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一度目は悲劇、二度目は喜劇――か。
根なし草の青年フランクはタダ飯にありつこうと近寄った
ドライブインのギリシャ人店主に気に入られ、
仕事を得るが、店主の妻に惚れ、関係を持つ。
生活の安定のために結婚しただけで夫を愛していないという
彼女と共謀し、店主殺害を目論むが……。
あまりに有名な映画の原作本。
実は映画は未見、本を読んだのも、この新訳が出たからで、
サスペンス&バイオレンス?
くらいの知識しか持っていなかったのだが――
お、お、お、面白いっ!
主人公フランク・チェンバーズが堪らなく魅力的で
うっかり惚れてしまいそうになった。
放浪癖があり、世慣れていて、
多少の揉め事や警察とのイザコザなど物ともしない
したたかな男だが、
賢くて繊細で、ちゃんと人並みの罪悪感も持ち合わせている、
そんな青年が綴った、愛と暴力を巡る顛末記。
……シビレました。
ところで、最もショックだったのは、
本編に郵便配達員が登場しないこと(笑)。
不可解なタイトルの由来は解説で。
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全編裏切りに次ぐ裏切り。
コーラへの気持ちは真実の愛だったと言われても、
自分が捕まらないために一度は殺そうと思ったんでしょ。
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不倫と殺人という現代の小説では馴染みのあるテーマだが、発行された当時は衝撃的で映像化するにもあまりにもぐろさがキツくてためらってしまうほどだったが、リメイクされ、ぐろさは薄れ、恋愛要素も入っている、男女間のドロっとした関係が見えてくる印象。奇しくも二人が出会ったことにより凄惨な事件が起こってしまった現実は、男女間の縺れからこのような事件になってしまった悲しみ、出会わなければ事件に遭わずに、誰も傷つかずに済んだ可能性があったと悲しみに暮れる内容だった。不貞行為に至る男女の心情が精巧に表現されていた印象。
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2015年の光文社読書エッセイ対象作品。これで評論的な読書エッセイを書くのは、一般的な大学生には難しい。
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最初から惹かれあう関係。それが不倫の始まり。
どうしようもない根無し草のフランクは、かなり魅力的なのだろうと想像しつつ。
どんでん返しが面白い。
ラストまで進み、悲しい結末ではあるけど、よくよく考えたら“身から出た錆”のような気もする。
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流れ者だった彼が、生きのびたい、来世ではこうありたいと思う理由ができただけで、彼の人生価値があるものになったのでは
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図書館で借りた本。1934年に発表された本で映画化もされた。流れ者のフランクが立ち寄ったドライブインで住み込みバイトする事に。オーナーはギリシャ人の男で妻のコーラと2人で店を切り盛りしていたが、フランクとコーラは不倫関係に陥り、ギリシャ人を殺す計画を立てる…という話。ドロドロ不倫のような感じはしないが、2人は色々とやらかしながらも計画実行後も順調に生活していくが、最後の最後でコーラはフランクに対し、真実の愛を確かめる行動に出る。そしてフランクは… 薄い本なのですぐ読了できたし、裁判の箇所はなかなか良い。まあまあかな。
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タイトルだけは知ってる有名小説をやっと読んだ。
ハードボイルド翻訳の困難を感じつつも、意外と楽しめた。
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世界史やってた人なら1度は聞いた事あるケインの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」読了
タイトルからは想像できない展開で終始面白かったけど武器よさらばと同様に西洋人は悲劇が好きなんかな?あんまスッキリしない終わり方やけど逆にその方がスパッと終われてよかったのかな、短編で読みやすいおすすめ
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根無し草の男
安食堂で働く人妻
道ならぬ恋の顛末。
読めば、想像以上に何かが残る。
書かれた時代のやり場のない憤りが込められているよう。
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300ページにも満たないのでさくっと読める。主人公の流れ者の男は、食堂で働くコーラに恋するが、彼女には夫がいた。惹かれあう2人は、遂に夫を殺害して一緒になろうと企てる。
しかしどんなに完璧な計画を立てても上手くはいかないものだ。2人がお互いを愛し憎み傷つけあうのが生々しい。
郵便配達は二度ベルを鳴らすというタイトル。作中には郵便配達は全く出てこないのでタイトルの意味が分からなかったが、調べたところ、全てが二度繰り返される本作を象徴したタイトルらしい。
なるほど、そう言われれば似たような展開が続いていたなという感じ。
「偽のデュー警部」的な、男と女のちょっとコメディ感もはいった恋愛サスペンスなのかなと思いきや、割とハードボイルドな作品だった。
前評判が良く期待しすぎたため、あまりしっくりこなかった。
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流れ者が立ち寄ったレストランで出会った人妻との恋愛と殺人、そして流転を重ねての意外な結末。
中盤での裁判のやり取りのスリリングさ。保険会社が結託して裁判の結果を捻じ曲げるところもとても劇的だし、若妻コーラがいないすきに他の女と出来てしまう尻軽な主人公が招く悲劇のからくりもとてもよい。元夫の殺人で揉み消された証拠が主人公に支払われた保険金を脅し取るネタに使われるところなど、テンポよく話が展開する。コーラとの愛を確かめるために行く海のシーンがとても印象的で、その直後に起こる悲劇もとてもドラマチックで、ミステリー要素満載です。
主人公は他の女と気軽に旅行する浮気性だが、コーラの為に恨みのない夫を殺すところに違和感があるが、決して長くない小説の中にたくさんの要素を織り交ぜ一気に読ませてくれる構成には関心されられる。
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語りがカミュの『異邦人』だわ、と思ったらケインのほうが早く、カミュの方が影響を受けていた!ってことで作品に古さがないのがすごい。もしかしたら犯罪の状況証拠って犯行動機とぴったり合っていることの方が少ないのかもしれないと思った。個人の気持ちは他人が知り得ることは絶対にないのに、フランクの心情はリアルで同情すら感じる。コーラもフランクも自分の気持ちが定まらないままだけど、現実の自分も同じようなもの。そこが共感を呼ぶのかも。絶版にならないでほしい心に残る一冊。
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遂にこの日がやって来ました!
な、なんとなんと池田真紀子さんが原田マハさんと並んでワタクシの本棚の著者登録数ベスト5入りしたのです!
え?池田真紀子さん知らない?
翻訳家ですよ!リンカーン・ライムシリーズとかで大活躍中の翻訳家さんですよ!
本作でもさすがの訳文ですよ!
翻訳家さんがベスト5に入ってきたら、もう通ですよ
いよいよワタクシも海外ミステリー通の仲間入りですよ
fukayanegiさんとかと同じステージです
もう海外ミステリーのことならなんでも聞いて下さい
なにしろ通ですから
最初は光り物からですよ(通の概念がお子ちゃま)
あ、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』ですよね
忘れてませんよ『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のレビューですよね
ただこの先とんでもないネタバレが含まれていますので未読の方はご注意を!
郵便配達員…
出てきません!
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もっと、どぎつい描写があるかとおもいきや、そんなことは殆どない。
二日ほどで読めた。
郵便配達は全く登場しない。
タイトルの理由ははっきりしないが、巻末に訳者により、2例ほど、記載されていたが、どれもしっくりこない。