紙の本
1800年代の日本を生き生きと描いたイギリス人女性の目から見た日本旅行記です!
2020/03/12 09:34
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1800年代に世界中を旅し、そのたびに詳細な旅行記を著してきたイギリス人女性旅行作家イザベラ・バード氏による日本旅行記です。講談社学術文庫では上下巻2巻で纏められており、同書はその下巻にあたります。同書では、北海道でのアイヌの人々との親交、その後の京都、伊勢神宮、大津などでの日本の伝統文化との触れ合いの一つひとつが詳細に生き生きと描かれています。内容も、「蝦夷に関するノート」、「蝦夷の旅の行程」、「東京に関するノート」、「伊勢神宮に関するノート」、「京都から山田(伊勢神宮)往路と、津経由の復路の行程」、「日本の現況」となっており、当時の日本の情景が心に鮮やかに浮かんできます。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり昔の1800年頃に世界中を旅行した、イザベラさん。そして、そのたびに詳細な旅行記を著してきたイギリス人女性旅行作家には、すごいの一言……尊敬に値します!何よりも、あの時代に……ねえ……。
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後半は北海道と、観光地。
上巻ほどわくわくはしないけど、人間性溢れる筆致は健在ですので安心して読めました。
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購入書店:Reader Store; 読書環境:Reader PRS-T2; コンテンツ形式:.book
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グローブ・トロッターであった、スコットランド人が「神のあたえたもうた試練(精神を病んだり、背骨が悪かったり)」を克服するために、明治十年の日本 東北経由での北海道を旅するという、西欧人から見ると(当時日本へ滞在していた西欧人含め)異様な地への旅行。後編。
キリスト教徒、特に差別的な見方をしていないイザベラバード(後にビショップへ改名)においてすらもアイヌの神々に儀礼や体系が見られない。
アイヌへ文明をもたらした英雄 源義経伝説が、アイヌの爺さんの口から語られる。
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とても興味深い記録。
読む価値がある。
キリスト教徒のイギリス女性の見方ということも設定条件のひとつとして読めば感情的になることもなく面白い。
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イザベラ・バードの日本紀行 下 イザベラ・バード
下巻は蝦夷探訪と関西方面への旅路。
関西パートはわりと退屈で、後に出た短縮版で削除されたのも頷ける。
いっぽう、蝦夷パートはとてもおもしろい。アイヌの村を訪れ、滞在し、アイヌ人と交流した様が、いきいきと描かれる。そしてそれは、今となってはおそらく失われてしまった文化の貴重な記録でもある。
それにしても、バードさんの情報収集能力はちょっと驚異的だとおもう。単に見聞きした内容だけでも相当な記述だけど、それに加えて文化、政治、経済、風俗と全方位的にたいへんな量の情報を盛り込んでいる。たかだか数ヶ月の旅でここまで日本を知ることができるのかと。その意味で、ただの紀行文とは一線を画した作品だと思う。
9
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イザベラ・バード女史はスコットランド人であり、プロテスタントの信者であり、かつ19世紀の婦人である。
決して、現代の基準で判断してはいけない。
つまり、当時の白人女性の視点からすると、かなり公平に判断しようとしている事がうかがえる。
それでも、相当のフィルタが入っているわけですが……。
下巻は主に蝦夷地の冒険と、その後訪れた京都や奈良、伊勢大神宮について述べられている。
女史はかなりアイヌに関心を持っていたらしい。
日本人の開拓地より長い時間をアイヌの村で過ごしているように見える。
彼女がつぶさに、そして間近に見たアイヌの生活記録はとても貴重なものだと思う。
また、京都や奈良は、東北に比べれば当然色々とインフラは整備されているし、今もそうであるように、風景の美しさは女史を魅了したようだ。
また、ここも興味深いのだが、本願寺を訪ね、英語の話せる僧侶と長い時間興味深い時を過ごした。
この時代に、伊勢大神宮を訪れたという事も、面白い。
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蝦夷を旅し、東京に戻る。京都を旅し、伊勢神宮へ。京都へ戻り、大阪へ。神戸に寄って東京に戻る。
そして帰国
アイヌ民族を見つめる眼差しは、個人的な印象を含めて公平というかフラットな感じを受ける。観察者の目という気がする。思い出すのは「ゴールデンカムイ」、本筋は別のところにあるのだけれど、背景に描かれるアイヌの生活や彼らとの関わりが面白い。
宗教面やこの後の日本の進路などの考察にうなずけるところが多々ある。今は少しは良くなっていると思えるところもあるし、変わってないねぇと思うところもある。
ある国のやり方が全部素晴らしいって言うことはあり得ないと思っているので、良い所は取り入れて見たら?という感じで変わっていくのはどうかな。
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下巻の前半は蝦夷地だが、アイヌとの交流が中心となる。イザベラはアイヌの人々をいたく気に入っていることがわかる。そして、一旦横浜に戻り、京都や伊勢神宮、大津へ行く。日本語のできるギューリック夫人と2人で行く伊勢神宮。イザベラの楽しい気分が伝わってくる。しかし蝦夷地が一番楽しかったのではなかろうか。後半では日本にも慣れてきてどちらかと言うと、政治的、宗教的、国の発展に関する感想意見が増えてくる。蝦夷地に随行した伊藤がいなかったのも大きいか。そして紀行文のラストでイザベラが日本を離れる時の気持が少しわかる気がした。彼女が当時後ろ髪を引かれながら日本を発ったように、淋しさを感じながら本を閉じる。