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自分の知らない仕事の世界を見せてくれて、そうかこんな仕事もあるんだな・・・と感心する。かなりみっちり取材しているんだろうなぁ。話の筋じたいは面白かった。
ただ・・・
登場人物それぞれが、思いが至らなかった・・・と反省したり自己嫌悪したり。相手の気持ちや状況をかなり深くまで慮って初めて人として一人前、みたいな空気さえ行間には漂う。
なおかつどういうふうに配慮が足りなかったか、気づかされた機微を長々と独白。そういえば有川さんの小説ってこのパターン多いな、と思った。たぶん自身の信条というか、自分にも人にも求めたいことの筆頭なんだろうな。
しかし現実問題かなりハードル高いと思う。目の前の相手の第一の層までは見えていても、その更に奥の層なんか、とっさの会話の中で考えていられない。そこまで考えてモノ言えたら逆に気を使いすぎなんじゃなかろうか。配慮のある人だ、と思うより、深読みされすぎてこわい、と思う方が先に立つような気がする。
一度そんなことが気になると、もうあとはそればかり目についてしまって・・・。ちょっと素直に楽しめず。
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ドラマを先に見てからの原作だったが、失望感なく世界観に入り込むことができた。
発刊間際の東日本大震災、そして松島の津波被害…作者の望むところではなかっただろうが、「あの日の松島」を描くために本編があったのではと感じられるような運命。
荒木氏の解説にも心響くものがある。
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読んで本当に良かった。
最後の松島の話なんかは、すごく良かった。
熊本で救援活動している自衛隊の皆さん、本当にお疲れ様です。
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テレビドラマが面白くて繰り返し見た作品。文庫本が出ているのを見つけて買ってみた。
原作が良いのか、テレビドラマとして作った部分が良く出来ているのか興味があったから。
結果。
原作の出来が素晴らしい。テレビのほとんどのエピソードが原作から来てた。
テレビで追加されたエピソードもすごく効果的でテレビドラマ化がすごく上手く出来た作品だったんだなぁと感心した。
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夢をあきらめた人や、挫折した人の指針になる本だと思う。
リカと空井の淡い恋模様にも満足できます。
そのうえ自衛隊を身近に感じることができました。
何より松島の話が良かった。
読んで本当に良かったです。
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文庫本化が待ち切れず、
TVドラマを先に見たが、
ドラマは自衛官と恋愛の二本柱、
ドラマとの比較だからか
原作は自衛官の一本!という印象。
登場人物は、(あいかわらず)
爽やで繊細で真っすぐで善良で、
衝突や躓き、ヒト波乱あっても
望ましく正しいところに着地するだろうと
安心しながらハラハラ読める。
どちらもエンターテインメント充分だけど
メッセージは文字の方が伝わりやすい。
だから、考えさせられる部分も。
もう一度ドラマ見ようかな(DTV)
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面白かった!
久々の有川浩の自衛隊小説!
知らない世界を知れる快感。
今回は挫折のあとのそれからで、
振り切れない苦しさとか立ち直るまでの長い時間がとてもリアルで、
何かに負けそうになったとき読み返したいと思いました。
自分の道は決してひとつではなくて、たくさんある道のどれを選ぶかよりどう歩くかが大事なんだろう。
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高校生の時に出てすぐ読了。
とても引き込まれて、この本のおかげでわたしはブルーインパルスを見に基地まで出掛けたくらい。
ドラマ化したけれども、ドラマも好きだけれども、
やっぱりこの小説の世界観が好きでした。
また読み返そう、装丁が変わらずこのまま文庫になったことが嬉しい。だがしかしあのずっしりとした単行本の重さ、物語の重さも懐かしく感じる。いずれ単行本も手に取りわたしの宝物にそっと付け加えたい。
それくらい大切で大好きな一冊である。
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それぞれのキャラが立っていて、
時に荒く、時に慎ましく、
ほろっとさせるエピソードもあったり、
ぶつかったエピソードとかもあったり。
本当に、自衛隊も人だと分かる。
最後の松島の話を追加で
入れたみたいなのですが、
この話がまたいい。
また、有川浩氏の解説も必読。
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言葉にしたいことが多すぎてまとまりません。
まずとても大切なこと、きっと有川浩さんも
