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読書記録です。まだの人は読まないでね。
「海の見える理髪店」「いつか来た道」「遠くから来た手紙」「空は今日もスカイ」「時のない時計」「成人式」
短い物語なのに、直接的な説明文があまりなくてもそういうことか…と納得できる文章で読みやすかった。
「海の~」は、こんなふうに喋って時間をかける店主だったらめんどくさいなぁなんて、普通にお客さんになった気分で軽く読み始めて、見える景色がひっくり返ってしまった読後。「いつか~」娘と母の物語の王道。この母娘は美術だったけど、私はケータイだった。絶対的な母親の姿がどこかで切り替わる瞬間。「遠く~」モバイルを通じて語りかけるのはチョット。ただ、ラストに翔子が持ち帰った手書きの手紙1通の内容が可愛らしかった。「空は今日も~」ところどころに何気なくかかれているおうちでの状況が怖すぎる。誤解解いてよ!その二人からじゃ正しく伝わらないよ!かえってやばいんじゃ!とつい心配してしまったわ、オバチャンは。「時の~」父と息子版。こちらは時計。「成人式」もし、第三者的にこの出来事を聞いただけだったら「わかるけどさ~」という感想しかないけど、そこへ至るまでの夫婦の気持ちの流れを読むと納得できた。悲しみを抱えたままでも、生きてる人が救われて欲しい。
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【直木賞】受賞、おめでとうございます。
せつなくほろ苦い人生の可笑しみが心にしみる短編集でした。
そういえばちいさい頃は、弟と一緒に床屋さんだった…。
剃刀をベルトのようなものでシュッ、シュッっとやってみたかったこととか、
暖かい白いクリームや、顔をそられた後のつるりとしたほっぺとか、
懐かしく思い出しました。
特に好きなのは#遠くから来た手紙
夫が仕事ばっかり、と腹を立て実家に帰った主人公に届いた謎のメール…。
戦時中、どれほど願っても、ともに生きられなかった人がいる。
添い遂げたくてもかなわなかった人がいる。
孫娘を心配し、現代人の贅沢な悩みや不満を叱ってくれたメッセージ。
いつもそばにいてくれる人を、もっと大切にしよう。
そう思わせてくれました。
そして5年前、15歳の一人娘を事故で亡くしてから、
時間が止まってしまっている両親を描いた#成人式。
母親が娘の代わりに振袖を着て成人式へ出席して、それを応援する同級生たち。
自分たちが悲しみ続けることを娘は望んでいない。
笑っていてくれることが嬉しいはず。
そう思えるようになった両親。
これにはうるっと…。もう弱いです。
なんかね、じんわりとこみ上げてくるものがあります…。
誰でも取り返しのつかないことへの後悔はあって、
それを抱えて生きているものなんだなぁと…。
家族だからこそ、難しいこともあるかもしれないけれど、
「ありがとう」と「ごめんなさい」を…。
伝えられるうちに…。
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第155回直木賞。
・海の見える理髪店 ・・・ 離婚した両親。
・いつか来た道 ・・・ 今後自分の身に降りかかる問題?
・遠くから来た手紙 ・・・ 私も昔、遠恋。よく手紙書いたね。
・空は今日もスカイ ・・・ 家出。ホームレス。
・時のない時計 ・・・ 父の形見の時計。安物。ありがち。
・成人式 ・・・ 実際にはちょっとないなぁ。
の短編六編。
第155回芥川賞「コンビニ人間」が
「普通って何?」を問う作品なら
この作品は、逆に「普通って例えばこんな感じ」を
描いたAns.作品になっているとも言えるかも!
