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「これを調べたのが、遺伝率で、「身長の遺伝率66%」というのは、背の高さのばらつきのうち66%を遺伝で、34%を環境で説明できるということだ。」
遺伝の話、醜美の話、性差の話が中心。特に遺伝に関係するする話が大部分を占める。
兄弟は友達よりも疎遠になる。
妊娠中のタバコ、アルコールは悪影響が甚大。
男はモノ、女はヒトに関わる仕事を好む。
女がエクスタシーで叫ぶのは、多くの男を呼び集めるため。
簡単に読めるが、面白い本。
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帯に書いてあることはハッタリじゃない。読むと本当に不快な気分になる。(黄金の羽根の拾い方)を人生の指針の一つとし、著作から多大な影響を受けている私でも、精神的に堪える内容だった。
ヒトの美貌、知性、性行為など、世間のタブーに大胆に理詰めで切り込んでおりこれは読む人を選ぶだろう。。女性には絶対勧められない。若者にもあまり勧められない。
理性を保てる成人男性向け、とあえて断言する。しかしこういった刺激的な思考実験を含む本こそ、今の時代に必要な物だとも思った。
誰にでも口当たりのよい思想を書いた本など、有り余っている時代なのだから。
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人間の行動、成長、能力は、遺伝と環境によってほぼ決まってしまう事が多いという事実(統計によって有意が証明)から、それが政治的に不都合であるからという理由で目を背けることなく、それを認めた上で、社会政策を行っていくべきだというのが著者の主張ですね。
ドーキンス等の進化生物学をベースにした議論で、著者があとがきで述べていますが、「読まなくていい本の読書案内」
の続編としての性格があります。
物議を醸すとは思いますが、誰かが言わないと正しい方向に物事を進めていく事ができないので、そういう意味で著者の試みに賛同したいと思います。
全てに同意したいとは思いませんが。
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努力しても遺伝的形質に勝てない現実もある、ということを論理的に説明している。が論理的思考の羅列に頭が疲れて読み続けられなかった。
・やせた女性は美しい
これは言外に「太っている女性は醜い」と言っている
・子どもは明るくあるべき
これは「暗くて地味な子どもには問題がある」という規範を内包している。
・子どもが逆上がりできないのは親が運動音痴だから
・子どもの歌が下手なのは親が音痴だから
・子どもの成績が悪いのは親が馬鹿だからだ
運動や音楽の上手下手は個性で片づけられるが、知能になると社会的に子供の将来や評価に直結するので、努力によって向上しなければならない、という暗黙の強い社会的規範が働いている。
なるほどおもしろい論理ではある。
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あかーん、読みきれんかった。
主張が正しいのかどうかは検証してないのだが、全体から漂うトンデモ臭。
ところどころ、統計的な錯誤とか因果関係の錯誤とか触れてはいるのだが、自分の主張にそれがきちんと検証されているかどうか全く疑問。
参考図書もムッチャ偏ってるし限られてるし、エビデンスがあると言われても、エビデンスがクソなら、クソがクソを生む以外にない。
谷岡先生とか、菊池先生とか読んだらなんていうんだろう。
肝心なところで、はず、とか、考えらえるとか、解釈と証明は違うってことがどうなんだろう。
こんなもんがベストセラーになって、俺も、何ヶ月も図書館で待って、まだあと待ちが100人以上いると思うと、嫌悪感が先に立つ。
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論理的推論能力の遺伝率68% 一般知能IQの遺伝率は77% 頭のよしあしは7-8割は遺伝で説明できる
統合失調症の遺伝率は8割
身長の遺伝率が66% 体重の遺伝率は74%
サイコパスの遺伝率は81% 環境の影響は2割弱 環境は子育てでなくはなく、友達関係のような非共有環境の影響
よくある誤解は、遺伝率を個々のかくりつでと取り違えること
相関関係があるからといって因果関係があるとは限らない
ユダヤ アシュケナージ系ユダヤ人だけ知能が高い
アシュケナージはドイツのという意味 ライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とする
ユダヤ人差別 キリスト教では禁忌とされていた金貸しで生計をたてざろうえなかった
セロトニン 幸福ホルモン
セロトニンを運搬するトランスポータ遺伝子
伝達能力が高いL型 伝達能力が低いS型
その組み合わせで LL LS SS
日本人の7割がSS型
不安感がつよく将来に備えようとする
アメリカの経済格差は知能の格差
貧困女子の3つの障害 精神障害、発達障害、知的障害
社会資本(家族や友人)も金融資本(貯金)もほとんどもっていないので、人的資本(仕事)を失うとあっというまに社会の最底辺に陥る
風俗がセーフティーネット
風俗市場の縮小
セックスのデフレ化 コンビニ、居酒屋の店員、介護職員と給与がかわらない
