首都圏の列車運行管理のダイナミズムが見える良書
2020/05/20 11:02
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投稿者:まさひこり - この投稿者のレビュー一覧を見る
首都圏の列車運行を一元管理するJR東日本の指令室をドキュメント風に記した良書。複雑に入り乱れ、リアルタイムに状況が変わる首都圏列車運行のダイナミズムが手に取るようにわかる。
ドキュメンタリーとしても、鉄道運行管理技術を学ぶとしても良い本。
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投稿者:あかさたな - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々使っている鉄道は東京総合指令室のおかげで動いていると言っても過言ではない。
この本を見た後に鉄道に乗るとまた違った光景が見えてくる。
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タイトなダイヤの上に日々予測不可能なトラブルが起こる日本の鉄道運行は、システム化されて効率化できた部分もありつつ、どうしても人の判断が残るのだなあ。人身事故とかで止まってもイラつかないようにしよう。いや、それよりも、駆け込み乗車をしないことかな。
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JR東日本で電車の運行を管理、遅延などの対策をとる東京総合指令室の仕組み、技術などを伝えている。自分が毎日通勤で使っている横須賀線、逗子駅も登場。テロ対策のため、場所がどこにあるかも(この本でも)明らかにされていない指令室を取材し、コンピュータのATOSなどで自動化されている部分、それにも増して重要な人間によるオペレーションがよくわかる。この3月のダイヤ改正による上野東京ラインにも触れていている。この本を読みながら乗っていた終電も遅れたのだが、今、その瞬間に苦労をしている人達がいるかと思うと、気にならなくなった。
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東京の某所では一日約1400万人、約8000本の列車の運行を支えるところがあるとは知らなかった。
1996年に中央線に導入されたATOS(Autonomous Decentralized Transport Operation Control System)がどんどん進化して広い範囲の路線(2014年4月時点で線路延長1181.3km)をカバーしてるとのこと。
それでも指令室が管理する1269.7kmすべてをカバーし切れていない。まだまだ進化途中のようだ。
出版元の交通新聞社という会社は初耳だったが、鉄道関連の書籍を結構出版しているみたいである。
内容とは関係ないが、「足らない」という記述がどうも古くさい言い回しに感じてしょうがない。(「足りない」も「足らない」も意味は同じなんですが個人的な好き嫌いなもので)
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都内某所にあるJR東日本の都心部路線の管制を行う「東京総合指令室」を取材したもの。
内容的には想像の範囲内かな。高度なセキュリティ故に書けることは少なく、何だかJR東日本のPR紙っぽい内容に感じた。
想像の範囲内と書いた管制システムのATOSがここ10年~20年で整備されてきたことの方が驚き。
現在はATOSによって管制しているため人員の配置も変わっている訳で、ATOSが大規模なシステムダウンした時に、現在の駅員さんたちがどの程度対応できるのか、そちらの訓練も期待したいところ。
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東京近郊のJR駅の行き先別案内表示や、車内での他社線の遅延情報などは、この東京総合司令室の情報が基になっているとのこと。今ではすべての電車がどこを走っているか一目で分かるようだが、20年前はどの電車がどこを走っているかは分からなかったらしい。でも、その運行状況は今とそれほど変わらないように感じる。現在のシステムでは複数の列車に同一の文字情報をいっせいに送ることで、伝達ミスを防止しているようだ。
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○巨大鉄道企業・JR東日本の秘密が詰まっている
実際にJR東日本の「東京総合指令室」へ訪問し、関係者へインタビューしたルポである。
関東地区でATOSという管理システムが導入されてから、通常時もさることながら遅れが発生したりしたときに情報の発信が頻繁になったり遅れを解消するスピードが速くなったのではないか。JRのユーザーエクスペリエンスは格段に向上したはずである。
それを支える舞台が東京総合指令室。本書では、豊富なインタビューと取材で、いまのJRのあり様と発展してきた経過、ATOSの前のCTCなどの時代から掘り下げて解説している。
この中で一番驚いたのは「お客様目線で運輸指令も動くようになった」というような記述である。