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家族の絆の物語6編。「今日も空はスカイ」(だっけ?)が一番好き。この著者を好きな人は「成人式」なのかな?これまでの作品と安定の力量に直木賞はもらえたんだろうから、はじめてこの人の作品を読むなら、受賞作ではなくこれまでの代表作を読むのがいいと思う。
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思わず引き込まれてしまった感じです。
正直、賞をとったので読む気になったのだが、
大変面白かった。
「我輩も猫である」も・・・
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赦すこと、
受け入れること、
肯定すること を
主題にした6つの短編集
深みを期待したけど、ちょっと軽めの作品
軽さは、直木賞作品だからこそ かな
サクっと読めることを是とする大衆文学の価値と捉えるとよいかも
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萩原浩さんの本は、数冊目。
脂が乗りに乗っている時と思われるときの本は、日常に頑張る人たち、つい電車で隣で疲れて寝てるおじさんの人生がこうなんじゃないか?って思えるような、親近感の持てる優しい見守り感のある本が多かった。でも今は、元犯罪者などで、非現実感が高くなり、ありきたりの他の本に近くなってしまっている。
そして、この前の「明日への追憶」あたりから、著者と同じ世代でないと楽しみにくい本になっていると思う。
この本と「明日への追憶」から思うに、今、著者は若いころよりは身近に迫ったように感じる死の影におびえていらっしゃるのではないかと思う。
その気持ちは死へはまだまだと思われる私の世代にとっても、年をとってくる両親を見て感じる不安と言う形で分からないではないのだけれど、これまでの作品に比べると品質が低下している。
荻原さんの特徴は、どうしようもない辛い現状を打破しようと辛い中に、ユーモアを入れてくれるのが好きだったのだが、そのユーモアも影を潜めてしまっている。
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ある書評家さんが酷評していたので、あまり期待せずに読みました。先の展開が分かってしまう話もありましたが、内容は、さほど悪くもない感じでした。ただ、直木賞を受賞する作品としては、若干物足りないような気もしました。
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良かった。これも荻原さんだね〜。でも、直木賞はもっと早く別の作品でとって良かったのに。最後の話を人前で読んだのは失敗。うつむいたり天井を見上げたり…顔を隠したりしなくちゃならなくなりました。
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直木賞受賞作ということで手に取りました。
家族の日々を描いた六編の物語。
母と娘、夫と妻、父と息子などと家族の形と視点は
それぞれですが同じような人生経験を
自分と重ねて合わせて読んでみるととても切ない気持ちになり、
当時の記憶が更に蘇り懐かしくもあり、嬉しかったり気恥ずかしくもなり
様々な気持ちに駆られました。
その中で「空は今日もスカイ」は少し違う雰囲気で、
まるで絵本を読んでいるかのようなリズム感が溢れ出ていて印象的でした。
英語をこのようにカタカナだけで表すとまた違った雰囲気と言語に生まれ変わるのかと思えました。
家族を描いた小説はいくつか読んでいますが、
「成人式」のようなタイプは初めてです。
これだけは自分では経験の出来ない思いですが、
この夫婦の心の痛みと悲しみがあまりにも響き途中で
涙が出そうなのを堪えました。
娘のためだけでなく、自分達のために、
同じところを揺れてばかりの悲しみのメーターを、
どこかで大きく振り切らねばならないのだ・・・
というところは生きていく力強さのようなものを貰えたような気がしました。
どれも心に沁みて泣けますが、
その先には明るい光が射し込んでいるのが見えるので
とても爽やかな印象にもなり何度でも繰り返して読みたくなります。
そして家族というかけがえのないものを改めて大切に
したいと思える作品だと思いました。
荻原さんの作品はこれが初めてですが、
これをきっかけに他の作品も読みたいと思います。
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いくつかの小編を集めている本であるが、最初のタイトルの小説がこの中で一番いい。これを読んで、自分も小説を書けると考えさせるような小説である。
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短編なので、読みやすかったです。
特に、「海の見える理髪店」心が温まる…
ちょっと違うかな…
人って、色々な思いを抱えて生きているよね
と、思わせてくれる短編集でした。
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連作短編かと思ったら違った~!ちょっと残念!!
それに、ちょっと重いというか、息苦しい感じの話が多かったかな。。。
表題作はよかったんだけど。
子供に先に死なれることほど、やりきれないことはないない気がする。
そしてもし、自分があの時ああ言わなければ、とか、こう言っていたら、とか、心残りを抱えてしまったら、そんなものを抱えたまま、生きていけない気さえする。
それでも人は、生きなければならないのだけれど。
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喪失の痛みと、そこから見えてくる一筋の光…
読み終わったあと、ちょっと泣きそうになりながらも思わず微笑んでしまうような、じわっと沁みる6つの短編。
表題作と「成人式」が良かった~。
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直木賞受賞と聞いて長編かと思っていたら、短編集だった。表題作がいい感じ。オチはありがちだけど、それをなかなか匂わせないのはさすが。
最後の「成人式」が人気のようだが、私は認知症の母親の話「いつか来た道」が好き。