/08/07 21:43
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
名古屋の喫茶店メニューに「小倉あんかけトースト」が有るとの記載。(2004年10月22日 第1刷 p.61)
あんかけ?
名古屋人ではありませんね。
あんこたっぷりの小倉トーストの事かな。
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投稿者:坦々麺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然の前には人間は無力だと痛感してしまう。地震、台風、火山噴火等自然災害に直面している日本人にとって教科書の様な小説だと思う。自然災害を防ぐのも、自然災害と戦うのも不可能であろう。ただ観測し、予測して被害を最小限にとどめることが可能なら、出来る限りのことをしてもらいたい。国会議員全員に読んでもらいたい。
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名古屋でボーリング業を経営する主人公とヤクザとの対立の話。
東海・東南海地震を予測し儲けようとする国会議員と、国を強制的に立て直そうとする総理大臣。
並行して地震による津波で、ヤクザに対し娘の仇を討とうと計画する主人公が描かれる。
果たして主人公の復讐は完遂するのか?地震が発生する場所に原発を持つ日本は大丈夫なのか?・・・そして予測通りの大地震が発生する。
この小説で『兌換』という言葉を初めて知った。
あとがきを読むと、出版後の出来事が小説に沿っていて、本当にリアルなんだなぁと実感。
ただ、政策倫理や宗教倫理等に対する内容が説教くさく感じた。
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やくざに家庭をぐちゃぐちゃにされて、復讐する親子の物語。
東海地震のごたごたをついて、やくざに目に物みせてやろうって感じの作品なのかなっと思ったら、、、、
やたらと現行体制に対する批判とか、政治理論、宗教理論とかとか、、、
その辺が非常に退屈。
作者の伝えたい所はそこなんだろうけど、その部分は私には合わなかった。全部が説教臭すぎるし、登場人物の現実感が損なわれている気がする。
復讐する部分は良かったので、残念です。
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浜岡原発の運転停止がニュースになっていますが、コレ東海地震に、東南海地震が連動する事を『想定』した犯罪(復讐)劇。想定が現実に発生!小説と思いつつも、メルトダウンやメタンハイドレート層の破壊など、小説の中だけとは思えない緊迫間は、今だから読むべし!
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東海・東南海連動地震に見舞われた、名古屋を描いた小説。2004年、講談社より刊行されたモノの文庫化。
東日本大震災の際、大津波に見舞われましたが、この小説でも名古屋が津波に見舞われる想定になっています。しかも(!)、地震に伴い浜岡原発が電源を失い、冷却機能を喪失。そして、水素爆発を引き起こす過程など、福島第一原発事故を知っていたのではないかと思うような事態が描かれています。
話としては、地震を契機に良からぬことを目論む輩と、それに対抗しようとする家族の物語なので、ディザスター小説と思うと、ちょっと外されますが、それにしても上記の浜岡原発の事故の描き方などにはビックリします。地震の想定なども、科学的想定に基づいたものらしいので、ちょっとコワイですね。
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地震を利用して復讐すると言う話
大掛かりな仕掛けの割にはスケールの大きさは微妙・・・
東海地震・東南海地震が連動する
静岡だけでなく、名古屋も警戒地域だと教えてくれる作品
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「浜岡原発がこの条文に違反していることは、今や誰の目にも明らかだが、それでも誰も逮捕されることはないであろう。日本のシステムは、こうした無数の無責任な空文で構成されている。政治家は一部の利権者のために存在しても構わない。役所の情報公開は肝心な部分を塗り潰して良い。憲法は無視するのが当たり前。お上とその癒着業者には都合良く、一般大衆には苛烈な社会。」あの日の一年前に出版されていたんだな。震災後に読むと不謹慎な内容とも考えられなくもないけど、全体的に面白い。復習の論理は陳腐だけど、それを囲むガジェットと表現・会話は素晴らしい。
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娘の仇を打つ父、祖父の話。大地震を利用する計画でスケールがでかい。読み応えがあり、一気に読んでしまった本。
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む〜ん…富士覚醒よりはいいかな。ただアカデミックな災害の描き方とストーリーには大きな乖離あり。娘の仇というが軽い。されたことの受け止め方はあれで良いのかね。
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この本、東日本大震災が起こる前に書かれたものなのですね。
物語の中で起きる地震は、東海大地震を想定して書かれたものなのですが
原発事故の話しなどかなりリアルに書かれています。
地震大国の日本。
安全だ安全だと言われていた原発。
少し考えてみれば、そんなはずはないと誰もがわかる事ですよね。
国規模で色々なことを考えると頭がこんがらがってしまいますが、
やはり自分が大切にしたい人や想いを大切に出来ない国の政策は、何だかおかしいよー。と思ってしまう。
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途中で何度か放り投げたりしながらなんとか読了。自然・災害メカニズムの解説はわかりやすく心情や言わんとすることには共感できるが、読後に不思議な疲労感が残るのは(死都日本も同様)時折滲み出る著者独特のイデオロギーの強さのようなものが原因なのではないかと思った
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名古屋に住む主人公。
周辺にやくざが進出してきて家族や地域はめちゃくちゃに。
地震を予測して完全犯罪の復讐劇が始まる。
震災パニックというよりも、ハードボイルド的な小説ですが、地震や津波、原発事故についてもしっかり描かれています。
東日本大震災前にこれを書いていたのは、ある意味先見性がったと思います。