紙の本
王道ファンタジー
2016/04/18 18:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界観の重要なキーワードになる「言血」「王歌」などを始めのページに載せて欲しかった。電撃文庫で久々の王道ファンタジー。銀賞じゃなくて金賞でも良かったと思う。突然の襲撃に襲われた護舞官のユウファと姫のアルナリス(アルナ)に、猫族で情報屋のイルナが加わって一緒に逃亡。ユウファとアルナの関係がとても切ない。アルナが唯一ユウファと対等になれるが手話。「王歌」を使う度にアルナの命を削ることになることを知らなかったユウファ。アルナが最後に伝えたユウファへの想いと一緒に「王歌」を使うシーンがとても泣けます。
投稿元:
レビューを見る
随分と凝った設定だな、という印象。子供の生まれ方については、十二国記をちょっと彷彿とさせるけど、こっちの方がもっと生々しい感じ。一人称は割りと苦手な方だけど、あんまりそれを感じさせなかった。悪くはない。凝った設定が理解しにくい、というほどのこともなく、それなりに世界に入り込むことはできた。
ただ、ナンバリングしてあるのに、このラストって……!? という感じだったので、うーん……?? この話はここで終わりで、同じ国を舞台にした別の物語という意味でのナンバリングならいいけど、そうでないなら続きがある必要はないんじゃないかな、と思った。
投稿元:
レビューを見る
ブクログの献本企画でいただきました!
ありがとうございます。
第22回電撃小説大賞、銀賞受賞作品。
気持ちいくらい王道を行く剣と魔法のRPG風ファンタジー。
これ系のファンタジーはいつの時代も少年少女達の心を掴んで離さないが、そのために粗悪品が溢れてもいる。が、潔く王道を突っ走るこの作品はこのジャンルの模範となり得るほど世界観・文章・キャラクター造形どれをとっても丁寧だ。本当にお手本として書かれたんじゃないかと思うほど。
世界観は緻密に作り上げられている。ちょっとした描写にもそれが反映されていて、物語に入り込む手助けになる。
文章もなかなか。個人的にラノベの軽い文章は好きではないのだが、この小説はかなりしっかりと書かれている。特に戦闘シーンは骨太。とはいえラノベ的な要素(主人公の心中ツッコミなど)もあるので、そういう意味でもラノベ的王道を踏襲しているのかも。ただハマる文章ではなかった。
キャラクターもこれまた(ラノベ的)王道。ただ、「萌え」の要素がありつつ、「萌え」だけのためにそれが存在しているわけではないのがいい。ありがちの要素にもきちんと背景が存在していて、それが物語に絡んでくる。安易な「萌え」に落とし込まなかったのには敬服する。
ストーリーについてはネタバレになるので踏み込まないが、読者を良い意味で翻弄しようとしているのが伝わってくる。面白くなってくるのは後半から。前半は世界観に浸るための準備運動といった感じ。伏線も散りばめられていて、全体的に相当計算されて作られている。
総合的な感想としては、教科書みたいな王道RPG系ファンタジーだなあという感じ。指南本に書かれていることを素直に実行すればこういう小説になるのではないかという気がする。ほとんどの人はそれができないので、そういう意味では素直に凄いと思うのだが、クセがなさすぎてイマイチハマれなかった。
余談だが、ラノベは二巻目以降が雑になる印象がある。ラノベに求められている刊行スピードのせいなのかわからないが……。この作品がそうならないことを祈る。
投稿元:
レビューを見る
ブクログの献本企画で当たりました。
最高でした。最後はボロボロ泣きながら読んでました。
帯にある通り、「これぞファンタジー」という世界観で、中世ヨーロッパ調のファンタジーの空気にどっぷりとひたれました。
その中で、主人公と姫の感情の揺れ動きがとても丁寧に描かれていて、最後は2人が幸せになって欲しい……と願いながら、読んでました。
「言血」の使い方も素晴らしかったです。
最初は言血を世界観のギミックとしか捉えてませんでした。
言血を使って、体術や剣術が向上したり、獣を従えることが出来たり……「ああ、ファンタジーだなぁ」と読んでいたのですが、ラストで姫があの選択をしたときに「このラストのために言血があったんだ……!」と号泣してました。
このお話の続編が出るとしたら、国王と師匠や、幼い頃の主人公と姫のお話が読んでみたいです。
投稿元:
レビューを見る
言葉を話せない高貴な少女と、彼女を守るため戦う少年は、書庫で出会った。手語という二人だけのことばで二人は語り合う……『図書館の魔女』かな?と最初は思いましたが、いろいろと違いました。うん、これもいいですね。
猫の血、蛇の血、鳥の血、言血、調伏、護舞官と王族に、王鳥、翼。豊かな世界観が魅力的。
ただ、できればもっと一つ一つにエピソードを盛り込んで、じっくり進めてほしかったような気もする。三巻構成くらいでも良かったかも。
投稿元:
レビューを見る
成人の儀を行うために赤燕の森へと向かった王女と二人の護衛は
夜の森で何者かの襲撃にあう
限定的にしか知られることのない儀式の日取りの漏洩
一向に見えない敵の意図
真意を探るため逃避行を続ける王女と護舞官はやがて
その足下を揺るがすほどの真実へとたどり着くのだった
***
衝撃、のひとこと
きっとこうなるだろうという予想が裏切られたのもさることながら
シリーズものとして次巻が出るというのにこのラスト!と驚きを隠せない
願わくば、しゃべる剣☆的な展開にはならないことを…
とにかく文章がとてもよかった
描写や表現、間の取り方みたいな空気も
しっかり物語に引き込むようになっていて巧いなぁと!
