紙の本
どこでミスが出てくるのか。
2017/08/14 11:46
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
完全犯罪を指南する裏ファイルを手に入れて、殺人を行う四つの倒叙ミステリ。
犯人の殺害現場から始まるので微に入り細に入り、描写されている。さて、どこが完全で、どこが抜けている行為なのか、読み手も犯人の行動に注意を払いながら読み進めていくことになる。
でも、ああやっぱりここでミスっているのね、と思ったツボ。もしくはああ、そこかい! といったケースが証拠となって犯人は警察にお縄になる。
二つのエピローグが意味深い。
紙の本
倒叙の短編集で読みやすい
2016/09/17 09:19
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投稿者:ずんのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
倒叙の短編集で少し時間が空いたときに読むにはちょうどいい内容。犯人の行動を自分が刑事になった視点で、この部分が後で犯行がばれる原因になるんじゃないか、などと予想を立てながら読み進めて、それがその通りだったり、更にそれを上回る
視点が出てきた入りすると面白いです。
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『メフィスト』掲載の2編に書き下ろしを2編加えた短編集。
タイトルの通り、『倒叙もの』の短編で、犯行と証拠隠滅、そしてラストで逃げ切れず罪が露見するという構成。各短編には枕草子をもじったタイトルがつけられている。
トリックのキモというか、犯人が『間違えたポイント』は割と見つけやすいが、春が一番解り辛かったと思う。逆に解りやすいのは夏かな。
ミステリとしてどうかではなく、個人的に好きだったのは冬だった。
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久々に講談社ノベルスから刊行された、深水黎一郎さんの新刊である。全4編とも、いわゆる倒叙ミステリで構成されている。裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人。やがて、警視庁捜査一課の海埜刑事が訪ねてくる。抜かりはないはずだったが…。
細心の注意を払い、殺人を自殺や事故に偽装した犯人を、どう切り崩すのかが読みどころなのだが、それだけなら『刑事コロンボ』シリーズなど先例は多い。本作の売りとは、ずばり、科学捜査の薀蓄。そう、やはり本作は「薀蓄」シリーズなのだ。
春。男が恋人を殺害。首吊り自殺に見せかけるつもりが…。警察が着目するのは、首の痕だけではなかったのだ。そして、奇妙な採取の目的とは。でも、その決定的証拠がなければ、言い逃れされたかもしれない。ギリギリの駆け引きだった。
夏。夜釣り中の転落事故に見せかけるつもりが…。なるほど、それだけの情報量が、含まれているとは、よく勉強したものだ。しかし、友人はメッセージを残していた! それは故意なのか、天の配剤なのか。ここまでやっておいて、詰めも甘かった。
秋。ミステリー慣れした読者なら聞いたことがある、あの反応。被害者が残したダイイング・メッセージに間一髪気づいた犯人は、除去したつもりが…。まさに後悔先に立たず。最後の皮肉も効いている。理解のある上司で、幸いだった。
冬。来たぞ密室トリック。科学実験の定番として、そのネタは聞いたことがあったが、海埜がヒントを得たきっかけとはっ! この環境条件が、トリック実現の前提だが、同時に仇にもなってしまった。恐るべし○○○○のパワー。
これらの犯罪に、面倒な動機や背景などない。現実にもありそうな事件を、すべて科学で切り崩すというのが、個人的にはポイントが高い。最後の最後に、海埜の甥の瞬一郎が登場。全編の結末もまた、一ひねりが効いている。
本作が気に入ったなら、『世界で一つだけの殺し方』もお薦めだ。
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昨年は『ミステリー•アリーナ』という意欲作であり傑作を生み出した著者の新たな試みが本書です。完全犯罪を成したはずの犯人はどこでミスをしたのか…
著者の短編『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』のようなものを期待していたのですが、前編とも専門知識に頼ってしまっているところが残念。
また、連作としての纏め方もミステリ的仕掛けというよりはオチの効いた噺という感じでした。
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いわゆるコロンボ式、倒叙ものの連作短編集。
このスタイルのものは、犯人と探偵役の対決がみどころになると思う。反抗過程で起きた小さなミスを、いかに引き出し、突き詰めるかが盛り上がりどころ。
構図自体は外れていなかったが、どちらかといえば超人然とした刑事が、犯人の見えないところで解決してしまっている、という印象があったのが少しマイナス点。
また途中までは、共通して登場する「完全犯罪指南書」の扱いがちょっと中途半端だなぁ、と感じていたが、これについては最後にひっくり返ってよかった。ただ、エピローグではなく、もっと拡大した続編の長編でも書いて、そこで著者の別シリーズの探偵と対決してくれての結末なら、さらによかったのだが。