賛同してくださることを書きます。
自衛隊は世界中でも他に例を見ない、特殊な
職業集団です。多くの日本人が知る自衛隊像は
賛否両論に分かれます。侵略戦争をしないこと
を憲法に謳う国の軍隊。それだけでも、その
存在価値に矛盾や疑問を感じる国民が多いのは
当然です。
その矛盾のかたまりに日常的に晒されながら
職業としての自衛官であり続ける。
有川作品に触れる時、そんな自衛官の職業意識
を根底で支えるものとは何なのだろう…そんな
好奇心を働かせてほしいと思います。
自分や家族の暮らしを支えるために、人は仕事
を選び、働き続けます。でも警察や消防や、
まして自衛隊は、それだけのためには決して
選ばない職業だと思うのです。
ヒーローではなく、人間として普通に生きる
ことに、さらにもうひとつの意味を見出した
自衛官の皆さんをちゃんと理解するために、
この作品をぜひ読んでほしいと思います。
侵略戦争を二度としないことを憲法に宣言した
国の、戦争をしない軍隊。
自衛隊がこの国にあるという矛盾こそが、
日本が平和であることのひとつの大切な示唆
だと思うのです。
どこにでもいる普通の人。なのにその職業を
揶揄され、指弾されることもある人たち。
そんな自衛官を、例えば県庁おもてなし課職員
と何も変わらない、職業人として描くために、
有川浩さんはラブコメという手法を選んでいる
のだと思います。
そうしてこの作品がいつもの激甘テイストを
控えめにしている理由も、巻末の後日譚で理解
できました。
でも、あとがきを寄せたリアル鷺坂室長も
書いていらっしゃいますが、空井とリカの恋は
いつか必ず、あの有川テイストで書いてほしい。
…リアル鷺坂さんは本当にしっかり有川作品を
読んでいらっしゃるし、プロ批評家顔負けの
冷静な分析をされているのに…実は相当の有川
作品ファンだと見抜きました(笑)
いつもと少しだけ違う有川作品。いつもよりも
作者の想いに強く触れられた作品です。
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作者の持つ純粋な思いを託された登場人物達に心を鷲掴みにされて物語に持って行かれる.実際の自衛官達が覚悟を持って事にあたっているのと同様,小説を書くということに覚悟を決めている.これぞ愛と呼ばずしてなんと言おう.
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「あなたたちは何も気にしなくていいんです」
こんな気持ちで働くって、とてもすばらしいけど辛い。
けど本人たちはそうは思ってないんだろうな。
なんて思うくらいに少し理解できた気でいるけど、理解できていないことの方がまだまだ多い。
通勤時間でちょこちょこ読みだったけど、電車内で何回も涙ぐんだ。
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ハードカバーで既に読んでるけど、ドラマ化された時も全部見て、まだ録画残ってるけど、文庫本が出たので買って読みました。元々ハードカバーは2011夏に出版される予定だったところ、3.11が起きたので延期して「あの日の松島」という続きを加えて2012夏に出版されたもの。
震災の被害にあった松島基地(宮城県にある航空自衛隊基地。ブルーインパルスが所属する)のその時の状況と、自衛官たちの被災者支援の話は、小説の設定内だけれどほぼノンフィクション。その中で、マスコミには「自衛官は冷たい缶メシ食べながらがんばってくれてる」ということより「自衛隊が来ることで被災者が暖かいご飯が食べれるということを伝えてほしい」という言葉が。
ちょうど今、熊本地震の自衛隊による支援で、自衛官たちのウラでの食事の件がネット上で書かれていたけれど(それはマスコミではない個々の発信だけれど)、彼らの思いはその先なんだなぁ、と。
文庫本ならではは、後解説に、”リアル鷺坂”さんによる裏話があったこと。彼が言うようにドラマに先を越された空井とリカのその先を読んでみたい!
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既読だとばかり思いこんでいたのですが、どうやらTVドラマの方を(部分的にですが)見た記憶だったようです。
相変わらずベタ甘なのですが、それでも読ませるのが有川さんの良いところ。堪能しました。
ただ、映像を先に見てしまうと、どうもそのイメージが頭に残ってしまうのが困ったものです
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有川さんの超大作。飽きることなく読み終わった。迷うことなく☆5つ付けるよ。
舞台は自衛隊の広報室。
元パイロットが不慮の事故からパイロット免許を剥奪され、広報官として新たな道を開いていくお話。
主人公を取り巻く人たちとのドラマや自衛隊で働く人たちの想いや志が胸を打つ。決してお涙頂戴的な分かりやすい安いドラマじゃなくて、重すぎず、清々しさもあって読み心地も良い。
対象を記号として捉えるのではなく、同じ1人の人間だと気づいてからの空井とリカの成長が、自分も仕事をしていた気になっていた頃の葛藤や躓きから成長した頃と重なる部分もあって、尚のこと共感を持てた。