知識社会とは、知能の高い人が知能の低い人間を搾取する社会のことなのだ
心拍の低さ
怖れの欠如、共感の低さ、刺激の追求
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以前「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」という当時のベストセラーを読んで、それ以来、彼の出す本はいつも気になっていました。
今回、私から見れば変わったタイトルの本が、新刊本として並んでいたので思わず手に取ってみました。ある意味、残酷な内容が書かれています。
夢のある若い人は、この本に書かれている内容を信じてほしくないですが、人生の半分を過ぎて、長年の体験・まわりの人達の長期間にわたる動向等を見ていると、なるほどと納得してしまう部分が多いです。
第三章の「子育てや教育は子供の成長と関係ない」という内容は衝撃的ですが、子供は自分で成長するもの、と考えることもでき、少し安心した感もありました。この本を通して、親としてどのように接するべきか、また自分の将来をどう組み立てるか、という命題に取り組む機会を与えられたと感じました。
以下は気になったポイントです。
・行動遺伝学によれば、論理的推論能力の遺伝率は68%、一般知能の遺伝率は77%、これは知能の良し悪しの7-8割は遺伝で説明できると示している(p21)
・体重の遺伝率は74%で、身長の66%よりも高い。ダイエットに成功できるのは、遺伝的にやせている人だけ、という可能性が高い(p31)
・言語性知能は家庭環境の影響を強く受けるが、それ以外の、一般知能の8割、論理的推論能力の7割が遺伝で説明できる(p37)
・1969年にアーサー・ジョンセンが論文にて、知能を記憶力(レベル1)と、概念理解(レベル2)に分け、レベル1の知能は全ての人種に共有されるが、レベル2の知能は、白人とアジア系が、黒人やメキシコ系に比べて統計的に有意に高いと示して、暗殺されかねない非難を受けた(p39)
・同じIQで見れば、黒人は白人か平等か、むしろ優遇されている。黒人が差別されている様に見えるのは、白人に比べて知能の低い層が大きいから(p43)
・知能が環境から影響をうける証拠は膨大、例えば3歳時点で栄養不良だった子供は、11歳時点のIQが低い、成長後も知能は低い(p45)
・DNA分析では、今日のアシュケナジー系ユダヤ人は、祖先である中東人の遺伝子をいまだに50%ちかく保有している、これは2000年間における混血率が1世代あたり1%未満であることを示している(p52)
・古代人の骨のDNA解析は、日本人の祖先(弥生人)が中国南部(揚子江流域)から朝鮮半島南部を経て北九州に渡ってきたことを明らかにしつつある(p55)
・犯罪統計では、殺人の多くが家庭内で起きている、午前3時のセントラルパークより家族といるほうが危ない、と言われるが、正しい統計をとるなら、午前3時にセントラルパークを1時間散歩することと、同じ1時間を家族とともにいることの危険性を比較すべき(p92)
・写真から判断できないものとして、誠実さ・穏やかさ・政治的見解、である(p124)
・知性は会話を聞かなくても、外見から推測できる。研究者は知性を表す手がかりとして、視線(相手の目を見る)と、美しい顔立ち���挙げている(p126)
・攻撃的な印象を与えるか否かは、顔の幅と長さの比率、面長の顔と幅の広い顔を見せられた時、幅広い顔を攻撃的と判断する(p130)
・アメリカの裁判所は、人種のちがいによって刑を買えないという意味では平等であったが、一方で、容貌から内面を推し量るという錯覚にとらわれ、顔立ちが暴力的だと直感した被告に重い刑を課していた。日常的判断は、視覚に大きく依存する(p135)
・あらゆる社会に共通する美の基準は、顔の対称性と肌のなめらかさで、女性の体型で重要なのは、ウエストのくびれ。対称性が崩れていたり、肌に湿疹・炎症があるのは感染症の兆候、ウエストの膨らんだ女性は妊娠の可能性がある、いずれも子孫を残すのに障害となる(p136)
・大卒サラリーマンの生涯賃金は、約3億円、美人は生涯に2400万円得(8%得)して、不美人は1200万円損(4%損)する、美貌格差は3600万円、年換算でみると、24万円の得と、12万円のペナルティ。男の場合は、イケメンが4%の得に対して、逆は13%のペナルティ(p138、140)
・共学では、男子と女子は個人というよりも、それぞれが属するグループの地位によってつきあう相手を選ぶ。グループで一番人気のある男の子は、人気のある女の子とデートする(p163)
・10の資源を持つオスと、4の資源しか持たないオスは、当然10の資源のほうが好ましい。だが10の資源を3人で分け合うのなら、4の資源のオスを独占したほうが経済的に合理的。これがヒトの社会で一夫一婦制が広く観察される理由とされる(p169)
・農耕が、幸福な旧石器時代人を、エデンの園から追い払い、すべてを変えてしまった。狩猟採集社会では、所有・独占は無意味だったが、農耕社会では土地を奪われれば飢え死にする(p197)
・子育てによって、言葉や宗教を教えることができるが、知能や性格には共有環境の影響がほとんど見られない。残酷すぎる真実として、子供の人格や能力・才能の形成に子育ては殆ど関係ない(p210、212)