3
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完全犯罪を目論んだ犯人はどこでミスを犯したのか?『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』 でミステリ界席巻中の著者渾身作
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インターネット上に不定期に配信される『完全犯罪完全指南』を読んだ人物が完全犯罪を試みる連作短編集。海埜刑事と犯人の対決が地味めですし、ミスした部分がバレバレなので多少不満はありますが、殺人の手段や場所にバリエーションを持たせているところは好印象。
ベストは倒叙ものの体裁を取りつつもトリックは読者に伏せている【冬は氷密室で中毒殺 雪の降りたるは言ふべきにもあらず】。しらばっくれる犯人に対して海埜刑事がしつこく推理を開陳していく展開は読み応えがあります。
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タイトル通り、倒叙ものを集めた短編集。
海埜刑事がコロンボ的な位置かな。
犯人の独白が、どれも鼻持ちならないから、全然共感できない。殺しの動機も身勝手だし。
ま、共感する必要なんてないんだけど。
共通して登場する「完全犯罪完全指南」
そんなものを作る人間も鼻持ちならない。
なので、どうやって犯人が捕まるかを楽しみながら読むことができた。
四季の順番のタイトルもいい。
最後の作品が、それまでのパターンを踏襲していないのにびっくり。あのラストは、本当にびっくり。
見事にやられた。
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「花窗玻璃 シャガールの黙示」などで出てた探偵と警察の伯父が主人公の短編集
警視庁の刑事が作成した≪完全犯罪完全指南≫という裏ファイルを入手して完全犯罪を行った4人の物語
「春は縊殺」
自宅での首吊り自殺を偽装したが、2人分の体重を1人で支えた地蔵背負い状態で首を絞めたことで、足跡が残ってバレた。
「夏は溺殺」
海水を入れたクーラーボックスで溺殺して死体を海に投げ入れたが、溺れてる最中に被害者が生前食べた団子をクーラーボックスに吐いて更にそれを飲み込んだことが判ってバレた。
「秋は刺殺」
他殺に見せかけて刺殺するが、被害者が血溜まりの中でもわかるようにロウソクのロウでダイイングメッセージを書いていたのでバレた。
「冬は氷密室で中毒殺」
練炭自殺を偽装したが、被害者の手にマッチを使った痕跡がなかったのでバレた。
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【収録作品】春は縊殺 やうやう白くなりゆく顔いろ/夏は溺殺 月の頃はさらなり/秋は刺殺 夕日のさして血の端いと近うなりたるに/冬は氷密室で中毒殺 雪の降りたるは言ふべきにもあらず/エピローグ/もう一つのエピローグ
*二つのエピローグで全体が締まる。
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完全犯罪の手引きを手にした犯人が仕掛ける偽装工作に海埜警部補が挑む4作を収録。偽装を予想外の物証でひっくり返す『春は縊殺』はトドメの海埜警部補のセリフも含めて好き過ぎる。エピローグでの〆も爽快でお見事。
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さくっと読めるダブルどんでん返し短編集
おもしろかったぞ。ワンパターン展開が楽しいし、2つあるエピローグが逸品だ。出張のお供にもいい感じ。楽しいミステリーだ。
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刑事コロンボや古畑任三郎のように、犯人の視点で殺人事件などを語る倒叙推理小説の連作短編集。
犯人の計画がだいぶ周到で、多少ぼろが出てもやすやすとは自白しないし、刑事の側も最新の捜査技術を尽くして犯人を追いつめるので、その駆け引きがとてもスリリング。
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「倒叙」だったのですね。倒叙。
叙述短編だー!と勝手に喜んで買ってしまったのですが、最初を読んで……おや?と。
それはそうなのです。倒叙なんだから!!1
「完全犯罪完全指南」を手に入れた人が、選りすぐりの過去の犯罪を自分なりにアレンジして完全犯罪を目論むというストーリー。
どうしても気になる事が2話目くらいまではチラつくのですが、途中はそんなことも忘れてしまうのですね。
そして見事に最後の最後に回収されてとってもスッキリ!
コロンボ役の海埜刑事がどうやってトリックを暴いて行くのか。
独特の面白さなのですよね、倒叙って。
倒叙を読んだことってほとんど無いのでピンと来なかったのですが
犯人に感情移入出来て、犯人視点にシンクロできたらこれってもの凄くアドベンチャーなんじゃないのでしょうか?
ゲーム実況で確か犯人視点の金田一君を見たのですけど、あんなヒヤヒヤとドキドキがきっと倒叙なのでしょうね。
そう言う面で感想を言うなら、追いつめられる切迫した心理なんかは無かったんじゃないかなぁ……と思うのです。