紙の本
彦八まつり前に読みました。
2016/11/07 13:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なんじゃく - この投稿者のレビュー一覧を見る
落語好きにはたまらない二人にかかわる物語でした。
策伝和尚、彦八さんの物語。
生國魂神社を舞台にこれからも落語は引き継がれて
いきます。彦八まつりも引き継がれてゆくと思います。
どんどん進化、深化してゆくと思いました。
紙の本
作者のイメージが変わった
2017/02/09 12:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
木下作品はみんなドロドロしてイヤーな感じというイメージがありましたが 題材が題材なだけに飄々として軽やかでした。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
四章を読んでる間、ちらっとこれは三章で終わるべきだったかな、と思ったんですけど、四章も良かった。
ちょっと展開が無理やりというか都合がいいかも、と感じたけどそれ以上に面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
巡り巡って策伝の夢を叶える彦八、かっこいいです。
投稿元:
レビューを見る
落語好きとして迷うことなく手に取った一冊!
有名な名跡を残すこととなる米沢彦八の一生を描く本書、随所に軽口が散りばめられニタニタしながら読むことができた。
特に上方の名作有馬小便の原話となるエピソードには心躍る。
ラストはどことなく「レ・ミゼラブル」を彷彿とさせる。
個人的には喜多郎の人の色がボヤけてたように感じてしまった。
投稿元:
レビューを見る
安楽庵策伝、露の五郎兵衛、鹿野武左衛門らと共に「落語の祖」とされる米沢彦八の物語。落語の起源話でもあり、落語好きには興味の尽きない内容だった。「猫三十匹分の蚤に体喰われてまえ」のところが好き。
投稿元:
レビューを見る
じりじりとした話だった.己の力,時代の変化,周囲の人々など,動かしがたい境界条件の中で,いかにもがき,いかに生きていくか,そこのところがストレートに伝わってくる話だった.
投稿元:
レビューを見る
笑一筋に,なり振りかまわず邁進する米澤彦八.どこか憎めない人柄も,彼を助ける.特に兄は怒りながらも,彼の存在を許しているのが微笑ましい.たくさんの落語も楽しかった.
投稿元:
レビューを見る
面白いです。たらふくつるてんの後に読みました。こっちも面白いです。映画やドラマになってみんなに見て欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
上方落語の始祖・米沢彦八の一代記。
道端で自作の笑い噺を披露するという辻咄のスタイルが、彦八らの手によって徐々に現在の上方落語に近いスタイルになっていく様が興味深く面白かった。面白い噺を作ること自体、容易なことではないが、噺家という商売そのものを一から築き上げていく困難さを垣間見ることが出来たように思う。
いかにも芸人さんらしい波乱万丈な彦八の生涯であったけれど、最後くらいはもうちょっとハッピーになってほしかったかも。まぁ、これもぼんくら男の彦八らしい彦八の終わり方だったかもしれないが。
投稿元:
レビューを見る
表紙の絵は客の足を停めさせるための俄(物真似)で大名の振り~太閤さんにも喜ばれたお伽衆の初代・安楽庵策伝は金山のある飛騨高山藩の藩主の弟であったが,誰に呼ばれても,そのお伽衆と成らず,醒睡笑を著したが,同じ藩から出てきた二代目は腕も立ち物覚えも抜群であるが,咄は巧くない。金山を巡る争いで幕府の介入を防いでいたが,幼い藩主が幕府に丸め込まれそうで,出奔し,大坂の辻に立つ。それを見ていたのが米沢屋という漬物屋の次男である彦八だった。幼馴染みの里乃と子供たちを集めて小屋遊びをし,小石や貝殻を銭に見立てていたが,里乃の家業の米問屋が傾いて,夜逃げした。彦八がいずれは天下一のお伽衆になって里乃を笑わせると誓うと,その時は『真筆・醒睡笑』を呉れてやると,二代目は言い残して,騒動が持ち上がっている飛騨高山に帰っていった。彦八は,難波村の塗り師の跡取りが家出をして江戸で辻咄を生業としていると聞いて,猫の蚤取りの為の狼の毛皮を持って,江戸に下る。江戸では,上手な辻咄は,大名のお伽衆に抱えられるより,大商人の座敷に呼んで貰うことを望んで,辻から消えていく。塗り師・志賀屋の左衛門の咄は巧みなのに売れない。梅若という子を残して女房は同業の伽羅小左衛門の許に行ってしまった。もともと役者を目指していたが,馬の足役をからかわれて逃げ出したが,浮世絵師の石川流宣が,鹿野武左衛門として売り出しに必死だ。弟子になりたい彦八は,絵のモデルとしてポーズをとる姿に目をつけ,咄に身振り手振りを付けることを提案する。見事に受けて咄家としては西の大関に輝き,彦八も弟子として認められ,辻に立つようになるが,彦八の才能を見た石川は伽羅一家の若手に,彦八の作った咄を漏らし,聴衆には彦八が人の咄を盗んだと思わせて,大坂に追っ払われた。家に帰ったものの漬物屋の仕事も満足にこなせず,兄の供として出掛けた京の料理屋で,評判の露の五郎兵衛の咄を聞いて,やる気を奮い立たせた。生國魂神社で様々な小屋を掛けている元締めの竜兵衛に誘われて舞台に立つが,足を停めてくれる客はまばらだ。