・現代人の遺伝子は旧石器時代の人類とほとんど変わらない、私達は遺伝的に、200万年以上つづいた旧石器時代の環境に最適化されているはず、子育ての大切さが強調されるようになったのは、教育が将来の成功を左右するようになった近代以降(p221)
・子供達にとって死活的に重要なのは、親との会話ではなく、自分の面倒をみてくれるはずの、年上の子供達とのコミュニケーションである(p224)
・子供は友達集団のなかで、グループの掟に従いつつ、役割を決めて自分を目立たせるという複雑なゲームをしている。子供の人格は、遺伝的な要素を土台として、友達関係の中でつくられる、こう考えると、別々に育てられた一卵性双生児がなぜよく似ているかの理由がわかる(p228)
・親の説教よりも、友達との約束のほうがずっと大事だったことを思い出すのではないか(p231)
・どんな集団でも必ずリーダーがいるが、二人のリーダーが共存することは無い。キャラがかぶれば、どちらかが譲るしかない。同じ遺伝子を持っていても��双子)、集団内でキャラが異なればちがう性格が生まれ、異なる人生を歩むことになる(p233)
・知的能力を伸ばすならば、よい成績を取ることがいじめの理由にならない学校(友達集団)を選ぶべき(p242)
2016年5月5日作成
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【身も蓋もないほどではない】
なるほどという部分もありますが、腑に落ちない部分も多々あります。
論理が飛躍している部分があり、素直に納得できないところもあります。
人それぞれいろいろな意見があっていいと思いますが。。。
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これをまるっと信じるのもまた軽率な態度だけど、ある程度の因果関係がないとも絶対には言えないということはわかった。学問の世界のタブーって難しいですね。公益と学問の自由の対立なのか。
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一見すると不愉快な事実が書かれているように見えるけれど、実際には統計や研究に基づいた事実がほとんど。目をそらすよりは、直視したほうが意味がある。言ってはいけないが、知っておいたほうがいい。
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実験やら統計やらデータから色んなことを書いてあるんだけど、いまいち。分かりにくい。分かろうとしてないだけだけど。煽り文句ほど興味は持てなかった。遺伝子が諸々を決めると言われれば、まぁそうなんだね、と。だからナニって感じでした。あーこの時間ムダだった。
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「美貌格差」は万人が認める所だろうし、性差というのも概ね共有できる範囲かなとは思う。
「努力は遺伝に勝てない」はそれを言っちゃあオシマイよの世界ではあるが、生物学・統計学的にも許容範囲なのかなとは思う。ただし、データーが恣意的に用いられていないのか?の検証は必要に思うが。
「子育てや教育は子供の成長に関係ない」に関しては反発は大きいだろうな。世間の親は関係あると思い込んで必死なんだから。まあでも全くの無力というわけでもないので、結局は日々の気づきと修正次第なんじゃないのかと。
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酒場のウンチク話を理路整然を聞くような本。ジェンダー・進化論・遺伝・教育。おおっぴらには言われないことだけれど、そうだよな、と嘆息しかり。
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冒頭に「これは不愉快な本だ。気分良く一日を終わりたい人は読まないほうが良い。」とあったが、そんな大げさな本ではない。
遺伝、美貌、教育、Sexなどについて、なんとなくそうだろうと思っていたことを、色々な研究者が解明した事実(現在判っているか、その仮説が有力である事)を、多くの本から引用したものだ。別に著者が解明したものではない。引用元の本を既に何冊か読んでしまっているので、特に驚きは無い。
そんな中でも、男性器のカリにも大切な役割があり、進化の過程でついたものであることを知り、生物の部品はそれぞれ理由があり存在しているのだと感じ、良く出来ているものだと感心した。
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なんとなくそのような気はしたが決して口外してはいけない/暗黙的にそうではないと信じ込まされていた、いわゆる世間のタブーについて、科学論文の裏付けを得ながら「身も蓋もなく」解説している本。人によっては不快に思うかもしれないが、個人的には、論理的で腑に落ちる内容であった。
例えば、子どもの成長は遺伝と非共有環境で決まるのであれば、親ができることは、子どもの才能を最大限に伸ばすことが潜在的に見込まれる非共有環境(友人環境)を選択し用意することであり、親が家庭で子どもにしつけ/教育を施したところで殆ど意味はないため、それを以て(自分の教育努力の効果がないと)悲観する必要はないといったことが、本書で示唆されている点の一つであろう。
本書で取り上げられている事柄のいずれもが(仮説としてではあるが)進化論的に説明されるという点も、実に面白い。