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妖怪仕置人(17) みんなのレビュー

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みんなのレビュー1件

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紙の本

お気楽妖怪退治からシリアスへの転換点

2004/10/21 11:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 妖怪と人間は共存できるのか? そんな疑問をテーマに持つマンガの代表格といえば『ゲゲゲの鬼太郎』だろう。静かな共存を望む鬼太郎が、悪意剥き出しの妖怪相手に活躍するという内容だ。マンガではないが高里椎奈の『薬屋探偵』シリーズも、人間とあやかしの軋轢を描いている。
 この『妖怪仕置人』も共存をテーマにしているが、内容はあまり複雑ではない。お色気アリのアクションコメディとしての色合いが濃いから。しかしそれもこの巻まで。これまで“気になる存在”“影の存在”として描かれてきた凶悪で強大な気配が、いよいよ動き出したからだ。
 本書に収録されているほとんどは、これまで通りに主人公の妖怪仕置人・威狩が身近に起こったトラブルを解決する、という内容。この部分は気楽に読める。大きく動き出すのは最後の章。あまり強大な力を目にし、主人公が絶望に近い思いを抱いてしまうのだ。
 今後、これまでのような気楽な展開は期待できないだろうが、最大の敵と対決するクライマックスへ向けての盛り上がりは強く感じられる。日常のチマチマしたトラブル解決から人類存亡の大問題へと、物語の転換点となるこの巻。今までの気楽さとの落差に気持ちが引き締まる。

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