確かに、ある一定の時期から全社的にお客様目線を大事にするような風潮が見て取れるような気がしていたが、お客様と直接接しない指令の人たちでも、そういう意識で仕事をしているのだ、と思わず感心させられる。
少し物足りない面があるとすれば、東京総合指令室以外の指令室、例えば新幹線や大阪などのことも取り上げて比較しても面白かったかもしれない。
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「(指令室の仕事は)営業職のように個人の成果は問われず、みんなで一丸となって取り組む必要があるので、とくにチームワークが求められる」(p.52)
異常時の対応では「初動」が重要なので、計画の担当者も、運転整理の判断をじっくり考えている余裕はなく、即決しなければならない。だから異常がないときは、計画担当の指令員は「◯時◯分に◯駅で人身事故が起きたらどうするか」などという課題を自分でつくり、頭でシミュレーションする練習をひたすら繰り返す。こうした練習がなければ、慌ただしい異常時に対策を即決して指令計画書を書くことはできないという。(pp.68-69)
輸送力のような「量」の問題が解決すると、次は輸送の「質」が求められてくる。とはいえ、通勤電車が頻繁に行き交う朝のラッシュ時に、リクライニングシートを備えた特急列車を走らせるのは難しいので、東京圏の在来線では、基本的に朝のラッシュ時を避けるように運転されている。(p.146)
鉄道が便利になることは、これまで『鉄道は乗り換えが面倒』と思って鉄道を利用しなかった方が、鉄道を利用するきっかけをつくることになると思うのです。だから、今後は鉄道会社がお互いに切磋琢磨しながらも一緒にできる工夫はどんどん協力し合って、東京圏全体の鉄道が便利になればと思うのです。鉄道会社はお互いに競争と協調の関係なのです。(p.176)
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東京圏の鉄道輸送を電力、信号、転轍機から車両、人員の運用まで一手に引き受ける指令室。稠密運行が当たり前のJRの裏方として奮闘する司令員の皆さんは尊敬に値する。スジ屋と言われるダイヤ編成のプロがいることは知っていたが、それだけでは様々な障害に対応するできないことが本書を読むと良く判る。これだから鉄道は面白い!
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「最近、自動運転と鉄道に興味があります」の第四弾(転職するわけではないです)。JR東日本の首都圏列車運行を一括管理する東京総合指令室に密着した本。意外にアナログな部分や、人間でなければならない仕事が多いのです。駆け込み乗車が列車運行に及ぼす影響がかなり大きいので、余裕をもって乗車しましょう。
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たまに新幹線の指令所での訓練がニュースになったりするが、在来線でも同じように運行管理をしていることを理解している人は少ないと思う。そうした縁の下の力持ちにスポットを当てた貴重な書。
ただ、もっと詳しい人に取材しても良かったのでは、と思う箇所がある。
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司令室で、運行管理をしているのは知っていたが、
司令室で働くみなさんに改めて感謝します。
特殊な技術が必要なのかと思いきや、普通に人事異動で配属されるようで、それにもビックリしました。
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#879「東京総合指令室」
首都圏の鉄道を管理する、JR東日本の「東京総合指令室」。その性格ゆゑ、表舞台に出る事は少ない組織であります。本書でも、セキュリティ上、詳しく書けない事もあつて隔靴掻痒の感があります。それでも現場のルポ、関係者インタヴューなどで、想像を膨らませる事が出来ました。
天下の東京圏を走る電車群の、現在の走行位置がリアルタイムで掴めるやうになつたのが、意外と最近の事だと知り、驚きました。ATOSつて凄いね。
スタッフの皆さま、今後も頑張つて下さい。
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JR東日本の鉄道輸送を支える心臓部「東京総合指令室」を紹介してくれる一冊。
写真など詳細情報はないけれど、セキュリティ性の高い施設を概要だけでも紹介してくれるのは興味深い。
500名のスタッフが東京体育館アリーナくらいの広いフロアで24時間当直勤務しているようで、仕事は輸送指令、運用指令、営業運輸指令、設備指令に分かれている。
東京圏輸送管理システムATOSに注目してしまうが、けっこう人手の作業が多いようで、発想を変えればシステムダウンしても対応できるってことで若手教育やBCP的には良いのかな。
日々の運用管理をされている方には本当に頭が下がる。東日本大震災の直後は、「毎日がダイヤ改正」状態だったということで、読んでいるだけで胃が痛くなりそうなところもあった。
武蔵野線は折り返し運転に強いらしい。