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とっつきにくさはあるが、この前読んだアンダーワールドUSAのやつに比べれば、構成自体はかなりストレート。ラストに向けての畳みかけ方にはまだ若干のおぼつかなさを感じるが、やはり張り巡らせれていた伏線は一級品。しかし、エルロイの描く結婚式はあまりにもあまりな破滅フラグすぎて、もはや美しい。
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三十路になる直前くらいに読みました。
最後の締めあたりでウッと来ました。まあそうなるもんだな。なんて無常観に
とらわれた覚えがあります。
お願いだから貸した本返して!と分かれた彼女に言いたいです。あんた自身は
いいからさ、本だけは返してなと!まあ、文庫版ですが。
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「LAコンフィデンシャル」から読み始めたので、比較で言うと、さすがにかの傑作には及ばないと思うものの、素晴らしい力作。謎解きと犯人を痛めつけて解決、とならずに執拗なまでに真実を追い続ける、決してきれいごとではない、執念としか呼びようのないもの。そして、当初バッキーが取るに足らない娼婦と見なしていた、ダリアへの最後の祈りがこの小説と凡百のクライム小説との違いを際立たせている。
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一冊ものとは思えないボリューム。そのボリュームにものをいわした重厚さが特徴かな。2時間ドラマのようでもあるし。これいったい映画でどうまとめられているのかちょっと観たくなった。
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実際にあこった未解決事件ということで、読者は想像を掻き立てられ妄想を膨らませ充実した読書タイムを味わえることとなった。真実は闇の中とはいえ、ストーリーを追ううちにこれはフィクションとは思いつつもストンと腑に落ちる解決の技に納得。
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ジェイムズ・エルロイによる暗黒のL.A.(ロス・アンジェルス)四部作の第1作にあたる。第二次大戦後まもないロスを舞台に、実際に起きた事件を題材にしたミステリー。
語り手はロス市警の巡査で元ボクサーのバッキー・ブライチャート。 バッキーはやはり市警に勤める元ボクサーのリー・ブランチャードと、ボクシングの試合を通して知り合い、やがて仕事のパートナーとなった。 バッキーとリー、リーのガールフレンドのケイの三人には、奇妙な友情が育まれていった。しかし、1947年1月に起きたブラック・ダリア事件が三人の運命を狂わせてゆく。胴体を二つに切断された惨殺死体で発見された、ブラック・ダリアことエリザベス・ショート。女優志望の彼女に何が起きたのか。リーは事件に執念を燃やし、バッキーも次第に引きこまれてゆくが、捜査は暗礁に乗り上げる。
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原題 BLACK DAHLIA
人の持つ弱さのありのままが、
残酷なまでにさらけだされて、
人の持つ病的なまでの信念が、
信じられない強さを発揮して、
ノワールは綺麗事を許さない。
でも誰もがわかり得る、怖さ。
人の営みは実はこうなんだと。
倫理はあっても絶対じゃなく、
堕ちるしかないんですよね…。
咲くはずのない、黒いダリア。