紙の本
不完全な自分を受け入れる
2016/04/20 07:20
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビは娯楽だけではない。時には教養だってある。
NHKEテレで長年続いている番組に「100分de名著」という25分番組などはその最たる例だろう。
毎月一冊25分×4回分、100分で、古今東西の名著を解説している。
今年(2016年)の2月に放映されたのがアルフレッド・アドラーの『人生の意味の心理学』。講師は『嫌われる勇気』などの著作がある岸見一郎さんだった。
アドラーという心理学者は全然知らなかったのだが、のっけから驚いた。
私たちはよくあることの帰結を過去の原因に求めるが、アドラー心理学では帰結を求める目的があるのだという。
つまり、その目的を変えれば、未来を変えられるというのだ。
アドラーの心理学の本は現在書店では花ざかりだ。
この本もそのうちの一冊だが、とても読みやすかった。
アドラー心理学では「100分de名著」でも単に先ほどの目的論だけでなく、「課題の分離」や「共同体感覚」といったことが記されているのだが、その究極はいかにして幸せな生きることができるかがまとめられていると思えばいい。
この本でも終盤、「私たちを幸せにするのは、収入ではなく、日々の充足感」と赤い色で記されている。
つまり、その「充足感」をどのように手にいれたらいいのかを記した心理学であるといえる。
この本で特に注目した章がある。
それが「変わりたいのに変われない自分」という章で、上記の「目的論」を説明している章といっていい。
いろんな言い訳をアドラーは「自己欺瞞」と呼んだというところから始まり、何故自己欺瞞してしまうのかを分析し、その解決方法を記している。
解決方法を書いておくと、「不完全な自分を認め、受け入れること」とある。それができないから悩んでいるという人もいるだろうが、「自己嫌悪を感じてしまうということは、あなたがより良い自分を目指しているということの証拠」という言葉に勇気づけられて、「受け入れる」しかない。
本書にはその他にも「イライラする自分」をどう抑制するか、「子育てに正解はあるのか」といった章もある。
アドラーが果たして劇薬かどうか、自身の扱い次第だと思う。
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アドラーの言う目的論は感情にも通ずる。
感情が勝手に湧き出てくることはなく、必ず何かの目的を達成する意図が含まれている。
イライラは、特に自分の目標が達成されない時に起こるもの。
家に早く帰りたいのに、レジの列がなかなか進まない等。
そのようなときは、自分がどんな目標を達成したいのかを確認する。
列に並ばずに帰るなど、他の選択肢も選び、イライラを回避できるようになるため。
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オープンカレッジでの「アドラー心理学の理論と実践」の講座を元に再構成した本とのこと。なぜモチベーションが上がらないのか?なぜイライラしてしまうのか?褒めることや叱ることの難しさ。子育ての正しい方法はあるのか?老いや死をどうとらえていけばいいのか?といったテーマに基づいて、ライフスタイル診断シートからスタートし、第1章:自己欺瞞と不完全である勇気、第2章:仮想的目標への対応、第3章:仕事のタスクと勇気づけ、第4章:課題の分離と共同の課題、第5章:4つのライフスタイル類型の理解と活用、第6章:人生の後半と共同体感覚が語られる。
各章末にはまとめとしてポイントが整理されており、関連したコラムもあって理解しやすい。
ライフスタイル類型がベースにあるけれど、それは変えうるものとしているし、一人の中に混じり合ってもいるものということで、個人的にもA:6、B:5、C:0、D:3で、リーダーシップを希求していないのはよく分かる一方で、常に安楽を求めるだけでもないんだけれどと、消化不良を感じた。
16-63
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沸き上がる行き場のない感情にも、ひとつひとつ理由があることを学んだ。
イライラや不安など負の感情を上手くやり過ごすには「100%パーフェクトではない自分」「不完全な自分」を認めなくてはならない。
かといって駄目な自分に安住することなく劣等コンプレックスを克服する事も大切である。
目からウロコな解決法は習慣化したい。
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人生観を変えるアドラー心理学の視点を手に入れよう!著者の社会人向け人気講義をこの1冊に凝縮!迷いをなくしよりよい人生を送りたいすべての方へおすすめいたします。
・すべての悩める社会人の方へ・アドラー心理学に興味がある
(目次)第1章 変わりたいのに変われない自分
第2章 イライラする自分を抑えられない
第3章 こんなに面倒をみているのに……
第4章 子育てに正解はあるのか
第5章 なぜ人間関係がうまくいかないのか
第6章 避けられない老いと病について 共同体で考える
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わかりやすい内容でした。
アドラー心理学学んでから、仕事がすごーく楽になったし、あんまりイライラしなくなったし、いちいち落ち込まなくなった。
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感情の使い方を学ぶことができた。
これまで感情に振り回されてしまっていたけれど、
アドラーの目的論を用いて頭を整理することで、
うまく感情を使えるようになってきた。
とても読みやすく、分かりやすい。
なにより、読んですぐに実践できるのがいい。
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一度読んでいたらしい。。
変わりたいのに変わらない自分、イライラ、子育て、人間関係、老いについて、アドラーはどう考えていたか。まずは自分の弱点や環境を受容すること。結果(原因)論ではなく目的論でとらえること。イライラも同じくその感情を受け止めた後でなぜイライラしているのかという問いから目標を定める。あなたのためと思っていることは実は自分のためである可能性があり、褒めたり叱るのではなく勇気付けること、対等の関係を築くこと。老いには共同体感覚。築いていかないといけないか。。
292冊目読了。