彦八のじっくり聞かせる咄の好敵手は,次々に笑いを振りまいている。客の足を停めるための作戦として思いついたのが,遊女屋で見た大名の物真似だった。大名俄は評判となり,咄の面白さにも客は気が付いたが,真似される大名の方は,屈強な武士を差し向けて已めさせようとする。彦八が切り捨てられる寸前を救ったのは,二代目の安楽庵策伝であり,贅を尽くした屋敷に住む,その主である藩主の叔父が砂金の山を築いて喋らせようとする,彦八は天下一の軽口男になると言って,取り合わない。実は何も書かれていない『真筆・醒睡笑』を渡す必要もなかった。鹿野武左衛門が書いた本のせいで大島流しにあったのを聞いて,気が気でない彦八は弟子を採るどころの騒ぎでないが,京から来た露の五郎兵衛は江戸から上ってきた若い男を弟子として押し付けた。炊事も片付けもやってくれるので良いのだが,咄は巧くなく,恩赦で江戸へ戻った鹿野武左衛門の悪口を言った咄家仲間と大喧嘩をして,武左衛門の息子の梅若であると気が付いた。謹慎中の塗り師の仕事が見事だったので,その道に進ませるため,武左衛門を江戸から呼んで引導を渡させた。弟子がいなくなって不便を感じた彦八の許に,豆腐屋をしくじった男が付いてから,一門が隆盛を極めた。一番弟子に名を譲って引退することを決意した彦八の許に現れたのは,名古屋の米問屋の嫁となり孫にも恵まれた里乃だった。その夫は,名古屋に常設の小屋を建てるので,そのこけら落としに名古屋に来いと誘うが,彦八の名が必要だと言う。悩んだ末に,弟子に名を譲るのを急遽取り消した彦八は単独で名古屋を目指すが,途中で病に倒れ,舞台に上がることはできなかったが,里乃の孫娘を笑わせることはできた~木下さんは1974年大阪生まれで,直木賞候補作家。近大建築卒でハウスメーカーに勤めた。彼の発想は面白いのだが,その面白さが褪めてしまうような下手の表現が時々出てくるのが残念。江戸と東京の違い。江戸と東京の違い。そして,そのどちらでもない話芸のあり方を名古屋に求めた。座敷芸か,辻芸か,小屋芸か?
投稿元:
レビューを見る
「あー、誰かを笑かしたいなぁ」
幼い頃から人を笑わせることばかり考えていた、上方落語の始祖とされ大衆に笑いを届けた米沢彦八の一代記。
お客を笑わせるのって、ほんと難しい。
江戸、大坂と場所が変わると笑いのツボも全く違うし、才能がある故に出る杭も打たれる。
それでも身分等構わず皆を笑せたる。
自分の芸を見てお客が笑う、そのことが何より嬉しい。
その心意気がカッコいい!
今でも地元大阪で年に一度「彦八まつり」があり未だに慕われて続けている彦八。
草葉の陰で自分のゆるキャラを見て「なんやこれ!」と大笑いしながらツッコミを入れてるといいな。
投稿元:
レビューを見る
今で言う芸人さん、噺家さんのご先祖様のような米沢彦八の物語。読む前は、ネタの笑い話がつまらなかったら、読むのが辛いなと思ってたけど、稀有に終わった。もちろん現代の感覚からすれば、他愛もない素直な笑いなんだけど、それをわざとらしくなく、つまらないと思わせることもなく見せてくれた。
投稿元:
レビューを見る
上方落語の祖、米沢彦八の物語。いやあ面白かった!たくさん泣いた。なんの前評判も知らず、たまたまタイトルに惹かれて手に取ったのだけど、期待もなかったぶん大当たりを引き当てた感がある。素晴らしい。ええ話。実在の人物の史実にifを加えての物語だし、ああこうやって、ひとを笑わせるという芸が“生業”“芸能文化”として確立していったんだなあと、感銘を受けた。ひとを笑わせるという能力に、最大の敬意を払っているので。彦八と里乃の関係、ものすごく好きだなあ。鹿野武左衛門と息子梅若の関係も、はじめて武左衛門が登場するシーンから、あああそこからすべてつながっていたんだ、という運命のラインがあるし、弟子の彦蔵もいいなあ。笑いのプロたちの日常会話の粋なかんじもすごく読みごこちがよかった。これは万人に推したい。
そしてこれって、ちょっとまえに駿河太郎さんが落語家を演じることになって鶴瓶さんには報告済、みたいなネットニュースになってた、あの舞台の原作なんだね。彦八を駿河さんが演じるのならさぞ、見ごたえがありそうだ。大阪で2月かあ。。。機会と余裕に許されるなら観に行きたいけど、いまの立場では無理かなー。きっと舞台も面白そうだけどこの1冊はとにかく大満足!何年たっても忘れない、お気に入りの1冊に出会えた、こういうときの嬉しさはうまく言葉で表現できない。木下さん初読だったのだけれど、ファンになった!
投稿元:
レビューを見る
上方落語の始祖、米沢彦八の話。
人魚も捨て嫁も重めな淡々とした話だったけれど、これは面白く暖かい話でした。
バトンを繋いでいくような。
方言って読みづらく感じるたちなんだけれどこれは言葉も物語もとても流暢でぐいぐい読んでしまった。
田島藤五郎が切なくてかっこいい。
投稿元:
レビューを見る
彦八さんの笑いの原動力には、何度も泣かされてしまいました。
"それ"があるから、才能を妬まれ、貶められ、騙され、命まで狙われても、負けません。
大坂と江戸でのウケかたの違いも、発想の豊かさで克服します。
もちろん、とりまくのは敵だけではありません。
心を通わせた相手と再会しては、小気味よい結果を導きだしたり。
それぞれの人生もひきこもごも。
すでに舞台化はされたようですが、
ドラマや映画化され、笑いと感動が広がるといいな。