戦闘シーンの息詰まる感じも良かった
稚拙すぎず難解すぎずな丁度よいバランスの文章
設定も新鮮な点がいくつもあって
しかもそれらを説明的に多くを語るのではなく
徐々に物語の中での生活や息遣い、行動を通して伝えていくのが良い
世界設定の最大のポイントと思われる「言血」というものの理解や
言葉の重みのようなものがとても大切にされている
その若き燕たちが降り立つところはどこになるのか
非常に楽しみ
投稿元:
レビューを見る
【ブクログ様の献本で】
頂戴いたしました。ありがとうございます!
ラノベ書きの勉強のためにも、とても参考になりました!きっと今後のためのレビューだと思うので、辛めに☆3とさせていただきました。
「読書量は多く、サウンドノベル&ゲーム好きだが、ラノベ慣れしていない30代女」ということが前提条件としてのレビューは以下の通りです。
・はじめが、とてもとっつきにくかった
です。献本でなければ、読むのをやめていました。ただ、一度世界観に慣れてしまえば、なんとかいける…かな?
・世界観そのものは、とてもとても作り込まれていて、言血のシステムも私的には好みでした。
・ベオル周りの話が薄い?
・ラストがここで終わったら、続きは苦しいのでは?という気も。
・それぞれのイベントがラストにしっかり意味を持って回収されていく構成は、流石とおもいました。
今後のご活躍を楽しみにしております!
投稿元:
レビューを見る
巻末広告(だったかな?)に掲載されていて、なんとなく気になったのでぽち。おもしろかったです。展開が「え。うそ。はい!?」ってなりました。決して俺強な主人公ではないけれど、だからこそ、盲目的とも言える想いについ寄り添ってしまいましたね。
しかし、世界設定がほんとすごいなあって。「こうある!」という概念を揺さぶられた感じがします。説明すべき、と思っているところをそうくるか! って。つづき、出るならば買ってみようと思います。
投稿元:
レビューを見る
剣と魔法のハイファンタジー。
世界観が結構独特。
言血と呼ばれる人の血液に知識や記憶や想いや痛みが記憶され、王族はその力を歌によって引出し奇跡を起こし、戦士はその流れを制御することで力を引き出す世界で、王女とそれを守る騎士が罠に嵌って命を狙われる物語。
普通のライトノベルに比べ、なかなかよく書き込まれている印象。
字が小さくて読むのが辛い(笑)
読んでて驚いたのは、いろいろあって最終的に少年が姫を助け出す王道展開になったなっと思ったら、その姫が亡くなってしまったこと。
え? ヒロインいなくなっちゃったよ? いいの? と思った。
タイトルにIと付いているからには最初から2巻以降もあるはずなので、ヒロインを失ったこの後の展開が難しいなあ。
旅の仲間のもう一人の少女では役不足だし……と思ったのだけど、よく考えたら、この世界では人は言血を命の水にたらすことによって生まれてくるはずなので、たぶん、アルナの言血が注ぎ込まれた剣によって、この先彼女はきっと復活するんだろうな。
そして、彼女を罠にはめ、殺した彼女の母親である現国王への反撃と、王権奪還する展開までは読めた(笑)
ただ、主人公が精神的にわりとへたれなので、スカッとするところがないのが、もう一つかなあ。
取りあえず、予想が当たるか、次巻も読んでみるか。
投稿元:
レビューを見る
全3巻完結。
良くある剣士と王女の冒険譚との最初の予想は1巻目で覆されて、それから海外のSF作品のように、こことは違う世界に浸りました。
最後の『後書き』を含めとても素敵な作品構成だと思いました。