紙の本
ここでも、やっぱり女性は生きにくい
2021/03/13 00:24
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
たしかニコール・キッドマン主演でドラマ化もされてたようだが、読んでみると、なるほどドラマ化にうってつけの要素が満載だ。
所々に挿入される事件当夜の関係者たちの放言も、実際の事件とは対照的な軽いノリで、噂話の続きのよう。そして事件当夜に何があったのか、誰がどうなったのかが、うまくぼかされていて読み手を引き付けて離さない。
ブックツリーにも、被害者探しの趣向だとあったが、パット・マガーの『被害者を捜せ』とどうしても比較したくなる。個人的には、マガーのほうが切れがあったと思うが、こちらは様々なライフスタイルの女性たちの、世間には隠された悩みや生きにくさが描かれているところが今風だ。
個人的に共感できたのはジェーン。ジギーの父親との件を話すときの、圧倒的なエネルギーには胸を揺さぶられた。誇りを踏みにじられた絶望と怒りが、何年も不完全燃焼のようにくすぶり、自分を正当に評価できなくなることがどれほどの傷か、こういう言葉を吐く男性にぜひ理解させないと、と強く思った。お金やキャリア、持ち家、容姿・・・。
他人を評価するときによく参照する一見客観的な基準のようだが、これを万能だと思っていると、メビウスの輪のようにいつかは自身もその基準の枷をはめられ、かんじがらめになってしまう。ジェーンの心の平安と再生を下巻では、ぜひ期待したい。
あと、対立関係にあるレナータ派閥の描写がちょっと類型的すぎる。主人公3人にフォーカスしてるから、そうなのかもしれないが、もう少し工夫がほしいところだ。
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ある幼稚園に子供を通わせる複数の家族の表と裏を描きながらいさかいから事件までの経過をたどっていました。
表では問題のなさそうな富裕層な夫婦の妻が裏ではDVを受けていたり。
再婚して仲よさそうな夫婦の妻は前夫と鉢合わせする上に娘はそっちに行っちゃってぎくしゃく。
シングルマザーは暴力的なセックスをさせられた上に身篭った子供にその男の面影が見える。
その上にいじめや暴力行為の容疑をかけられる。
ママ友同士の緊迫した関係にうすら怖いやらめんどくささを感じたり次の展開が気になりました。
母親の前では聞き分けがよく優しいように思えるのにいじめや暴力行為を言われても信じられないかも。
だから余計に一夜の間違いを意識して面影を意識してしまうのかも。
ただ夫が友人への軽い一言に激昂するセレストもなんだかなぁ。
夫も感情がコントロールできないみたいだし似た者夫婦?
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米英のベストセラー、前編。
美しい海辺の町の幼稚園に子供を通わせている親たちの間で、どんなトラブルが起きたのか?
事件があったことだけを最初に書いておき、それから半年前に遡って、事件までが語られていきます。
名門の幼稚園では、資金集めや派閥争いが盛ん。
富豪の子供もいれば、その家で働く人の子供もいる。
シングルマザーで質素なジェーンは、引っ越してきたばかりで、子守と間違われてしまう。
ジェーンは息子がいじめをしたという疑惑をかけられ、不本意だが晴らすことが出来ない。
おしゃれで気っ風がいい庶民のマデリーンは、幼稚園のボスたちとは距離があり、ジェーンに味方する。
マデリーンと親しいセレストは、裕福な銀行家の妻で、かけねなしの美人なのに、なぜか遠慮がちな性格。
この3人のいきいきした個性と友情がそれぞれの秘めた内心と共に描かれ、なかなか読ませます。
マデリーンは、別れた夫が近くに戻ってきて、再婚した妻との間にできた子を同じ幼稚園に通わせることになったため、猛烈にイライラ。
セレストは、ひた隠しにしているが、夫の暴力に苦しみ、大したことはないと考えてみたり、自分のせいと悩んだりしていた‥
セレストの考え方は、現実にDV被害者が考えがちなことだそうです。
幼稚園での派閥争いや、行事の度の張り合い、保護者たちの抱えた秘密、もつれ合った感情が、資金集めの懇談会で爆発‥
その真相は?
展開に意外性もあり、面白かった!
読後感は大丈夫、良かったですよ~。
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感想は下巻で。
あらすじ
オーストラリア海辺の町の幼稚園。トリビアクイズ大会という、保護者の集まりで事件が起こる。いくつかで起こった騒ぎの結果、一人が死亡した。
中心となる人物は、姉御肌でおっちょこちょいのマデリーン、シングルマザーで我が子がいじめっこだと言われたジェーン、容姿端麗でお金持ち、双子を持つセレスト。そのほか幼稚園では派閥があるらしい。
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あらすじ
最初は子供同士のトラブルだった……。海辺の名門幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵声と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡した。事故か殺人か? ……事の起こりは六カ月前、ジェーンの息子にいじめの嫌疑がかかった。本人はきっぱり否定するが、園内は険悪な雰囲気に。ジェーンは園で知り合った二人の友人と困難な事態に立ち向かう。世界で150万部突破。英米で絶大な人気を誇るミステリ。
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誰が殺されたんだろう?とハラハラしながら読み進めていく形式。パットマガーの重苦しい版って感じ?
三人のママ友さんが物語の軸になっているんだけど、さすが、登場人物が多い。でも、読み進むうちに早々とわかるようになった。
幼稚園の派閥こわいなぁ。
あと、ピリウィー幼稚園のいじめゼロ宣言が逆に取り憑かれてるのかってくらいにいじめを意識してる感があってこわい。もう出だしの標語みたいのだけで背筋ゾワーだった。
後半の展開にいくつか説は考えたけど、全く違う展開かもしれないしな〜と。
誰がどんな嘘をどこでどんな風についているのか、後半で続々明かされるわけですな。
楽しみ。
近所のパティ・ポンダー夫人は後半にも出てくるのかしら。(いや、まぁ、どうでもいいんだけどさ)
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まだ何も動いてない感じ。どんな事件が起きるのか、ワクワク感はある。
ママ友の付き合いって日本と同じようなんだなあっ思った。
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オーストラリアの名門幼稚園を巡る一大騒ぎ。園ママたちの友情と反目、飛び交う噂、そして隠されていた秘密……。男性読者が余り興味を惹かれない要素がてんこ盛り。それもかなり軽めの筆致で描かれているので、アラフィフ親父はお呼びでない感があり、実際読み始めた当初はどうしようかと思った。
だが、読み進めていけば、その軽い筆致と相反し、書かれている内容は意外にヘヴィだと判明する。離婚から数年を経て年頃の娘との関係に悩む母、表面には見えない夫との関係に苦しむ妻、幼い息子との転居を機に一夜の出来事を克服しようとするシングルマザー。主要な三人のキャラクターには共感せざる負えないし、これが女性読者なら、なおのことだろう。北欧ミステリと違って、内容に反したカジュアルな書きっぷりは逆に新鮮だし、深刻過ぎない描写が読んでいる間に救いを与えてもいる。エンディングの後味が良いのも、エンターテインメント作品としては盤石。
ミステリ的には、園内恒例行事の“トリビアクイズ保護者懇親会”で殺人が起こったらしいことが冒頭で示唆され、そこから半年前に遡って物語がスタートし、クリスティでいうところの『ゼロ時間へ』向かって進行するというスタイルが面白い。