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真面目で勤勉で良いことだけを信じてきた若者の行き着く果てが描かれている。過剰な教育に対する批判であり、警告でもある。ひとつのことにとり憑かれた者が如何に盲目で正しい者の声が耳に入らないことか。また、幼少期の教育が如何にその後の人生に影響を与えるかを示唆しているように思える。何度も読み直したい一冊。
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ヘルマン・ヘッセを読んだのは中学の教科書に載っていた少年の日の思い出以来。
ストーリーはもちろん、人物描写や情景描写が秀逸だった。
その分、結末が好きになれなかった。教育批判にしては短絡的かなと。
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『201206 古典強化月間』
これは読むなら思春期でないと意味がない。(しかし思春期にこの手のいわゆる文学に浸って喜びを見出だすのは作品のテーマに反しているように感じる矛盾)
最後は唐突過ぎて面食らった。
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ヘルマン・ヘッセの代表作のうちの一つ。
自分自身のプライドと周囲の期待により、欲を絶ってまでの猛勉強の末、神学校に入った主人公が零落の一途をたどり、ついには破滅してしまうお話。
そこには筆者による、型にはまったマニュアル人間をつくり上げるだけの教育や、生徒への無理解極まる教師への痛烈な批判が感じ取れる。
新訳版は、自然描写や多感な時期の少年の心の叫びがみずみずしく、読みやすいものとなっている。
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ヘッセの本を読んでいて感じることは、これは自分の体を一度通していることなんだな、ということ。
自然の描写、未発達な少年の心の動き、細やかで、みずみずしい表現が秀悦。ヘッセの眼を通してみると、
こんなにも世界は美しいんだなと感じる。
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勉強ができるものの神経が細く、社交的でない少年が、同性愛的な友情や恋を通して成長を見せつつ、破滅へと進んでいく姿を描いた小説。
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なんて 弱くそして強いのか・・
昇華できない心の澱は どこに溜まるのか
小学生の時 仲良しの友達から「もう遊ばない」といわれて非常にショックだった事を思い出した。 あのときの澱はいまだに昇華できてないのかもしれない。
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画一的な理想を強要する閉鎖的な大人たち。素晴らしい人生を歩む才能を持つ少年の人生が、大人たちによって、捻じ曲げられていく過程が瑞々しい文体で綴られていく。活き活きとした自然を描き出した情景描写が、ストーリーの陰鬱さといいバランスをとっている感じ。
母国ドイツ以上に、戦後日本での読者が多いことにも納得。
思春期の苦闘の果てに、「自分という小さな人間とちっぽけな人生が、大きなリズムの中に組み込まれる」のをハンスが観る瞬間、少年の青臭い哀愁が漂って、なぜかあったかい気持ちになる。
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ヘッセは小学校の教科書に載っていた短編を読んだきりで道徳的ないささか説教くさい作風と思い込んでいた。
しかし改めて本作を読んでみて、模範的な人間になることを啓蒙しているのかと思いきや、個性を廃して国家に都合のいい人間を育てようとする社会への批判が込められていることに気づいて読み方がくるりと変わってしまった。
周囲の過剰な期待と失望に抑圧された主人公が束の間の安らぎを得る自然や風景の描写が圧倒的に美しい。
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中学時代に「車輪の下」を読んだ記憶はあるが、内容はサッパリ覚えていなかった。息子の教科書をきっかけに、改めて最近の訳を手にした。十代特有の曲折…というが、酔っ払い溺死しても不思議でない四十代にもタイムリーだった。
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教育って本当に難しいだなと痛感。
ハンスが死んでしまう前に、誰かが救ってあげることはできなかったのかと辛く思う。
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小さい頃のワクワクした気持ちを感じられる部分もあるけれど、常に悲壮感がつきまとう。どうすれば彼は救われたんだろう。
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中学受験をしてた頃以来の再読。
今にして思えば、受験秀才が破滅を迎える話を受験生が読んでいたのね。数か月後に入学した中学校とあいまって、間違いなく今の自分の人格を形成した小説である。
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今までずっと食わず嫌いだった作品なんだけど、想像よりずっと面白かった。もっと前に読んでおけばよかった。
猛勉強して田舎から神学校に進んだ主人公は学校での生活になじめずに落ちこぼれ、敗者として田舎に戻ってくる。機械工として新たな一歩を踏み出そうとするけれど、さらなる苦しみが主人公を襲う‥。
ストーリーは暗いんだけど、ドイツの自然が上手に描かれているし、主人公の脇を固める登場人物たちも個性的で、どんどん読み進められた。田舎でも神学校でも自分の居場所を見つけられなかったある意味「半端」な主人公の苦悩が伝わってきた。
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はじめ読んだのは高校のころだったと思うけど、新潮の高橋建二訳だった。
そのときはやたら内容が重苦しくかんじられたし、読後感がアレなもんで「こなくそ!」てな気分になった。
新訳で読むヘッセ。いいです。
再読だからもちろん物語は破滅という終局に向かっていくことはわかっているんだけれど、全体としてはそんなに暗くなくて、なおかつハンスが最後に感じる抗いようのない徒労感みたいなものにも難なくついていけた。
あとハンスの自然や遊び、あるいはハイルナーに寄せる友情やエンマへの恋慕といった瑞々しさは、やはり新訳に分がある。