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紙の本

21世紀の地政学

2016/07/27 23:34

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者倉都康行氏は、この三月惜しまれつつ放送が終了した、国谷裕子キャスターのNHKの報道番組「クローズアップ現代」に常連で登場していたコメンテーターであった。毎年二回、世界経済と金融情勢の分析と見通しを、30分間という短い放送時間の中の、さらに短いコメント枠の中で、国谷キャスターの鋭い切込みに、平明な言葉で的確に、わかりやすいコメントで応えていたように思う。
国谷氏は、シナリオなしに番組を進行させていたそうなので、ゲスト・コメンテーターも大変であっただろうが、知識・経験とも豊富なエコノミスト倉都氏は常連であったことから、国谷氏との信頼関係があったのだろう。
皮肉なことに番組が終了してから、米国大統領選挙、英国EU離脱、南シナ海領有権問題、トルコ・クーデターなど、今後の世界情勢の激変を予感させるような、耳目を集める事件が相次いだ。二人の掛け合いで、これらの事件の分析と今後の動きなどを聴ければ面白かったのだが、本書はそれを補うような内容の本である。テレビでのコメントを聞いているかのように平明な語り口で読み易い内容であり、肩が凝らずに一気に読み進めることができる。
本書の前に、「サイクス=ピコ協定百年の呪縛 中東大混迷を解く」(池内恵著、新潮選書)を読む機会があった。百年前の1916年、英・仏・露によって結ばれた秘密協定「サイクス=ピコ協定」により無理やり引かれた国境線こそが、現在欧州・世界へ難民とテロを拡散させ中東の混乱をもたらした諸悪の根源と単純にみなすのではなく、さらに古くからの中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係から原因を説き起こす内容であるが、こちらが伝統的な意味、「地理的環境と国際政治の関係」という意味での「地政学」といえるだろう。そして911以後米国連邦制度準備理事会が「地政学」と資本市場と結びつけて用いるようになり、以後市場用語として定着した「地政学」を俯瞰するのが本書である。
本書では、この「地政学」リスクを五つの類型に整理している。環境問題と地政学リスクを結び付けているように、概念が拡張されているように読めるが、歴史軸はきちんと押さえているし、さらにそのリスクの実態は、貧困にもとづく経済格差と差別にもとづく憎悪にあることを喝破している。また、外交手段として確立した金融制裁や「世界の警察」としての地域への関与といういずれも米国主導の政策を変数とする関数として「地政学」リスクを捉えること、さらに、安全保障上の知り得る情報の三分類を地政学リスクに当てはめてとらえる視点などは、今後報道などで「地政学」リスクに接したときに、そのリスクをどのように評価すべきか参考になる視点となる。
本書は、日本は海外に起因する地政学リスクに疎いだけでなく、「日本国内に自ら抱える地政学リスク」に鈍感である、という著者の危機意識から本書は生まれたと思われるが、そこには筆写自身がディーラー時代、イランのクウェート侵攻のために投資を失敗した苦い経験もあったのだろう。世界情勢と投資は別世界の話ではあるが、「予測可能性」の重要性では同じである。本書を今後の世界情勢を読み解く参考とするか、また、投資の指南書とするかは、読む者の問題であろう。最後に著者の失敗談の後日談のエピソード。損失をカバーするためにとった、当時のマーケット環境では予想外の投資行動が、資本市場に波風を立てたようである。これも「地政学」リスクと見ることができるだろうか。

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